徒然なる恋の話

焔 はる

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八夜【決別は未来への決意】

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椎娜の唇をペロリと舐める。

この格好も、興味を示してくれた椎娜へのサービスと御褒美、だからちょっとした戯れ。

そうしたら、予想外に椎娜の嫉妬心を知った。

・・・何をいまさら、無用の心配だ。

「・・・客で来てた女は客でしかないよ・・・今更椎娜が気にする必要ない・・・」

右手を耳から首筋、うなじを指先でくすぐるように撫で、丸みのある頬を覆う。

好きだと言った俺の目を見上げる瞳とぶつかり、どうしたいのか、どうしてほしいのか、切なく潤んで、それは表情だけで苦しいほどに伝わってきた。

・・・ごめん・・・わかってる・・・

椎娜の中で葛藤があるのも、できない、今は無理、嫌・・・と思ってるのもわかる・・・

それと同じくらい、欲しくて、疼いてんのもわかってる・・・

タイミング悪く身体を熱くさせてごめんな・・・

指先で前髪をよけて、子供かなってほど狭い額に唇を押し当てた。

「・・・・・・かっこいい、よ・・・・・・?」

突然言葉にされる賛辞は、語尾は疑問形。

「ふっ・・・ありがと・・・」

まぁだ素直になれないツンな椎娜が残っていて笑ってしまう。

・・・だって、可愛すぎる・・・

「・・・心臓、破裂しそうなくらいには、かっこいいって思ってる・・・」

「・・・それは・・・相当だね・・・」

「・・・・・・やらしい・・・・・・」

「なにが(笑)?」

「制服・・・やらしい。」

「え~そうかなぁ・・・」

「・・・だめ。」

少し強めに決意を秘めて。

「だめ?」

・・・どういうこと・・・?

「・・・・・・私だけ、メロメロにして。」

「・・・・・・はぁぁ・・・ほんっっっと・・・!椎娜もそういうとこ・・・!!さっきまで頑ななのに、一度言葉にしたら、ぽろっぽろ零すんだから・・・ずるいよね・・・」

そんなさぁ・・・

メロメロとかさ・・・

どのお口が言うわけ・・・????

他の女になんてモテなくていいから、私だけメロメロにしなさいよ、って・・・???

「もう、私のだから・・・桜太。」

キッと、珍しく強気に見つめてくるけど、あんな風に可愛く、無理して強気に言われたら、俺・・・受けて勃つし、いや、受けて立つし、『私の事抱き殺していいよ、美味しく召し上がって』って事だと解釈するけどいいのかな。

椎娜は全く気付いてないけどさ。


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