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十三夜【溺れるものは真夜中に溶け合う】
13-26
しおりを挟む「ふふ・・・」
「しぃ、ちゃん・・・?」
「桜太・・・キス、したい・・・」
「・・・・・・ん」
私の足をそっと下ろした桜太は、私のナカから引き抜く事なく体勢を変えて、仰向けにした私に覆い被さり唇を重ねた。
柔らかな前髪が額に触れ、確かめて味わうように唇を割り、舌を絡めていく。
「・・・桜太・・・」
「・・・なぁに・・・?」
「・・・・・・桜太・・・・・・」
「・・・・・・ん・・・?」
「・・・・・・好き・・・・・・」
「・・・俺も・・・好き・・・」
「・・・・・・桜太になら、壊されてもいいの・・・」
「・・・しぃ、な・・・」
「・・・だって・・・壊れないで桜太がいない世界か、壊れて桜太がいる世界なら、答えは決まってる・・・1つしかないでしょ・・・?」
「椎娜・・・」
「・・・・・・桜太が、不安になるくらい、私、愛が足りてなかったのかな・・・」
「!違う・・・ッ違うよ・・・俺が・・・勝手に、少し、不安だっただけだよ・・・」
「・・・おんなじ・・・」
「え・・・?」
「・・・・・・私も、桜太がいなくなるくらいなら、壊してあげたい・・・私しか見えないように・・・私だけに執着するように・・・だから・・・怖がらないで・・・。」
「・・・椎娜・・・」
「・・・それに・・・もう、桜太じゃなきゃキモチよくなれないのに・・・」
「・・・しぃちゃん・・・」
「・・・・・・桜太は違うの?」
「ちがくないよ・・・!椎娜だけだよ・・・椎娜しか、見えてない・・・」
「ぁ、ン・・・もう・・・元気だなぁ・・・おぅちゃん・・・ふふ・・・」
「・・・そうだよ、椎娜にはいつも突っ込みたいんだよ、俺。」
「・・・(笑)言い方・・・(笑)」
「好きな子を前にした男の率直な気持ちです。いつでも抱きたいの。」
「そういうところ・・・ほんと、可愛い・・・」
「・・・ありがと・・・椎娜・・・」
「・・・こちらこそ・・・?ふふ・・・ん、・・・ぁ・・・おぅ、た・・・」
「・・・俺は、椎娜に絶対服従だから。」
あ、それまだ継続だったんだ・・・(笑)
私の唇を舐めて、服従と愛情の口づけを繰り返す<美しい獣>。
・・・本当に、可愛いなぁ・・・桜太は・・・。
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