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六夜【求めよ、さらば救われん。】
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「・・・抱きしめてほしかった・・・」
「・・・うん・・・」
「好きって、言いたかった・・・」
「うん・・・」
「・・・・・・前にね・・・寂しくなかった、ってあの時言ったけど・・・違うね・・・好きが大きくなると、寂しくて・・・会いたくて仕方なかったよ・・・」
「・・・うん・・・俺も、すごく会いたかったよ・・・」
「・・・ぎゅって、して・・・?ぎゅってしたい・・・」
「ふふっ・・・いいよ、いっぱいしよ・・・」
椎娜の手を放して、両手を広げると、おもむろに椎娜はジャケットを脱いだ。
「椎娜、もういいの?」
「・・・だって、今は桜太がいるから・・・」
くは・・・だめ・・・可愛すぎて俺、昇天する・・・俺がいないから寂しくて、代用品に包まれてたってことでしょ・・・
「・・・近い肌の距離で抱きしめてほしい・・・」
なるほど・・・ジャケットの厚みが遠く感じるってことね。
・・・あぁ・・・可愛すぎて心臓か胃か・・・どこの内臓かわからないけど、キュッってなった・・・。
ジャケットを脱いでも中の部屋着も俺のTシャツにスウェットで、それもまた可愛い・・・
・・・椎娜ならなんでも可愛いんだな・・・
料理ならなんでも美味いっていう馬鹿舌並みに、脳も感覚も感情も、椎娜ならなんでも許せてなんでも可愛い。
・・・・・・甘やかして甘やかして、寂しくておかしくなりそうになるのも、俺の事を好きすぎて苦しくなったり泣いてしまうのも、『そうなるように』、『俺が』したから・・・。
椎娜が欲しくて欲しくて、満たされたくて仕方なかったものを与えて、逃がさないように、椎娜から俺を欲しがるように、『俺が』したから・・・。
嫉妬深くて、執着心も強くて、俺は自分が愛されるより、椎梛を愛して愛してドロドロにしてやりたいんだ、本当は・・・。
だから、椎娜が思うような綺麗な愛じゃないんだよ、本当は・・・。
欲しがってくれるならとことん与えて、溺れさせて、でも、息が出来るように救えるのも俺だけでいい、って思ってる。
痛みを知ってても綺麗なままの椎娜。
救ってあげるなんて綺麗なものじゃなく、歪んでるのを自覚している俺の愛情。
「・・・うん・・・」
「好きって、言いたかった・・・」
「うん・・・」
「・・・・・・前にね・・・寂しくなかった、ってあの時言ったけど・・・違うね・・・好きが大きくなると、寂しくて・・・会いたくて仕方なかったよ・・・」
「・・・うん・・・俺も、すごく会いたかったよ・・・」
「・・・ぎゅって、して・・・?ぎゅってしたい・・・」
「ふふっ・・・いいよ、いっぱいしよ・・・」
椎娜の手を放して、両手を広げると、おもむろに椎娜はジャケットを脱いだ。
「椎娜、もういいの?」
「・・・だって、今は桜太がいるから・・・」
くは・・・だめ・・・可愛すぎて俺、昇天する・・・俺がいないから寂しくて、代用品に包まれてたってことでしょ・・・
「・・・近い肌の距離で抱きしめてほしい・・・」
なるほど・・・ジャケットの厚みが遠く感じるってことね。
・・・あぁ・・・可愛すぎて心臓か胃か・・・どこの内臓かわからないけど、キュッってなった・・・。
ジャケットを脱いでも中の部屋着も俺のTシャツにスウェットで、それもまた可愛い・・・
・・・椎娜ならなんでも可愛いんだな・・・
料理ならなんでも美味いっていう馬鹿舌並みに、脳も感覚も感情も、椎娜ならなんでも許せてなんでも可愛い。
・・・・・・甘やかして甘やかして、寂しくておかしくなりそうになるのも、俺の事を好きすぎて苦しくなったり泣いてしまうのも、『そうなるように』、『俺が』したから・・・。
椎娜が欲しくて欲しくて、満たされたくて仕方なかったものを与えて、逃がさないように、椎娜から俺を欲しがるように、『俺が』したから・・・。
嫉妬深くて、執着心も強くて、俺は自分が愛されるより、椎梛を愛して愛してドロドロにしてやりたいんだ、本当は・・・。
だから、椎娜が思うような綺麗な愛じゃないんだよ、本当は・・・。
欲しがってくれるならとことん与えて、溺れさせて、でも、息が出来るように救えるのも俺だけでいい、って思ってる。
痛みを知ってても綺麗なままの椎娜。
救ってあげるなんて綺麗なものじゃなく、歪んでるのを自覚している俺の愛情。
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