キミを好きな僕と僕を嫌いなキミ

焔 はる

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9:タイトル未定

9-2

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「ねぇ、これはないわよ」

「アハハハ、だって1人だし、寮に入ってからラーメン作る予定なかったですし・・・」

結局どんぶりはなくて、俺と蓮見さんは部屋にあった、バーベキューとかで使うような白い使い捨て容器にラーメンのスープを溶き、鍋からラーメンを取って、つけ麺のようにして食べている。

「あ、ちょっと!煮卵、それ私の!」

「え~・・・」

パクっ

「あ”ぁぁぁっ」

「うん、美味い」

「・・・嫌い。卵は1人1個、半分にしたんだから2個!」


・・・どうしよう、可愛すぎる。

めちゃくちゃ怒るじゃないですか。


「もう!一緒にラーメン食べてあげないからね!!」

「え・・・それはちょっと・・・・・・ゴメンナサイ。」

「トロトロ煮卵は、規定量!」

立ち上がり俺に箸を突きつけて、ビシッと宣言。

「はい」

少し調子に乗った代償は大きかった。




なんとか怒りを収めてくれた蓮見さんだが、新たな条約が生まれた。

「冒してはいけない、ラーメン条約。人の煮卵奪うべからず。」




ーーーーーーーー





「じゃあ、帰るわ。」

「え、もう帰っちゃうんですか??俺が煮卵食べたからですか?」

「違うわよ、何言ってるの」

靴を履いて肩に掛けたバッグの持ち手を握る蓮見さんの指先に触れて、少しだけ引き寄せた。

人差し指をきゅっと握って、やや熱い目の奥と、飲んでいるわけでもないのに身体が熱くて重くて・・・


・・・こつん。


「・・・忽那くん?」


蓮見さんの肩に額を乗せた。


「・・・やだ・・・帰んないで・・・。」


「・・・・・・ねぇ・・・・・・ちょっと・・・何甘えて・・・ねぇ、あなた熱あるんじゃない?」


俺の頭をどけるように、額と肩の間に割り込ませた蓮見さんの手がひんやりして心地いい。


「・・・ほら、やっぱり熱いじゃない!いつから?!」

「・・・・・・わかんないっす・・・蓮見さんといるから燃え滾ってんのかと思ってました。」

いろいろな事が起こった今日。

ショックを受けて傷心の俺。

心配してきてくれた蓮見さん。

・・・恐らく、俺のメンタル面、フィジカル面、ともにキャパを超えたのだろう。

「ばか言ってないで、熱測ってみて」

「体温計ないんで、蓮見さん、測ってください」


ん。と前髪を上げ、額を見せて顔を近づける。


「今日、あなたの方が距離感変よ。」

「え~そぉですか?甘えてもいいじゃないですか。」

早く早く、とジタバタして蓮見さんを急かし、

「ねぇ蓮見さん、早く」

「・・・はぁ・・・」

仕方ない、と諦めてくれた蓮見さんのおデコが露わになり、俺の後頭部に回った手によって近づいた距離。

「あ」と思った時には、ひんやりとした人の肌を感じた。

「・・・・・・熱い。ほら、熱あるじゃない。・・・だから今日やけにくっついてきたり、甘えてきてたのね・・・」

「・・・蓮見さんのおデコキモチイイですね・・・」

蓮見さんとの距離が近いなぁ、むしろ『ゼロ距離』、キスもできそうな距離なのにとか、抱きしめてもいいかなぁとか・・・いろいろ思いつくのに、段々と怠く、重く、熱くなっていく身体。

足元がグニャリと歪んで沈んでいくような、久しぶりに感じる発熱の感じ。

「薬とかはあるの?」

「え・・・?体温計もないのに??箸ないのに納豆ごはん食べますか?みたいなもんですよ。」

「私が間違ってるみたいな言い方やめて」

「・・・ねぇ、やだ・・・・・・りょうさん、帰んないで・・・」

「・・・・・・」

子供みたいなこと言わないで大人しく寝てなさい。

そうやって帰ってしまうかな、というのは想定内。

少し考えた蓮見さんが俺を腕で押し返して身体を放した。
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