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四夜【藍の深淵】
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街灯が灯り、来た時よりもカップルが目立つようになった遊歩道を手を繋いで車へと戻る。
・・・なんとなく緊張感がある。
こないだは桜太が私の家にお泊まりだったけど、今日は初めて桜太の家に・・・行く。
・・・
え、どうしよう、物凄く緊張する・・・!
しかも、え、えぇ・・・っ
・・・する、んだよね、きっと・・・
そういえば・・・っか、彼氏の家初めてだ・・・!!
突然緊張が高まり変な汗が出る。
それを気取られないように、なんてことないよ、と普段通りを装って手を繋ぎ、歩く。
けれど内心は、初めてのお泊まりにドキドキしすぎて胃が縮み上がっている。
「椎娜?なんか、ソワソワしてない?」
車に乗ってすぐ、シートベルトを締める私に、「具合でも悪い?」と桜太は声をかけた。
「えっ、な、具合?あ、うんっ、どこも悪くないよ!」
「・・・椎娜・・・隠せてないよ」
「・・・」
「どうしたの?」
これは、言うまで桜太は引いてくれない・・・。
なんでこういう時、上手く誤魔化せないんだ・・・。
緊張し過ぎて泣きそう・・・。
「・・・緊張してきた・・・」
「・・・緊張・・・?何に???え・・・???」
「・・・・・・桜太の家・・・」
「え?俺の家?」
「・・・か・・・彼氏の、家・・・」
「・・・?うん・・・彼氏の、家・・・うん・・・」
「・・・」
「え?うーんと、・・・俺の家に来るのが緊張するの?」
「・・・好きな人の家・・・え、ねぇ、私どんな風にしてたらいいの???」
「・・・・・・え・・・?普通に、いつも通りでいいよ・・・?」
「・・・桜太は、私の家に来る時緊張しなかった?」
「緊張・・・うーん・・・緊張、はないかな・・・いつもアポ無しだったし、いるかな~って思ってはいたけど。あと、彼氏いる期間なら入れて貰えないよなっていうモヤモヤはあったけど・・・」
身体を半分私の方に向けて、ハンドルに肘を乗せて考えたあと、桜太の目は真っ直ぐに私を見た。
「・・・何にそんな緊張して、パニックになってるかわからないけど、椎娜といたい俺の家に来ませんか?っていうだけだよ・・・?」
膝の上でぎゅっと握りしめた両手を、桜太は包み込んで、強張った指を1本1本解すように開いてゆく。
開いた両手をそれぞれ桜太の手が握り、2度目のお誘い・・・
「俺は好きな人と一緒にいたいんだけど・・・今からうちに来ませんか・・・?」
「・・・ぅ・・・ぐす・・・はい」
「ちょ、もぉぉ~~~なんで泣くの(笑)ほら、し~ちゃん、よしよし」
「わ、わがん、な、ぃ・・・ぅ・・・好きすぎて、緊張、する・・・ぅ・・・ぅ・・・」
緊張がMAXに達し、泣きながら頷いた私を桜太は笑って抱きしめた。
・・・なんとなく緊張感がある。
こないだは桜太が私の家にお泊まりだったけど、今日は初めて桜太の家に・・・行く。
・・・
え、どうしよう、物凄く緊張する・・・!
しかも、え、えぇ・・・っ
・・・する、んだよね、きっと・・・
そういえば・・・っか、彼氏の家初めてだ・・・!!
突然緊張が高まり変な汗が出る。
それを気取られないように、なんてことないよ、と普段通りを装って手を繋ぎ、歩く。
けれど内心は、初めてのお泊まりにドキドキしすぎて胃が縮み上がっている。
「椎娜?なんか、ソワソワしてない?」
車に乗ってすぐ、シートベルトを締める私に、「具合でも悪い?」と桜太は声をかけた。
「えっ、な、具合?あ、うんっ、どこも悪くないよ!」
「・・・椎娜・・・隠せてないよ」
「・・・」
「どうしたの?」
これは、言うまで桜太は引いてくれない・・・。
なんでこういう時、上手く誤魔化せないんだ・・・。
緊張し過ぎて泣きそう・・・。
「・・・緊張してきた・・・」
「・・・緊張・・・?何に???え・・・???」
「・・・・・・桜太の家・・・」
「え?俺の家?」
「・・・か・・・彼氏の、家・・・」
「・・・?うん・・・彼氏の、家・・・うん・・・」
「・・・」
「え?うーんと、・・・俺の家に来るのが緊張するの?」
「・・・好きな人の家・・・え、ねぇ、私どんな風にしてたらいいの???」
「・・・・・・え・・・?普通に、いつも通りでいいよ・・・?」
「・・・桜太は、私の家に来る時緊張しなかった?」
「緊張・・・うーん・・・緊張、はないかな・・・いつもアポ無しだったし、いるかな~って思ってはいたけど。あと、彼氏いる期間なら入れて貰えないよなっていうモヤモヤはあったけど・・・」
身体を半分私の方に向けて、ハンドルに肘を乗せて考えたあと、桜太の目は真っ直ぐに私を見た。
「・・・何にそんな緊張して、パニックになってるかわからないけど、椎娜といたい俺の家に来ませんか?っていうだけだよ・・・?」
膝の上でぎゅっと握りしめた両手を、桜太は包み込んで、強張った指を1本1本解すように開いてゆく。
開いた両手をそれぞれ桜太の手が握り、2度目のお誘い・・・
「俺は好きな人と一緒にいたいんだけど・・・今からうちに来ませんか・・・?」
「・・・ぅ・・・ぐす・・・はい」
「ちょ、もぉぉ~~~なんで泣くの(笑)ほら、し~ちゃん、よしよし」
「わ、わがん、な、ぃ・・・ぅ・・・好きすぎて、緊張、する・・・ぅ・・・ぅ・・・」
緊張がMAXに達し、泣きながら頷いた私を桜太は笑って抱きしめた。
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