キミを好きな僕と僕を嫌いなキミ

焔 はる

文字の大きさ
6 / 60
2:Don't approach.

2-4

しおりを挟む
和弥の浮気には薄々気づいていたし、現場に遭遇しても「ああ、やっぱりか」と確信を得たくらいであまりショックもなかった。
何より、昨日からずっと蓮見さんに意識を持って行かれていた俺には好都合だった。

「嫌がらせじゃないですよ、言ってしまえば、ひとめぼれです。」

「・・・あんた、何寝ぼけたこと言ってんの?それに、彼氏って言ったわよね」

蓮見さんはクッションを掴み、抱きしめて顔を埋めた。

そして、ぶん投げた。

ボスッと音を立てて俺が受け止めたそれは、ふわふわした手触りの水色の丸いクッション。

「そういうのが、本当に嫌いなの・・・男とか女とか愛だとか恋だとか!近くにいるのも、触るのも、同じ空間にいるのも、男がいるのは会社だけで十分・・・私に関わらないでよ・・・」

「・・・俺さ、初体験は男と女の先輩カップルに中1の時に奪われたの。それからは男でも女でも相性が良ければ付き合ったし、付き合わなくてもセフレはいた。だから今回浮気されても別に平気だったの。でもこないだ蓮見さんと出会って、初めて女の事可愛いって思った。性欲の対象ってだけじゃなくて」

「・・・あんた、真面目な顔して話してるけど、内容最低だし最悪よ。」

「でも、それが俺だから仕方ないよ。最低でも最悪でも、今までの事は変えられないから、蓮見さんが嫌なら許してもらえるまで俺は触らない・・・。だから傍にいさせてほしい。」

「・・・そういうことじゃなくて・・・」


ピンポーン

ピンポーン


「・・・」

「誰か来たよ、出なくていいの?」

「・・・いい・・・出なくていい。いいから・・・」

「・・・」

さっきまでの怒りは消え失せ、蓮見さんは膝を抱えて丸くなって座り、小さな手は色が色が変わるほど強く握られて小刻みに震えている。

ピンポーン、ピンポーン

ドンッ!
ドンッドンッ!!

「綾!!いるんだろ!!」

ビクッと体を震わせて、蓮見さんは耳を塞いだ。

「・・・はい、どちら様?」

俺はインターホンのスイッチをオンにした。

「ちょっ・・・」

いいから、と小声で伝え、俺は外にいる何者か分からない男の返答を待った。

「なんだ・・・?お前誰だ。綾はどうした!!いるんだろ?!」

「あぁもう、うるさいな、あんたこそどちら様?」

「綾は俺の女だ!綾を出せ!!」

話にならないな。
頭に血が上ってこっちの話は聞いちゃいない。
それに、うちの会社、社員寮のセキュリティザルじゃねぇか。
・・・自分のことは棚に上げるけど。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...