117 / 617
四夜【藍の深淵】
4-17~side by 椎娜~
しおりを挟む
謎な仕事と、車に詳しくない私でもわかる高級感と存在感溢れる外車、そして。
「どうぞ」
と招かれたのは、目が点になり口がポカーンと開いて戻らない、都心のタワマンの一室。
・・・こんなマンション、テレビCMとか、不動産雑誌の特集でしか見たことない・・・
正直、どうやったらこんな所に住めるんだろうって、実際お昼のワイドショーの特集を見ながら本気で思っていたよ・・・
・・・この部屋に住んでる桜太・・・
どんな気持ちで私の部屋に来ていたのだろう・・・
「スリッパ、それは椎娜用ね。新しいから綺麗だよ。」
玄関に揃えられた薄いピンクのスリッパ。
・・・ポンチョもスリッパも、わざわざ用意してくれたんだ・・・
気にしてくれることが嬉しくてきゅんとした。
たまに仕事仲間の男連中が来る以外は女性は来たことがない、と改めて言いながら、桜太はジャケットを脱いでソファーの背もたれに掛け、寒くなかったらポンチョも預かると言って手を差し出した。
あ、と思ってまだ緊張の残る手でボタンを外そうとするけど、指先が震えてしまって上手くいかない・・・
・・・恥ずかしい・・・
とても恥ずかしい・・・
正面に、ふっと影が落ちる。
「・・・椎娜・・・まだ、緊張してる・・・?」
ボタンに触れ、丁寧に外してゆく指に、短く切りそろえられた爪が綺麗な形をしてるな・・・と見惚れてしまった。
「椎娜?」
「あ、ごめ、ん・・・」
「ふっ・・・何を謝るの。椎娜は俺に謝ることは何も無いし、何も変えようとする必要もないよ。」
ポンチョが身体から離れ、そのままでいて、と抱きしめられた。
髪にキスをされて、私を抱く腕に力がこもる。
「そうだ、先にお風呂入る?その後にゆっくりしようか」
お風呂、用意してくるねと桜太が離れて、私はその場へ残された。
ソファーに置かれたお泊まりセット。
・・・今夜、私にはミッションがある・・・。
「どうぞ」
と招かれたのは、目が点になり口がポカーンと開いて戻らない、都心のタワマンの一室。
・・・こんなマンション、テレビCMとか、不動産雑誌の特集でしか見たことない・・・
正直、どうやったらこんな所に住めるんだろうって、実際お昼のワイドショーの特集を見ながら本気で思っていたよ・・・
・・・この部屋に住んでる桜太・・・
どんな気持ちで私の部屋に来ていたのだろう・・・
「スリッパ、それは椎娜用ね。新しいから綺麗だよ。」
玄関に揃えられた薄いピンクのスリッパ。
・・・ポンチョもスリッパも、わざわざ用意してくれたんだ・・・
気にしてくれることが嬉しくてきゅんとした。
たまに仕事仲間の男連中が来る以外は女性は来たことがない、と改めて言いながら、桜太はジャケットを脱いでソファーの背もたれに掛け、寒くなかったらポンチョも預かると言って手を差し出した。
あ、と思ってまだ緊張の残る手でボタンを外そうとするけど、指先が震えてしまって上手くいかない・・・
・・・恥ずかしい・・・
とても恥ずかしい・・・
正面に、ふっと影が落ちる。
「・・・椎娜・・・まだ、緊張してる・・・?」
ボタンに触れ、丁寧に外してゆく指に、短く切りそろえられた爪が綺麗な形をしてるな・・・と見惚れてしまった。
「椎娜?」
「あ、ごめ、ん・・・」
「ふっ・・・何を謝るの。椎娜は俺に謝ることは何も無いし、何も変えようとする必要もないよ。」
ポンチョが身体から離れ、そのままでいて、と抱きしめられた。
髪にキスをされて、私を抱く腕に力がこもる。
「そうだ、先にお風呂入る?その後にゆっくりしようか」
お風呂、用意してくるねと桜太が離れて、私はその場へ残された。
ソファーに置かれたお泊まりセット。
・・・今夜、私にはミッションがある・・・。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる