キミを好きな僕と僕を嫌いなキミ

焔 はる

文字の大きさ
33 / 60
6:Room of a secret

6-7

しおりを挟む
「・・・もし・・・もしも蓮見さんがあの頃よりも俺も事を好きだと思ってくれてるなら・・・」

「・・・・・・すきじゃない・・・・・・」

少し間が開いたのは、考えたからじゃないのは小さな声に意志があったから。

「・・・はい、じゃあ、嫌いが少しでも減ったなら、蓮見さんの気が向いた時でいいので、練習しませんか・・・?」

「・・・れん、しゅう・・・?」

「はい、練習というか・・・リハビリというか・・・」

「・・・・・・なんで?」

「・・・だって・・・蓮見さん・・・」


俺の提案に怪訝そうにするのに、掴んだ手を放す事はないし、蓮見さんがどうしたいのか俺もわからないから、上手く提案に乗ってくれたら、・・・もしかしたらこれから距離を縮める事もできるかもしれないと思ったんだ。

「・・・俺の事、好きじゃないのに触っても平気なんですよね?今・・・」

「・・・・・・」

不本意そうにキュっと唇を結んで、これまた不本意そうに頷く。

「付き合って欲しいとか、抱きたいとかじゃなくて・・・なくてって言うのは正直に言ったらウソだけど、俺からは基本今まで通り、無理に触れたりしません。蓮見さんが触りたくなったら、こうして触れたり、人と距離を近づける練習してみませんか・・・?」

「・・・そんなのしなくても・・・」

「じゃあ言い方を変えます、人と距離を近づけるんじゃなくて、俺に慣れるリハビリをしましょう」

「・・・なんで・・・」

「だって蓮見さん・・・・・・今日、少しは俺にドキドキしたりしてくれたでしょう?さっきのは、・・・俺が弱気でした。他の奴に慣れて欲しくなんてない、俺にだけ慣れて欲しいんです。」

手首を握る蓮見さんの手を取り、大福から肩まで出していて少し動いたら胸が丸見えになりそうな蓮見さんの胸元に布団を引き上げた。

「!!」

「それに気づかないくらい何に必死になってたんですか・・・?」

慌てて布団にくるまり直して、顔と折り曲げた膝小僧だけが布団から覗いている。

「・・・ふ・・・大丈夫、見えてはいませんでしたから。」

見えそうにはなっていたけど、胸は見えてない。

「蓮見さん」

俺は手のひらを上にして、蓮見さんに両手を差し出した。




「・・・さわってくれますか・・・?」


目を見開いて、何か言おうと口が小さく動く。

でも、侮蔑も否定の言葉も飛んでこない。

さっきまでは自分から触れていたのに、意識して考えると本質である『男は嫌い』だという嫌悪の感情が出てくるのだと思う。

それでも、間髪入れずに拒絶されないのは、大きな進歩で俺は唇を嚙みしめた。

ーーーそうしないと、目元も口元も嬉しさに緩んでしまうから。


「・・・蓮見さん、無理しなくていいんですよ、さっき蓮見さんが自分から俺に触れてくれた事で俺正直感動し、て・・・」



ちょん・・・。



手のひらを突いた指先の感触。


布団の合わせからおずおずと忍び出て来た左腕。


ツン・・・ツン・・・


『飽きたの?』と聞いて、俺を引き留めた手が、今度は恐々俺の手のひらをつついている。


「・・・もう・・・何もしませんよ(笑)」


「・・・・・・ムカつく・・・・・・」


「え、怒ってるんですか?」


「・・・・・・コレは嫌じゃない・・・・・・」


「・・・ほんっと・・・今日、蓮見さんどうしたんですか?俺、弄ばれてますよね?」


「ちが・・・ッ!・・・自分でも、わからないのよ・・・」


「・・・ふぅん・・・」


「!」


「・・・つかまえた。」


「・・・・・・何もしない、って言ったのに・・・。」


手のひらでツンツンと跳ねる人差し指を、きゅっと握った。


「だってくすぐったいんですもん。・・・放したら、ちゃんと触ってくれますか?」




抗議の目が俺を睨むのに、やはりそれは今までよりも俺を拒絶してはいない。

答えを待たずに俺の手の中から解き放たれた指は、握ったり擦り合わせたり、一度大福の中に引っ込んだり、難しい顔をした蓮見さんが布団に顔を埋めて「うぅぅぅ~~ッ」と見た事ない姿で唸ったりしてから、ピタリと動きを止めた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...