485 / 617
十三夜【溺れるものは真夜中に溶け合う】
13-4
しおりを挟む今生の別れでもないのに、時折こんな状況になってしまうのは、先日<fortune cafe Yggdrasill>で広瀬さんに私と桜太の前世についての話を聞いてからだ。
自分の中で枷になっていたストッパーが外れたような、邪魔をする誰かを気にしなくても桜太を好きでいていいんだ、と思えるようになったというか・・・
自分でも不思議でよくわからない感覚だけど、一言で言うと、好きが溢れている状態。
思いたいまま思っていられる喜びと、私が素直じゃなくても、真顔でも、それを迷惑だったり困ったり、拒絶をする事なく桜太は受け入れてくれる。
それがまた喜びとして相乗効果を生んで、精神的にも安定している。
「・・・今日、遅い?」
「早く帰ってくる。」
「・・・早く、さわりたい・・・」
「・・・・・・だからさ・・・そういう・・・はぁ・・・ほんと・・・ずるいよね・・・そういうとこ・・・日中頭ん中でシてやるからな」
「え・・・ッ・・・やだ・・・ずるい!・・・ほんとにシてくれなきゃ、やだ・・・」
「も~~~ッおばかッ・・・椎娜ッ・・・ばか、ほんともう・・・行けないだろ、仕事・・・そんな顔すんな・・・・・・帰ってきたら、ぐっちゃぐちゃに抱くからな。」
「・・・好き」
「・・・・・・俺も好き。」
頭を撫でて大好きな手が離れる。
革靴の音はあまり好きじゃない・・・
特に朝・・・
背中を向けて、扉の向こうに消える桜太を見送るのが寂しい。
・・・好き、好き・・・寂しい・・・好き・・・
どれだけの時間があっても、どれだけの時間を過ごしても、きっと足りない・・・好きは大きく膨れて溢れ、伝えたくて伝えたくて生まれてくる。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる