ひとりえっちが好きな♀と結婚して子供がいる♀の百合話(仮)

木村 卯月

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女の子には、センチメンタルなんて感情はない

鬱なのかと思っていたら、そうでもなかった

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 呪いのお面のように私の頭にこびりついて離れなかった負の感情が、ある日突然ぽろっと剥がれ落ちた。きっかけは、自分でも驚くほど「そんな事」だった。

 うだうだしているうちに、お金が底を尽きてしまったのだ。正確にはまだ少し残っていたのだが、次月の引き落としで無一文になる事は避けられない事実だった。
 母の死亡保険金はというと、葬儀代を出した後、遠慮していた叔母に見栄を張って結局残りの半分を渡してしまったのだ。手元の金額などたかが知れている。

 当初の考えでは、こうなってしまった時には自ら死を選ぶのが必然だと思っていた。だが実際に考えたのは、全く真逆の事だった。

「働かなければ、生きて行けない!」

 勿論、人は様々な事情により働けない場合もあるだろうが、この時は無意識に私の本能がそう叫んでいたのだ!(唐突なハイテンション。躁状態と言えなくもない)

 ……私は取り急ぎ、復職の話を持ち掛けてくれていた以前の職場を訪ねた。生活(というかもう気分的には命)が掛かっているので、とにかくすぐに働きたかった。雇用形態は、全く気にしていなかった。

 料飲課の課長に会って話をしたところ、思わぬポストが空いていた。
 私が職場で最も敬愛していた黒服のヒロミさんが、2週間ほど前に突然退職してしまったとの事だった。家庭の事情があったようで俗に言う「バックレ」ではなかったみたいだが、詳しい話は課長に聞いても、ヒロミさんが所属していた人材派遣会社のかたに聞いても分からず終いだった。

 後に人材派遣会社のほうとも話が纏まって、私の復職が決まった。ヒロミさんに会えなかった事はかなり心残りだったが、それでもまずは仕事をしてお給料を稼ぐ必要があり、そこで停滞しているわけにもいかなかった。それにヒロミさんのポジションは社会保険こそ加入できなずボーナスもないが、手取りは正社員の時よりも大分上がる見込みだった。

 私は少し浮足立った気分で、久し振りにこちらから坂本さんに連絡してみた。

―――――――――――――――――――――

 その後、坂本さんとは週に3、4回は会って一緒に食事をしたりしていたが、体の関係は一度もなかった。
 別に仲が悪くなったというわけではなく、ただ本当に友達として、純粋に一緒にいる事が楽しく思えるようになっていたのだ。特に欲求不満等も感じてはおらず、若くして熟年カップルの域に達したとも思えた。
 もともと(かなり強引に迫られたが)関係を持ってはいけない相手だった事もあり、これで良かったのだろう……

 恋愛も成就しなかったが、私の人生は、ここからまだやり直す事ができるのだという思いに胸は高鳴っていた。


―――――――――――――――――――――


 ※※ 補足 ※※
 坂本さんにはもう会わないと言ったな、あれは誇張だ(大変申し訳ございません……)
 あと前回知らないおっさんに「あんちゃん」と呼ばれておりましたが、一応女性です……
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