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六夜【求めよ、さらば救われん。】
6-3
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「仕事は大体今日と同じくらいに終わるの?」
「はい・・・大体・・・」
「・・・うーん・・・桜太は?」
「・・・?」
「え、まさか喧嘩・・・」
「!ちがいますっ・・・、しばらく忙しいみたいで・・・」
「そっか・・・一応あいつにも言っとくか・・・」
ブツブツ呟きながら考え込み、スマホを操作して、真剣な顔から再び笑顔になる。
「そういえば晩メシは?まさか珈琲だけ?」
私が珈琲カップを両手で包んでいるのを見て、岐津さんはスマホをポケットにしまい、不思議そうに問いかける。
「あんまりお腹すいてなくて・・・」
ズズ・・・と珈琲を啜り・・・見透かすように真っ直ぐに見る岐津さんから目を逸らした。
「・・・ふーん・・・・・・俺さぁ・・・腹減ってんだけど・・・付き合わない?」
「・・・え?」
「はい、行こ。」
「あっちょっ・・・!岐津さんっ・・・」
岐津さんは、私の分のオーダー表を手に会計に向かうと、マスターと言葉を交わし、さっさと出口に向かってしまう。
笑顔のマスターに手を振られ、私は岐津さんの背を追った。
「き、岐津さん・・・っ」
外に出て追いついた時。
「・・・食わないと桜太が心配するよ。」
「・・・っ」
岐津さんは立ち止まり、振り向いて穏やかに告げる。
・・・わかってる・・・。
それでも、お腹がすかないのだ・・・。
心も、身体も、脳みそも、機能を止めたかのように『渇き』があるのに、真逆に胃袋は追い立てられるような焦りや限界を超えて麻痺しそうな寂しさに、感覚がおかしくなっている。
「はい・・・大体・・・」
「・・・うーん・・・桜太は?」
「・・・?」
「え、まさか喧嘩・・・」
「!ちがいますっ・・・、しばらく忙しいみたいで・・・」
「そっか・・・一応あいつにも言っとくか・・・」
ブツブツ呟きながら考え込み、スマホを操作して、真剣な顔から再び笑顔になる。
「そういえば晩メシは?まさか珈琲だけ?」
私が珈琲カップを両手で包んでいるのを見て、岐津さんはスマホをポケットにしまい、不思議そうに問いかける。
「あんまりお腹すいてなくて・・・」
ズズ・・・と珈琲を啜り・・・見透かすように真っ直ぐに見る岐津さんから目を逸らした。
「・・・ふーん・・・・・・俺さぁ・・・腹減ってんだけど・・・付き合わない?」
「・・・え?」
「はい、行こ。」
「あっちょっ・・・!岐津さんっ・・・」
岐津さんは、私の分のオーダー表を手に会計に向かうと、マスターと言葉を交わし、さっさと出口に向かってしまう。
笑顔のマスターに手を振られ、私は岐津さんの背を追った。
「き、岐津さん・・・っ」
外に出て追いついた時。
「・・・食わないと桜太が心配するよ。」
「・・・っ」
岐津さんは立ち止まり、振り向いて穏やかに告げる。
・・・わかってる・・・。
それでも、お腹がすかないのだ・・・。
心も、身体も、脳みそも、機能を止めたかのように『渇き』があるのに、真逆に胃袋は追い立てられるような焦りや限界を超えて麻痺しそうな寂しさに、感覚がおかしくなっている。
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