徒然なる恋の話

焔 はる

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十六夜【消えたい?消したい?掃除屋との遭遇】

16-6

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圧巻の美魔王・・・


「・・・ひさしぶり、椎娜ちゃん。今日は悪かったね、こいつが」


「あはは、いててて・・・ボス、耳、取れると思う」


柊誠さんをボスと呼び、耳を引っ張られて睨まれても意に介さず笑っている。


「ボス、あんまんとピザまんもらった。」


「はぁ・・・お前は・・・金くらい持ち歩けっていつも言ってるのに・・・」


「邪魔になる、ジャラジャラするし。」


「ほんと、あ~言えばこう言う、クソガキの典型だな。」


「えへ」


「やめろ、褒めてない。それに椎娜ちゃんの手を離せ。」


「え~・・・オレが拾ったのに・・・」


「拾われてません、連れて来られたんです。」


「椎娜ちゃん、て言うの?」


柊誠さんが手を解いてくれたおかげでやっと解放された左手は、ようやく自由を取り戻した。


桜太以外の男の人に触られたのも久しぶりだし、初対面の人なのに、この強引な無礼者に嫌悪感もなく触られていた事が自分でも意外だった。


「ゼロ、お前の仕事は拾ってくるコトじゃない。椎娜ちゃんの事は忘れろ。オレらとは関わる事はない。」


「・・・え~・・・・・・つまんねぇの・・・」


諭すように告げる岐津さんに、拗ねた子供みたいに不満げな顔をしている。


「ねぇ、これ・・・あんた、こんなのばっかり食ってんの?オレが作ってくヤツじゃ足りない?」

ナツさんが後部座席に置いたままだったコンビニのビニール袋を下ろしてきて、困ったような、呆れたような表情で、それを掲げると、美魔王兄弟もそれに視線を移し、なんとも言えない視線が私に移動した。






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