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第11話 選ばれなかった者
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「——今日は、随分静かなのね」
リュネの、思い立ったような発言に、カイルは思わず背を向けていた。薪がぱちんと爆ぜ、意味もなく本のページをめくる。
顔が、見られない。その事実に、胸がずきりと痛む。
そんなに、あの女に期待していたのか、と。
「生憎、おしゃべりが不得意なもんでな。気の利いた話題ひとつ提供できず、申し訳ないぜ『魔女さま』」
「結構よ。静かなのは嫌いじゃないから」
再びの沈黙。カイルは居心地悪く、背を曲げた。横目で背後のリュネを窺う。
ずっともやもやしたものが頭の中にいる。酷く不愉快なのに、消し方が分からない。ぎりりと噛み締めた奥歯が鳴っていた。
と、
「おい魔女さま!」
ノックの音もなしに、ドアがいきなり開いた。驚いて肩を跳ねさせ振り返れば——あの男だ。妻に暴力を振るっていた、クソ野郎。
酒か、寒さか。判断できない赤ら顔で、男はリュネに食ってかかる。
「一体どういう事なんだ。なあ、おい!」
「こんにちは。どうかしたの?」
「どうもこうも……俺の妻が、村から出ていったのを見たやつがいたんだ。もう二日も帰ってこねえ!」
いらだちを隠すこともなく、男はどんどんと足を踏み鳴らし、少ない髪をかきむしった。
「くそっ、あいつどこに行きやがった……! 一刻も早く連れ戻さねえと。なあ魔女さま、助けてくれ!」
「……尋ねたいことがあるのだけれど」
(……声が低い?)
対峙するリュネの背は、ひどく静かだ。感情的な男を前に、臆する様子もなく、淡々と言葉を続ける。
「奥さまがどこに行ったのか、本当に分からないの?」
リュネの様子に気圧されたのか、男は一瞬うろたえた。が、すぐにふてくされた子どものように口を開く。
「……当たり前だろ。だって、急にいなくなったんだ。家の事ほっぽり出して……ったく、あいつ、何考えてんだ」
「何を考えていたんだ、ね。兆候すら、あなたには分からなかったわけ」
リュネの言葉が途切れた瞬間、男の顔が、火が吹き出るように赤くなる。
「……まさか男か? あいつ、それで黙って」
「旦那さん」
それはまるで、刃物ですとんと切るような。
リュネの声は平坦なままで、それが逆に不気味なほどだった。足元に漂う冷気が、余計に彼女の無感情さを際立たせている。
「あなたが、奥さまを探そうが何しようが、決めるのはあなたです。ですが……わたしからは、何も出来ることはありません」
「……はっ?」
「なので、どうぞお引き取りください。ここには怪我人もいますので……お静かにいただけると」
「は? は? なんで……お前、『赦しの魔女』だろ……?」
ああ、これは——。カイルが立ち上がったよりも先に、男の太い手がリュネの肩を引っ掴んでいた。
まずい。あいつ、魔女にまで。
「てめえ、アイツの居場所を知ってるんだな……!? 言えよ! 言え!」
「旦那さん」
が、その一言で、男はぴたりと動かなくなる。まるで、魔法にでもかけられたみたいに。
リュネは自分の両肩にある、がっしりとした両手をゆっくりと離した。男は、支えを失ったようにふらつくと、ぐらりと後ろに転げる。ドアの境界線に進んだリュネは、彼の視線に合わせるようにしゃがみ、感情のない声で言い放った。
「お引き取りください。わたしは、あなたの選択を尊重します。その上で……あなたの力にはなれない」
男はずりずりと後ずさり、それから足をもつれさせながら逃げ帰った。リュネはそれを見送り、ドアをばたんと閉める。
ため息をついて、振り返った顔は——あの、いつも通りの微笑みで。カイルはもう自分の背筋がざわめいている事を、無視できなくなっていた。
「びっくりしたわね。大丈夫?」
「……そうやって」
リュネの目が丸く見開かれる。けれどカイルは、それをにらみつけた。
「そうやって、あんたは、赦すやつを選別してんだな」
「選別って言うのは……正しいけれど、ちょっとキツい言葉ね」
「事実だろ。口では上手いこと言ってるくせに、お前の赦しは、気分で決めてんだ」
「……ちょっと、カイル」
リュネが手を伸ばす。けれど、カイルは白いそれをぱちんと叩いた。
「俺のことだって、どうせあんなふうに捨てるんだろ!?」
「お前はすべてを赦さない。そう自分で言ってたよな? なら、俺がその『赦されない』にされる可能性だってあるんじゃないか。あのオッサンみたいに!」
「カイル、それは」
「散々綺麗事言いやがって……あんたの言葉は欺瞞だ。気分で変わる味方なんて、俺にはいらねえんだよ……くそったれ」
くたりと力が抜けて、カイルは椅子に項垂れた。頭の中がぼうっとする。
最悪の気分だ。
リュネの足が見える。来るな。カイルは内心、そうつぶやく。
来るな。来るな。もう、あんたなんかいらない。
(あんたを信じる俺なんか……)
「……ごめんなさい」
ぽつり、と投げかけられた言葉に、カイルは思考を止めた。ゆらり、顔を上げれば、頭を下げ、首筋をあらわにした魔女がそこにいた。
「わたしの言葉は最適ではなかったし、あなたに強い不安を与えた。否定なんてしようがないわ。本当にごめんなさい」
あのね、カイル。
リュネがゆっくり顔を上げる。その目尻が赤くなっているように見えて。カイルは心臓を握られたような気がした。
泣いている? なぜ?
あの、魔女が?
「『誰でも赦すわけではない』ってね、世界中の人々の意見を赦す意味ではないよ、ということなの。でも、わたしの手の届く限りのひとたちには、与えられる限りの選択肢と猶予を与える。それが、わたしの『赦し』」
「——じゃあ、あのオッサンは」
「一度、赦した。奥さまに話を通して、もう暴力は振るわない、お酒も週に一度にするって、約束したの。でも、ダメだった」
「……そんなの、俺が知るわけないだろ」
「そうよね」
「……ねえ、カイル。牧草庫の少年を覚えてる?」
「放火の……」
「そう。彼は結局、新しい牧草庫の建築作業を手伝ったし、ご両親は持ち主に賠償金を支払った。あなたも、その姿を見たんじゃない?」
頷く。散歩の途中で、その様子は確かに眺めていた。少年は職人たちの下働きとして、資材運びをしたり、邪魔な土を退けたりしているのだと。学校帰りに遊ぶこともなく。
「だけどもし、彼がまた火をつけたら……わたしは、彼の力にはもうなれない。だってそれが、彼の下した選択なんだもの」
「選択」
「そう。もう一度火をつける、って選択」
それにね、
リュネは目尻を指で拭い、少し考えたあと、ゆっくりと口を動かす。
「……あなたは、昔のわたしに似てるの」
「それが、なんなんだよ」
「同じ道を辿って欲しくない」
「昔のわたしは……選べなかった。ううん、選ばなかった、が正確かな。その結果、酷い後悔をすることになった」
断定した言葉。目は——笑っていない。どこか遠いところを見る緑眼は、彼女にしてはひどく厳しい感情を滲ませていた。
それは、まるで、怒っているみたいに。
「あなたには、何かを選んで欲しい。どんな選択でもいい。でも誰かに選ばされたり、先が分からない、分かっていない選択肢を選んだりは、して欲しくないの」
「……俺の選択」
そう。
リュネが再び微笑む。柔らかくたわんだ緑色のひとみが、強い光を弾いていた。
「あなたの選んだ結果なら——わたしはどんな道であっても赦す。ねえ、カイル。世界中の誰が否定したって、あなたのことを肯定するわ。絶対に!」
どきん、と心臓が跳ねる。背すじがざわざわして、足をぽんぽん跳ねさせたくなる。
ああ、くそ。こんな言葉で。
カイルは顔をむすっとさせて、リュネから視線を外した。
「……どーだか」
「信じてくれなくても、いいわ。そうするだけだから。でも……言葉って難しいわね。わたしもまだまだだわ。あなたの不安に、気づけていなかったし」
「なあ」
「前から気になってたんだけど、『昔のお前』って、なんなんだ?」
思えば、おかしな話ではある。この女は、どう見積っても二十そこらの若い娘だ。過去と言ったって、せいぜい十数年。
その間の自分を、あそこまで憎らしい顔をして思い出すようなことができるだろうか。
それに、だ。
(まるで、別人のことみたいに話していたのも気になるんだよな)
カイルの言葉に、それでもリュネは動揺を示さなかった。話していた時に滲ませていた怒りでさえ。
「それは秘密。あなたに秘密があるように、わたしにも隠したいことがある」
それにね。
くちびるに指を当て、リュネはぱちんと片目を閉じた。
「あんまりに愚かで浅慮で恥ずかしいから……言いたくないの」
そう言って、リュネは元いた椅子に戻る。いつもそうしているように、分厚い本を抱えて、もうその世界に入り切っている。
カイルはそれを見ながら、ただ黙って火の管理をした。がりがりと火かき棒で灰を搔く。
この女を信じるべきか、信じないべきか。関われば関わるほど、分からなくなっていく。判断が出来なくなっていく。
こんなこと、今まで有り得なかったのに。
不快で、不安で、不満で——だのに、信じたいと手を伸ばしてしまう。
縋ってしまう。リュネという、魔女に。
あんな純粋な、まっすぐな肯定なんて……生まれてこのかた、受けたことがなかったから。
「……くそっ」
カイルは火かき棒を乱暴に動かす。赤赤と燃える炎が、息をするように火の粉を吹いた。
リュネの、思い立ったような発言に、カイルは思わず背を向けていた。薪がぱちんと爆ぜ、意味もなく本のページをめくる。
顔が、見られない。その事実に、胸がずきりと痛む。
そんなに、あの女に期待していたのか、と。
「生憎、おしゃべりが不得意なもんでな。気の利いた話題ひとつ提供できず、申し訳ないぜ『魔女さま』」
「結構よ。静かなのは嫌いじゃないから」
再びの沈黙。カイルは居心地悪く、背を曲げた。横目で背後のリュネを窺う。
ずっともやもやしたものが頭の中にいる。酷く不愉快なのに、消し方が分からない。ぎりりと噛み締めた奥歯が鳴っていた。
と、
「おい魔女さま!」
ノックの音もなしに、ドアがいきなり開いた。驚いて肩を跳ねさせ振り返れば——あの男だ。妻に暴力を振るっていた、クソ野郎。
酒か、寒さか。判断できない赤ら顔で、男はリュネに食ってかかる。
「一体どういう事なんだ。なあ、おい!」
「こんにちは。どうかしたの?」
「どうもこうも……俺の妻が、村から出ていったのを見たやつがいたんだ。もう二日も帰ってこねえ!」
いらだちを隠すこともなく、男はどんどんと足を踏み鳴らし、少ない髪をかきむしった。
「くそっ、あいつどこに行きやがった……! 一刻も早く連れ戻さねえと。なあ魔女さま、助けてくれ!」
「……尋ねたいことがあるのだけれど」
(……声が低い?)
対峙するリュネの背は、ひどく静かだ。感情的な男を前に、臆する様子もなく、淡々と言葉を続ける。
「奥さまがどこに行ったのか、本当に分からないの?」
リュネの様子に気圧されたのか、男は一瞬うろたえた。が、すぐにふてくされた子どものように口を開く。
「……当たり前だろ。だって、急にいなくなったんだ。家の事ほっぽり出して……ったく、あいつ、何考えてんだ」
「何を考えていたんだ、ね。兆候すら、あなたには分からなかったわけ」
リュネの言葉が途切れた瞬間、男の顔が、火が吹き出るように赤くなる。
「……まさか男か? あいつ、それで黙って」
「旦那さん」
それはまるで、刃物ですとんと切るような。
リュネの声は平坦なままで、それが逆に不気味なほどだった。足元に漂う冷気が、余計に彼女の無感情さを際立たせている。
「あなたが、奥さまを探そうが何しようが、決めるのはあなたです。ですが……わたしからは、何も出来ることはありません」
「……はっ?」
「なので、どうぞお引き取りください。ここには怪我人もいますので……お静かにいただけると」
「は? は? なんで……お前、『赦しの魔女』だろ……?」
ああ、これは——。カイルが立ち上がったよりも先に、男の太い手がリュネの肩を引っ掴んでいた。
まずい。あいつ、魔女にまで。
「てめえ、アイツの居場所を知ってるんだな……!? 言えよ! 言え!」
「旦那さん」
が、その一言で、男はぴたりと動かなくなる。まるで、魔法にでもかけられたみたいに。
リュネは自分の両肩にある、がっしりとした両手をゆっくりと離した。男は、支えを失ったようにふらつくと、ぐらりと後ろに転げる。ドアの境界線に進んだリュネは、彼の視線に合わせるようにしゃがみ、感情のない声で言い放った。
「お引き取りください。わたしは、あなたの選択を尊重します。その上で……あなたの力にはなれない」
男はずりずりと後ずさり、それから足をもつれさせながら逃げ帰った。リュネはそれを見送り、ドアをばたんと閉める。
ため息をついて、振り返った顔は——あの、いつも通りの微笑みで。カイルはもう自分の背筋がざわめいている事を、無視できなくなっていた。
「びっくりしたわね。大丈夫?」
「……そうやって」
リュネの目が丸く見開かれる。けれどカイルは、それをにらみつけた。
「そうやって、あんたは、赦すやつを選別してんだな」
「選別って言うのは……正しいけれど、ちょっとキツい言葉ね」
「事実だろ。口では上手いこと言ってるくせに、お前の赦しは、気分で決めてんだ」
「……ちょっと、カイル」
リュネが手を伸ばす。けれど、カイルは白いそれをぱちんと叩いた。
「俺のことだって、どうせあんなふうに捨てるんだろ!?」
「お前はすべてを赦さない。そう自分で言ってたよな? なら、俺がその『赦されない』にされる可能性だってあるんじゃないか。あのオッサンみたいに!」
「カイル、それは」
「散々綺麗事言いやがって……あんたの言葉は欺瞞だ。気分で変わる味方なんて、俺にはいらねえんだよ……くそったれ」
くたりと力が抜けて、カイルは椅子に項垂れた。頭の中がぼうっとする。
最悪の気分だ。
リュネの足が見える。来るな。カイルは内心、そうつぶやく。
来るな。来るな。もう、あんたなんかいらない。
(あんたを信じる俺なんか……)
「……ごめんなさい」
ぽつり、と投げかけられた言葉に、カイルは思考を止めた。ゆらり、顔を上げれば、頭を下げ、首筋をあらわにした魔女がそこにいた。
「わたしの言葉は最適ではなかったし、あなたに強い不安を与えた。否定なんてしようがないわ。本当にごめんなさい」
あのね、カイル。
リュネがゆっくり顔を上げる。その目尻が赤くなっているように見えて。カイルは心臓を握られたような気がした。
泣いている? なぜ?
あの、魔女が?
「『誰でも赦すわけではない』ってね、世界中の人々の意見を赦す意味ではないよ、ということなの。でも、わたしの手の届く限りのひとたちには、与えられる限りの選択肢と猶予を与える。それが、わたしの『赦し』」
「——じゃあ、あのオッサンは」
「一度、赦した。奥さまに話を通して、もう暴力は振るわない、お酒も週に一度にするって、約束したの。でも、ダメだった」
「……そんなの、俺が知るわけないだろ」
「そうよね」
「……ねえ、カイル。牧草庫の少年を覚えてる?」
「放火の……」
「そう。彼は結局、新しい牧草庫の建築作業を手伝ったし、ご両親は持ち主に賠償金を支払った。あなたも、その姿を見たんじゃない?」
頷く。散歩の途中で、その様子は確かに眺めていた。少年は職人たちの下働きとして、資材運びをしたり、邪魔な土を退けたりしているのだと。学校帰りに遊ぶこともなく。
「だけどもし、彼がまた火をつけたら……わたしは、彼の力にはもうなれない。だってそれが、彼の下した選択なんだもの」
「選択」
「そう。もう一度火をつける、って選択」
それにね、
リュネは目尻を指で拭い、少し考えたあと、ゆっくりと口を動かす。
「……あなたは、昔のわたしに似てるの」
「それが、なんなんだよ」
「同じ道を辿って欲しくない」
「昔のわたしは……選べなかった。ううん、選ばなかった、が正確かな。その結果、酷い後悔をすることになった」
断定した言葉。目は——笑っていない。どこか遠いところを見る緑眼は、彼女にしてはひどく厳しい感情を滲ませていた。
それは、まるで、怒っているみたいに。
「あなたには、何かを選んで欲しい。どんな選択でもいい。でも誰かに選ばされたり、先が分からない、分かっていない選択肢を選んだりは、して欲しくないの」
「……俺の選択」
そう。
リュネが再び微笑む。柔らかくたわんだ緑色のひとみが、強い光を弾いていた。
「あなたの選んだ結果なら——わたしはどんな道であっても赦す。ねえ、カイル。世界中の誰が否定したって、あなたのことを肯定するわ。絶対に!」
どきん、と心臓が跳ねる。背すじがざわざわして、足をぽんぽん跳ねさせたくなる。
ああ、くそ。こんな言葉で。
カイルは顔をむすっとさせて、リュネから視線を外した。
「……どーだか」
「信じてくれなくても、いいわ。そうするだけだから。でも……言葉って難しいわね。わたしもまだまだだわ。あなたの不安に、気づけていなかったし」
「なあ」
「前から気になってたんだけど、『昔のお前』って、なんなんだ?」
思えば、おかしな話ではある。この女は、どう見積っても二十そこらの若い娘だ。過去と言ったって、せいぜい十数年。
その間の自分を、あそこまで憎らしい顔をして思い出すようなことができるだろうか。
それに、だ。
(まるで、別人のことみたいに話していたのも気になるんだよな)
カイルの言葉に、それでもリュネは動揺を示さなかった。話していた時に滲ませていた怒りでさえ。
「それは秘密。あなたに秘密があるように、わたしにも隠したいことがある」
それにね。
くちびるに指を当て、リュネはぱちんと片目を閉じた。
「あんまりに愚かで浅慮で恥ずかしいから……言いたくないの」
そう言って、リュネは元いた椅子に戻る。いつもそうしているように、分厚い本を抱えて、もうその世界に入り切っている。
カイルはそれを見ながら、ただ黙って火の管理をした。がりがりと火かき棒で灰を搔く。
この女を信じるべきか、信じないべきか。関われば関わるほど、分からなくなっていく。判断が出来なくなっていく。
こんなこと、今まで有り得なかったのに。
不快で、不安で、不満で——だのに、信じたいと手を伸ばしてしまう。
縋ってしまう。リュネという、魔女に。
あんな純粋な、まっすぐな肯定なんて……生まれてこのかた、受けたことがなかったから。
「……くそっ」
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