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第二章 ~学園~
本番
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結局、チーレム野郎も時間切れで終わった。
「続いて、ユウト!」
俺の番だ。
作戦がなにも思いつかない。
さっき思ったことが本当だとしたら、俺なんかよりだいぶ強いはずだ。
どうやったら勝てる?
なにか方法はあるか?
前の2人と、同じ戦い方だったら負けるし。
方法がない!
悶々としながら前に進み出ると、訓練用の剣を渡される。
ヤバいヤバい、ホントに何にも思いつかない。
だいたい、試験官の癖に強すぎなんだよ!
、、、ん?待てよ。
なにか閃いた気がする。
あっ!
試験官自身は強すぎる。
だが、剣はどうだろう。
訓練用の剣だから、たいした強度はないと思う。
俺だったら、壊せるんじゃないか?
剣の同じところを攻撃して、折るんだ。
そしたら、隙が出来るだろうから、そこを狙って行けば良い。
よしっ!
作戦は決めた!
俺は覚悟を決めて、試験官と向かい合う。
「それでは、始め!」
掛け声とともに駆け抜け、試験官の前で上に跳び、全体重をかけて剣を振り下ろす。
ガギィィィン
やっぱり、多少は刃こぼれしたようだ。
よし、このまま!
地面に足が着く直前に、振り払われる。
その力を利用し、一旦後ろに跳ぶ。
試験官はまだ、一歩も動いていない。
やはり、自分からは仕掛けないのか。
それを確認すると、試験官に向かって突っ込んで行き、剣を連続して当て続ける。
キィンキィンキィンキィンキィンキィン
なるべく、最初の一撃で刃こぼれがしたところを狙い剣を振るう。
速く、早く、疾く剣を振りつづける。
全てを防がれたが、それが目的だ。問題ない。
残り時間が1分を切ったところで
バキッッ
よっしゃあ、砕けた!
試験官は、剣が砕けたことで多少は動揺したが、すぐに距離をとろうとする。
そうはさせるか!
自分に出せる1番の速さで回り込み、剣を逆手に持ち替える。
そして、すれ違いざまに試験官へ剣を首に突きつけた。
「そこまで、勝者、ユウト!」
作戦成功だ!俺、頑張った!!!
ザワザワザワ
俺が勝ったことが信じられないようで、辺りがざわつく。
「ちょっと待て!」
チーレム野郎、もといラスティールが叫んだ。
「この僕が負けて、こんな奴が勝つだなんて納得いかない!第一、武器が壊れたのだって僕が前の試合でダメージを与えたからに決まってる!」
うっせぇなぁ、往生際の悪い。
俺が反論しようと口を開いたとたん、
「見苦しいぞ!!」
良く響く声が一喝した。
声の発信源は、俺たちの相手をしていた試験官のようだ。
「こ、この声は、、、。」
ん?王太子さんは試験官のこと知っていたのか。
試験官は、王太子の方をチラリと見たあとラスティールに向かって話しはじめた。
「この折れた剣を良く見ろ!見事に真ん中で折れているだろう。これは、コイツが常に剣の一点を狙ったからに他ならない!」
ラスティールをギィンと睨んで言い放つ。
「お前に、そんなことが出来るのか!」
「で、出来る!僕だって思いつけば実行したさ!」
「だが、思いつかなかっただろう。その結果が、お前の試合だ。」
静かに諭されたチーレムyarゲフンゲフン、ラスティールは、不満げな顔をしながらも、一応は理解したように頷いた。
この後の試験はとんとん拍子に進み、すぐに終わった。
俺のほかに、試験官を倒した奴は出なかったみたいだ。
それよりも、魔法の試験で満点を取った奴以外は他の試験官に交代していた。
俺を含む最初の3人の相手をしていた試験官は、いつのまにか消えていた。
どこ行ったんだろうな。
王太子は知ってるかな。
なんか知り合いみたいだったし。
とりあえず、もう一方の試験も終わったようで今日は解散になった。
結果発表は明日だ。
首席だと良いな。
100点以上はない試験だから、魔法で抜かされていることはないし。
剣術の方は倒したから問題ない。
心配なのは筆記試験だが、5回も見直ししたんだ、平気だろう。
うわっ、急に不安になってきた。
大丈夫だよな、ミスしてないよな。
俺は、不安になりながらも団長と合流し、屋敷に帰った。
~~~~~~
馬車の中では、団長に試験の出来具合を聞かれた。
「ユウト、試験はどうだったんだ?」
「えっーと、魔法は満点もらった。剣術は相手を倒した。」
それを聞いた団長は、嬉しそうに笑った。
「そうか、そうか。俺たちで鍛えたかいがあったなぁ。サイメルも喜ぶぞ!で、筆記試験の方はどうだったんだ?」
俺は、再び不安になりながらも答えた。
「一応全部埋めたけど、合ってるかどうか不安になってきた。」
「そっ、そうか、、、。まぁ、お疲れ様。」
筆記試験取れてなかったら、セバスから恐ろしい目に合わされるぞ。
ボソッとつぶやいた団長の声が、やけに耳へ響いた。
団長、分かってるから改めて言わないでくれよぉ。
「続いて、ユウト!」
俺の番だ。
作戦がなにも思いつかない。
さっき思ったことが本当だとしたら、俺なんかよりだいぶ強いはずだ。
どうやったら勝てる?
なにか方法はあるか?
前の2人と、同じ戦い方だったら負けるし。
方法がない!
悶々としながら前に進み出ると、訓練用の剣を渡される。
ヤバいヤバい、ホントに何にも思いつかない。
だいたい、試験官の癖に強すぎなんだよ!
、、、ん?待てよ。
なにか閃いた気がする。
あっ!
試験官自身は強すぎる。
だが、剣はどうだろう。
訓練用の剣だから、たいした強度はないと思う。
俺だったら、壊せるんじゃないか?
剣の同じところを攻撃して、折るんだ。
そしたら、隙が出来るだろうから、そこを狙って行けば良い。
よしっ!
作戦は決めた!
俺は覚悟を決めて、試験官と向かい合う。
「それでは、始め!」
掛け声とともに駆け抜け、試験官の前で上に跳び、全体重をかけて剣を振り下ろす。
ガギィィィン
やっぱり、多少は刃こぼれしたようだ。
よし、このまま!
地面に足が着く直前に、振り払われる。
その力を利用し、一旦後ろに跳ぶ。
試験官はまだ、一歩も動いていない。
やはり、自分からは仕掛けないのか。
それを確認すると、試験官に向かって突っ込んで行き、剣を連続して当て続ける。
キィンキィンキィンキィンキィンキィン
なるべく、最初の一撃で刃こぼれがしたところを狙い剣を振るう。
速く、早く、疾く剣を振りつづける。
全てを防がれたが、それが目的だ。問題ない。
残り時間が1分を切ったところで
バキッッ
よっしゃあ、砕けた!
試験官は、剣が砕けたことで多少は動揺したが、すぐに距離をとろうとする。
そうはさせるか!
自分に出せる1番の速さで回り込み、剣を逆手に持ち替える。
そして、すれ違いざまに試験官へ剣を首に突きつけた。
「そこまで、勝者、ユウト!」
作戦成功だ!俺、頑張った!!!
ザワザワザワ
俺が勝ったことが信じられないようで、辺りがざわつく。
「ちょっと待て!」
チーレム野郎、もといラスティールが叫んだ。
「この僕が負けて、こんな奴が勝つだなんて納得いかない!第一、武器が壊れたのだって僕が前の試合でダメージを与えたからに決まってる!」
うっせぇなぁ、往生際の悪い。
俺が反論しようと口を開いたとたん、
「見苦しいぞ!!」
良く響く声が一喝した。
声の発信源は、俺たちの相手をしていた試験官のようだ。
「こ、この声は、、、。」
ん?王太子さんは試験官のこと知っていたのか。
試験官は、王太子の方をチラリと見たあとラスティールに向かって話しはじめた。
「この折れた剣を良く見ろ!見事に真ん中で折れているだろう。これは、コイツが常に剣の一点を狙ったからに他ならない!」
ラスティールをギィンと睨んで言い放つ。
「お前に、そんなことが出来るのか!」
「で、出来る!僕だって思いつけば実行したさ!」
「だが、思いつかなかっただろう。その結果が、お前の試合だ。」
静かに諭されたチーレムyarゲフンゲフン、ラスティールは、不満げな顔をしながらも、一応は理解したように頷いた。
この後の試験はとんとん拍子に進み、すぐに終わった。
俺のほかに、試験官を倒した奴は出なかったみたいだ。
それよりも、魔法の試験で満点を取った奴以外は他の試験官に交代していた。
俺を含む最初の3人の相手をしていた試験官は、いつのまにか消えていた。
どこ行ったんだろうな。
王太子は知ってるかな。
なんか知り合いみたいだったし。
とりあえず、もう一方の試験も終わったようで今日は解散になった。
結果発表は明日だ。
首席だと良いな。
100点以上はない試験だから、魔法で抜かされていることはないし。
剣術の方は倒したから問題ない。
心配なのは筆記試験だが、5回も見直ししたんだ、平気だろう。
うわっ、急に不安になってきた。
大丈夫だよな、ミスしてないよな。
俺は、不安になりながらも団長と合流し、屋敷に帰った。
~~~~~~
馬車の中では、団長に試験の出来具合を聞かれた。
「ユウト、試験はどうだったんだ?」
「えっーと、魔法は満点もらった。剣術は相手を倒した。」
それを聞いた団長は、嬉しそうに笑った。
「そうか、そうか。俺たちで鍛えたかいがあったなぁ。サイメルも喜ぶぞ!で、筆記試験の方はどうだったんだ?」
俺は、再び不安になりながらも答えた。
「一応全部埋めたけど、合ってるかどうか不安になってきた。」
「そっ、そうか、、、。まぁ、お疲れ様。」
筆記試験取れてなかったら、セバスから恐ろしい目に合わされるぞ。
ボソッとつぶやいた団長の声が、やけに耳へ響いた。
団長、分かってるから改めて言わないでくれよぉ。
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