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七夜【大切なもの、守りたいもの】
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裏路地で待機していたワンボックスに乗り込み、緊張感から解放されて、岐津さんとナツさんが改めて笑い始める。
「めっちゃおもろいんですけど(笑)今日、元春さん、イイトコ全部この人に持ってかれたじゃないっすか(笑)」
「あれは仕方なくね?まさか、この子があんなに黒木の事ボッコボコにすると思わねぇよ・・・(笑)気づいてねぇだろうけど、椎娜ちゃんが時計握りしめて、凶器を振り上げた瞬間、「やばい」って、俺衝撃に備えてたからな」
「めっちゃ笑える・・・(笑)」
「あ、そういや、手、見せて。痛かったりしない?」
私は、見せていいものか一瞬躊躇してしまった。
なぜなら・・・
「・・・・・・俺、桜太に殺されない・・・・・・?」
サァー・・・っと笑顔が消え、手を見つめて顔色が変わる岐津さんと、何事かと覗き込んで、顔を引きつらせるナツさん。
「・・・あ、あはは・・・なんか・・・痛い?かなぁ・・・って・・・?今になって、そんな感じが・・・しますね・・・はい・・・」
岐津さんに手を取られ、握っていた腕時計は回収された。
文字盤のガラスは割れ、フレームも歪んでいる。
・・・そんな力、私にあったのか・・・
怒りに身を任せる危険性を学んだ・・・。
自由になった手は、血まみれな上に、形が変わって関節もわからないくらいに腫れている。
騒ぎの興奮が治まってきたら、段々と痛みを感じるようになってきて、
「・・・あ・・・なんか、痛いです。やっぱ、幻痛じゃなかったみたいです・・・っ」
手を見ると、ありえない形になっている手、カピカピに乾いた黒木の血液。
段々と現実感が押し寄せてきて、痛みが増してくる。
「・・・このまま病院行こ。付き合いがある病院あるから、そこ行くね。」
私の手を見ている岐津さん。
ナツさんは運転席の人に声を掛けて、その人が頷くのが見えた。
・・・やばいぞ・・・
・・・・・・これは・・・・・・もしかしなくても・・・・・・きっと・・・・・・
不安になって岐津さんを見ていれば、
「・・・うん、俺お医者さんじゃないけど・・・折れてるね、しかも何ヶ所か・・・」
・・・うぅ・・・ですよねぇぇぇ・・・・・・(泣)
「めっちゃおもろいんですけど(笑)今日、元春さん、イイトコ全部この人に持ってかれたじゃないっすか(笑)」
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「めっちゃ笑える・・・(笑)」
「あ、そういや、手、見せて。痛かったりしない?」
私は、見せていいものか一瞬躊躇してしまった。
なぜなら・・・
「・・・・・・俺、桜太に殺されない・・・・・・?」
サァー・・・っと笑顔が消え、手を見つめて顔色が変わる岐津さんと、何事かと覗き込んで、顔を引きつらせるナツさん。
「・・・あ、あはは・・・なんか・・・痛い?かなぁ・・・って・・・?今になって、そんな感じが・・・しますね・・・はい・・・」
岐津さんに手を取られ、握っていた腕時計は回収された。
文字盤のガラスは割れ、フレームも歪んでいる。
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騒ぎの興奮が治まってきたら、段々と痛みを感じるようになってきて、
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