徒然なる恋の話

焔 はる

文字の大きさ
401 / 617
九夜【真昼のぬくもり】

9-20

しおりを挟む
「美しい魔王ってこと?」

「・・・はい・・・」

「あはは、美魔王かぁ・・・うん、悪くない。美魔王兄弟ねぇ・・・ふぅん・・・」

つい口を滑らせた「美魔王」を気に入ったのか、柊誠さんは何度も呟き、時折笑いながらご機嫌だ。

「・・・あの・・・今日はどこに・・・」

「・・・・・・決めてない。」

「え??」


・・・決めてない・・・?


「ナツが君の所に行くって言うから、謝罪がてら俺も行くって着いてきて、つい、連れてきてしまったんだけど、行き先は・・・決めてないねぇ・・・どこか行きたい?」

「えっ・・・いや・・・あの・・・私は特に・・・」

まさかの、そんな行き当たりばったり、無計画な移動中だとは・・・。

決まっているのは、これから柊誠さんの奥さんが合流する事だけ。


「奥さんと一緒に、1番下の4歳の息子が来るけど子供大丈夫?」

「はい、たぶん・・・あんまり幼子おさなごと関わった事がないので・・・」


「やんちゃでうるさいのはごめんね、先に謝っておくね。」


「あ、はい。」



それからしばらく、機嫌のいい柊誠さんの鼻歌を聴きながら車は走り、郊外のマンションの前で停車した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

一夏の性体験

風のように
恋愛
性に興味を持ち始めた頃に訪れた憧れの年上の女性との一夜の経験

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

処理中です...