329 / 617
八夜【決別は未来への決意】
8-1~side by 椎娜~
しおりを挟む「1回病院行こう」
必要な荷物をまとめて桜太が車に積み込んでくれて、次はいつ帰ってくるか予定がない自分の
部屋が遠ざかる。
日差しが眩しくてサングラスをかけた桜太に、ぽけ~っと一瞬見惚れていたら、それには気づかない桜太が「病院行こう」と口にした。
「・・・病院?」
「・・・・・・産婦人科。」
「・・・私、元々生理がかなり不順だから、次の生理が先月と同じ頃こないかもしれない。」
「それなら尚更、椎娜が思ったタイミングでいいから行ってみよう。」
「・・・わかった。桜太は・・・・・・できててほしい?」
「う~ん、どうかな・・・できてもいい、っても思うし、できてなくても、まだ椎娜1人を可愛がれるし・・・どちらにしても俺にはメリットしかないからなぁ・・・」
文字通り「う~ん」と考えながら、現状を確認しておきたいと桜太は前を向く。
「椎娜は?」
「私は・・・自分の家族ができるなら、それでもいいかなって・・・」
「・・・自分の家族?」
ん?と言葉に引っ掛かりを感じたらしい桜太が聞き返す。
桜太、知らなかったのか・・・
まぁ、言ってなかった気もするけど・・・
「今のお母さんは、あ、両親は、本当の両親の妹夫婦なの。」
「・・・・・・?え?」
「本当の両親は、私が生後半年くらいの時になんていうか・・・死んじゃったんだって。」
ノーブレーキで山道のガードレールを突き破っての炎上。
事故と心中の両面で捜査はされたらしいけど、2人共死んで真相は分からずじまい。
赤子だった私を祖母宅に預けて出かけた時に起きたことで、心中説が有力だったらしい。
「そ・・・それは、聞いてない・・・」
「はは・・・うん・・・言う機会もなかったね・・・」
「え、え??しかも、運転中に・・・?そんな大事な話??」
「いいんだよ、私は今の両親に育ててもらって、大事にされて幸せだった・・・自分たちの子供も作らずに、私を育ててくれて、感謝しかない・・・申し訳ないくらい・・・だから・・・私に子供ができて、桜太と家族になれたら、それが恩返しになるのかな、って・・・」
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる