25 / 60
5:Rain dance
5-6
しおりを挟む
「待って、あなたはどうするの?」
「俺はどっか探すので大丈夫です」
「私だけここに?!」
「だって、俺と2人でここに一晩泊まっても大丈夫なんですか?気が休まる自宅じゃないんですよ?」
きらびやかに輝く看板の前で、2人の男女が押し問答。
傘は買ったものの、降り始めの時点で頭から靴の中までずぶ濡れになった俺と蓮見さん。
アプリで予約出来たホテルは、シンプルなビジネスホテルではなく、まぁ・・・言わずとも用途は知れるラブホテル。
中心部から歓楽街へと向かい、大体どこの都市だって歓楽街があればラブホはあるし、1部屋だけラッキーな事に空室もあり、これで蓮見さんの宿は確保できた。
・・・ラブホに泊まった分が経費で落ちるのかは知らないけど、びしょ濡れのまま野宿をするわけにもいかない。
背に腹は代えられぬというわけだ。
けれど、そのラブホの前で自分だけここに泊まれない、とゴネて納得してくれない蓮見さん。
「別にラブホって言ったってホテルですよ?なんなら普通のビジネスホテルより部屋に備え付けの家電は充実してるし、暇ならゲームもできます。腹が減ったらルームサービスもありますし。」
「!!そういうことじゃなくて・・・!!」
「俺はどっか探すので、とりあえず蓮見さん風邪引く前に部屋入った方がいいですよ。」
「~~~!!なんで勝手に決めるの?!」
「・・・蓮見さん?」
突然のすごい剣幕で張り上げる声が、土砂降りから逃れるように足早に行き交う人の波さえ止めたほど。
「でも、他に空いている所があるか・・・すいません・・・」
ラブホ、そんなに嫌だったかな・・・それなら申し訳ない、と俺はスマホで一夜を明かせそうな施設がないか再び検索を始めた。
「・・・そうじゃなくて・・・私、仕事上であなたの事信頼してるって言ったじゃない・・・」
いまいち蓮見さんが言いたい事の脈絡を掴めず、眉間に皺を寄せて口をへの字にして言葉を選びながら紡ぐ蓮見さんを見る。
「・・・・・・あなたが、何度かうちに来ても、距離感に気を付けてくれたり、不用意に触れないようにしてくれたり、最初の頃より気にしてくれているの、わかってるのよ・・・。だから・・・・・・」
・・・だから・・・??
「・・・・・・一緒でいいんじゃないか、って・・・・・・言ってる、の・・・」
「・・・・・・でも、蓮見さん、ラブホテルですよ?ここ。」
「しっ、知ってるわよ!これでも・・・」
「・・・俺、男ですよ?我慢はしますけど、たぶんさっきフラれてますけど、蓮見さんを好きな男ですよ、俺。そんなヤツと、そういうホテルに泊まれますか?」
「・・・・・・だって、忽那くんは何もしないでしょう・・・?」
傘の下から、眉根を寄せて、少し拗ねたような黒い大きな瞳が俺を見上げていた。
・・・その目はずりぃ・・・ズルい!ズルい!!ズルい!!!
こういう時にそういう目は反則じゃね・・・??!!
何もしないでしょう?って・・・男としてどうなの?とも捉えられる言葉なのに、じゃあやってやろうじゃんか、と俺が行動に移せば地道にコツコツと積み上げてきた蓮見さんの信頼は地に落ちてしまう。
それになんだよ・・・いつも名前でなんて滅多に呼ばないくせに・・・
どれだけ強固な信頼かもわからないし、予想通り一瞬で崩れ落ちるかもしれない脆い信頼だけど、俺は失うわけにはいかないんだよ。
「・・・まぁ、蓮見さんがそんっなに俺とお泊りしたいなら一緒に泊まってあげてもいいですけどね。俺には、守らなきゃいけない条約もありますから。蓮見さんに指1本だって触れませんよ。」
「・・・うん、信用してる。」
~~~~!!!!
だからさァ・・・!!
ずりぃぃぃんだよ!!
くそっ・・・可愛いから文句も言えない!!
「俺はどっか探すので大丈夫です」
「私だけここに?!」
「だって、俺と2人でここに一晩泊まっても大丈夫なんですか?気が休まる自宅じゃないんですよ?」
きらびやかに輝く看板の前で、2人の男女が押し問答。
傘は買ったものの、降り始めの時点で頭から靴の中までずぶ濡れになった俺と蓮見さん。
アプリで予約出来たホテルは、シンプルなビジネスホテルではなく、まぁ・・・言わずとも用途は知れるラブホテル。
中心部から歓楽街へと向かい、大体どこの都市だって歓楽街があればラブホはあるし、1部屋だけラッキーな事に空室もあり、これで蓮見さんの宿は確保できた。
・・・ラブホに泊まった分が経費で落ちるのかは知らないけど、びしょ濡れのまま野宿をするわけにもいかない。
背に腹は代えられぬというわけだ。
けれど、そのラブホの前で自分だけここに泊まれない、とゴネて納得してくれない蓮見さん。
「別にラブホって言ったってホテルですよ?なんなら普通のビジネスホテルより部屋に備え付けの家電は充実してるし、暇ならゲームもできます。腹が減ったらルームサービスもありますし。」
「!!そういうことじゃなくて・・・!!」
「俺はどっか探すので、とりあえず蓮見さん風邪引く前に部屋入った方がいいですよ。」
「~~~!!なんで勝手に決めるの?!」
「・・・蓮見さん?」
突然のすごい剣幕で張り上げる声が、土砂降りから逃れるように足早に行き交う人の波さえ止めたほど。
「でも、他に空いている所があるか・・・すいません・・・」
ラブホ、そんなに嫌だったかな・・・それなら申し訳ない、と俺はスマホで一夜を明かせそうな施設がないか再び検索を始めた。
「・・・そうじゃなくて・・・私、仕事上であなたの事信頼してるって言ったじゃない・・・」
いまいち蓮見さんが言いたい事の脈絡を掴めず、眉間に皺を寄せて口をへの字にして言葉を選びながら紡ぐ蓮見さんを見る。
「・・・・・・あなたが、何度かうちに来ても、距離感に気を付けてくれたり、不用意に触れないようにしてくれたり、最初の頃より気にしてくれているの、わかってるのよ・・・。だから・・・・・・」
・・・だから・・・??
「・・・・・・一緒でいいんじゃないか、って・・・・・・言ってる、の・・・」
「・・・・・・でも、蓮見さん、ラブホテルですよ?ここ。」
「しっ、知ってるわよ!これでも・・・」
「・・・俺、男ですよ?我慢はしますけど、たぶんさっきフラれてますけど、蓮見さんを好きな男ですよ、俺。そんなヤツと、そういうホテルに泊まれますか?」
「・・・・・・だって、忽那くんは何もしないでしょう・・・?」
傘の下から、眉根を寄せて、少し拗ねたような黒い大きな瞳が俺を見上げていた。
・・・その目はずりぃ・・・ズルい!ズルい!!ズルい!!!
こういう時にそういう目は反則じゃね・・・??!!
何もしないでしょう?って・・・男としてどうなの?とも捉えられる言葉なのに、じゃあやってやろうじゃんか、と俺が行動に移せば地道にコツコツと積み上げてきた蓮見さんの信頼は地に落ちてしまう。
それになんだよ・・・いつも名前でなんて滅多に呼ばないくせに・・・
どれだけ強固な信頼かもわからないし、予想通り一瞬で崩れ落ちるかもしれない脆い信頼だけど、俺は失うわけにはいかないんだよ。
「・・・まぁ、蓮見さんがそんっなに俺とお泊りしたいなら一緒に泊まってあげてもいいですけどね。俺には、守らなきゃいけない条約もありますから。蓮見さんに指1本だって触れませんよ。」
「・・・うん、信用してる。」
~~~~!!!!
だからさァ・・・!!
ずりぃぃぃんだよ!!
くそっ・・・可愛いから文句も言えない!!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる