すべてのはじまり

神名代洸

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未来を知って

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自身のことについて考えるようになった私は自宅の自室でじっくりと考えていた。
今まではそれほど気にしないようにしてきた自身にいるもう一人の自分に語りかけた。
「ねぇ~なんで今出てきたの?なんで私?他の人じゃダメなの?」
【私はお前だ。お前は私の未来。俺は過去に生きたものだ。他の誰かと変わることなぞできない。諦めるのだな。】
「えっ?!今私話せてる?じゃあ、なぜ今なの?もっと前でもよかったんじゃない?」
【それは無理だ。今でなければならなかったからだ。地球を守る為には…。】
なんかすごい話になってきて話についていけなかった。頭が混乱していた。
「あ~もうわかんない。とにかく今日は寝る。寝て気持ちの整理をつける。」
ひとり言を言ってさっさと寝る支度をすると布団に潜り込んだ。

その日は不思議な夢を見た。
不思議な格好をした男の人が街中で叫んでいる。声が一緒なのでもしかして自分なのかもと思いじっと見てみた。それはまるでスクリーンに映されているかのようだ。
近くの山が噴火したようだ。次々と噴火し始める山々を背に腰に剣をさしている男が手を振って逃げろと叫んでいる。
火山灰が降って来てあたりの視界は悪い。
そこに地震が起こって画面が切り替わった。

今度も大地震が起きて建物が次々と倒壊していく。逃げる人泣き叫び何もできずにいる人などたくさんの人が溢れかえっていた。
私も逃げなきゃと思い、でもどこに逃げたらいいのかわからずにオロオロするばかりだった。でも、怪我をした人などを見つけると助けたり指示したりと動き回っていた。
そこで画面が消えた。

目が覚めた時何があったのかこれはなんなのかよく分からず汗をかいていた。気持ちが悪いくらい汗をかいててすぐに服を着替えた。
今まで夢を覚えていることはあってもリアルな夢はなかった。
なので今回の夢は気持ちが悪かった。

二つも夢を見るなんて今までなかったのに…しかもはっきり覚えてるってなんで?わからなかった。ただ、二つ目の夢は建物や服装などが今と変わらないので正夢になるのかもと心配になった。

けれどもまだ地震は起きていない。
不安は不安ではあるが、起きていないことを考えたって仕方がない。そう思うようにした。
次の日から私はテレビのニュースを見るようになった。地震がどこで起きるかわからないからだ。
「学校に行く時間じゃないの?時間大丈夫?」「やっば、行くわー。行ってきまーす。」
「行ってらっしゃい。」
私は慌てて学校へ行った。
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