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「リジー!危ない!」
シュナイダーはとっさにリジーの腕を引っ張ろうとしたが、それよりも早くリジーはその車を運転していた謎の人物に捕まえられた。
「リジー!」
皆その場で固まっていた。だが、すぐに動き出した。
刑事達はサッと動き建物の影や車の間に滑り込んでリジーを羽交い締めしている謎の男の様子を伺った。
謎の男はリジーの首に片手を当て締めにかかった。リジーの苦悶の表情が見えるが、手出しができるタイミングが取れない。
シュナイダーは歯ぎしりした。こんな所で死なせるものか!と。
近くにいた刑事から拳銃を奪い取り、謎の男に向かって銃を構える。冷や汗が伝い降りる。
「あ、あ、あ、あ、…。」
リジーは声もあげられない。
時間がない。
シュナイダーは構えて、そして男の片足に向かって発砲した。リジーに当たらないようになるべくならと足首を狙った。
銃弾は謎の男の足首をかすった。
その痛みで謎の男の手からリジーが離れた。その一瞬を皆は見逃さなかった。
銃を構えながら近づく者。戦闘ポーズをとったまま近づく者と…総勢10人がまわりから取り囲むように近づいた。
謎の男は逃げようとしたが、タックルされ身動きが取れないところで刑事達に取り押さえられた。
「大人しくしろ!」
「うるさい!離せ!あの女を始末する。離しやがれ!」
「そんなことさせるわけないだろ。」そうシュナイダーは言いながら謎の男に殴りかかった。
仲間が取り押さえたが、まだ殴ろうとしていた。始末書ものだ。
「シュナイダー、今はそんなことしてる場合?リジーを見なくていいの?」
イヴァンに言われ、はじめてリジーを見た。
リジーは咳き込みながらもなんとか立ち上がっていた。シュナイダーを心配しているようだ。
どちらかというとこっちが心配してるって言いたいと思ったシュナイダーは黙ってリジーのもとへと歩いていく。
「あとは警察がなんとかしてくれるだろう。俺たちの仕事も終わりだ。」
「ええ、そうね。今までありがとう。もうこれでお別れね。」
「何を言っているんだい?これからだよ?君の身に降りかかった厄災はこれでなくなった。これからは仕事抜きで会いたい。…ダメか?」
「いえ、ダメじゃ…ないわ。いいの?私で。」
「君がいいんだ。俺はこの通り仕事で危険な目にあうこともある。何かあってもすぐに連絡はいかないだろう。仕事の内容も話せない。こんな俺でもいいなら付き合ってくれますか?」
「ええ、いいわ。良いに決まってるじゃない。こんな素敵な彼氏ができたなんて言ったら友達に色々言われそうね。」
リジーは片目をつむり、舌をぺろっと出していたずらっ子のような顔をした。
その顔が可愛くてシュナイダーは思わずリジーの頬にキスをした。
リジーは顔を真っ赤にしている。
それはそうだ。ここにはみんながいるんだから。恥ずかしいって。
謎の男はその後の取り調べでポツポツとしゃべっているらしい。
それはこうだ。
ある日、港の倉庫あたりで隠れて薬の取引をしていた。その時遠くで何かが一瞬光ったらしい。仲間の一人がたまたま持っていた双眼鏡で光った先を見てみたら女が一人で何かをしているところまでは見えたらしい。ただそれがなんなのかは分からなかったという。
それから数日後のある日、マイナーな雑誌だが、地域限定雑誌にそれは写っていたらしい。
遠くの方で何人かの男がそれぞれ何かを渡しているであろう写真だ。あまりに小さすぎた為、何か…までは分からなかったが足がつくのを嫌う取引相手の為、男は調べ始めたという。
シュナイダーはとっさにリジーの腕を引っ張ろうとしたが、それよりも早くリジーはその車を運転していた謎の人物に捕まえられた。
「リジー!」
皆その場で固まっていた。だが、すぐに動き出した。
刑事達はサッと動き建物の影や車の間に滑り込んでリジーを羽交い締めしている謎の男の様子を伺った。
謎の男はリジーの首に片手を当て締めにかかった。リジーの苦悶の表情が見えるが、手出しができるタイミングが取れない。
シュナイダーは歯ぎしりした。こんな所で死なせるものか!と。
近くにいた刑事から拳銃を奪い取り、謎の男に向かって銃を構える。冷や汗が伝い降りる。
「あ、あ、あ、あ、…。」
リジーは声もあげられない。
時間がない。
シュナイダーは構えて、そして男の片足に向かって発砲した。リジーに当たらないようになるべくならと足首を狙った。
銃弾は謎の男の足首をかすった。
その痛みで謎の男の手からリジーが離れた。その一瞬を皆は見逃さなかった。
銃を構えながら近づく者。戦闘ポーズをとったまま近づく者と…総勢10人がまわりから取り囲むように近づいた。
謎の男は逃げようとしたが、タックルされ身動きが取れないところで刑事達に取り押さえられた。
「大人しくしろ!」
「うるさい!離せ!あの女を始末する。離しやがれ!」
「そんなことさせるわけないだろ。」そうシュナイダーは言いながら謎の男に殴りかかった。
仲間が取り押さえたが、まだ殴ろうとしていた。始末書ものだ。
「シュナイダー、今はそんなことしてる場合?リジーを見なくていいの?」
イヴァンに言われ、はじめてリジーを見た。
リジーは咳き込みながらもなんとか立ち上がっていた。シュナイダーを心配しているようだ。
どちらかというとこっちが心配してるって言いたいと思ったシュナイダーは黙ってリジーのもとへと歩いていく。
「あとは警察がなんとかしてくれるだろう。俺たちの仕事も終わりだ。」
「ええ、そうね。今までありがとう。もうこれでお別れね。」
「何を言っているんだい?これからだよ?君の身に降りかかった厄災はこれでなくなった。これからは仕事抜きで会いたい。…ダメか?」
「いえ、ダメじゃ…ないわ。いいの?私で。」
「君がいいんだ。俺はこの通り仕事で危険な目にあうこともある。何かあってもすぐに連絡はいかないだろう。仕事の内容も話せない。こんな俺でもいいなら付き合ってくれますか?」
「ええ、いいわ。良いに決まってるじゃない。こんな素敵な彼氏ができたなんて言ったら友達に色々言われそうね。」
リジーは片目をつむり、舌をぺろっと出していたずらっ子のような顔をした。
その顔が可愛くてシュナイダーは思わずリジーの頬にキスをした。
リジーは顔を真っ赤にしている。
それはそうだ。ここにはみんながいるんだから。恥ずかしいって。
謎の男はその後の取り調べでポツポツとしゃべっているらしい。
それはこうだ。
ある日、港の倉庫あたりで隠れて薬の取引をしていた。その時遠くで何かが一瞬光ったらしい。仲間の一人がたまたま持っていた双眼鏡で光った先を見てみたら女が一人で何かをしているところまでは見えたらしい。ただそれがなんなのかは分からなかったという。
それから数日後のある日、マイナーな雑誌だが、地域限定雑誌にそれは写っていたらしい。
遠くの方で何人かの男がそれぞれ何かを渡しているであろう写真だ。あまりに小さすぎた為、何か…までは分からなかったが足がつくのを嫌う取引相手の為、男は調べ始めたという。
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