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【30】
仕事がようやくひと段落できたのはひと月後のことだった。
事後処理はあるが、それはさっさと片付けた。
リジーに会える。そう思うと気持ちが焦った。
シュナイダーは今日は非番ではあるが、何かあった時には呼び出される可能性を考えて動きやすい服装をしていた。
だが今からはリジーに会うのだ。嬉しさが顔に出ているのかニヤついていると同僚にからかわれて別れたのだった。
「ったく、あいつら~覚えてろよ!」
とは言いながらも嬉しさは消せなかった。
待ち合わせ場所はお互いの自宅からちょうどいい中間にしていた。
待ち合わせの時間は10時だ。
まだ今は9時半になったところ。気持ちが焦って…ガキかと思うと笑えた。
リジーに会える。
ただそれだけなのに気持ちが高揚した。
あれもしたい、これもしたいと思うことはたくさんあるが、まずは会ってからだ。
10時になった。
だけどまだリジーの姿はない。
何かあったのか?
また?
いや、まさか…な。事件は片付いたし、犯人も取っ捕まえたから今頃は留置所の中だ。気にすることはない。
5分過ぎ、10分が過ぎた頃リジーがこっちに向かって走ってくるのが見て取れた。
焦らなくてもいいのに…。そんな姿も可愛らしい。
「ご、御免なさい!アレコレと準備に時間がかかっちゃって…間に合うと思ったんだけど…。」
「いや、いいよ。特に何もなかったんだからさ。」
リジーは今日もジーンズだ。
動きやすさと可愛さを上手に持っていて思わず抱きしめたくなったが、ここは人通りが多い場所なのでグッと堪えた。
「さっ、行こうか。」
「ええ、そうね。そうしましょう。」
2人は手を繋ぎながらその場を後にした。
その後をつける二つの影…まだ2人は気づいていない。
「さぁ、何しようか?」
「そうね~、何しようかしら。これと言って決めてなかったわ。シュナイダー、貴方はどう?」
「そうだな…、俺ならあそこに行くな。」
「あそこってどこ?」
「ついておいで。」そう言いながらさりげなく手をつかんだシュナイダーは人ごみをかき分けてぐんぐんと前に進んでいく。
「チッ。早いな。」
男は一言そう言ったがそれ以上言葉を発しなかった。連れの男も同様だ。
彼らは一体?
着いた先は喫茶店も兼ねた大型書店だった。
なぜこんな場所を選んだかというと、人が大勢いるから。
何かあった時には隠れて逃げられる…そんな考えからだった。なぜかそうしなければと思ったのだ。もう脅威はなくなったはずなのに誰かにつけられている感じがして仕方がなかったのだ。それがまさか仲間からだとは夢にも思わなかったが。
それを知るのはもう少し後の事。
事後処理はあるが、それはさっさと片付けた。
リジーに会える。そう思うと気持ちが焦った。
シュナイダーは今日は非番ではあるが、何かあった時には呼び出される可能性を考えて動きやすい服装をしていた。
だが今からはリジーに会うのだ。嬉しさが顔に出ているのかニヤついていると同僚にからかわれて別れたのだった。
「ったく、あいつら~覚えてろよ!」
とは言いながらも嬉しさは消せなかった。
待ち合わせ場所はお互いの自宅からちょうどいい中間にしていた。
待ち合わせの時間は10時だ。
まだ今は9時半になったところ。気持ちが焦って…ガキかと思うと笑えた。
リジーに会える。
ただそれだけなのに気持ちが高揚した。
あれもしたい、これもしたいと思うことはたくさんあるが、まずは会ってからだ。
10時になった。
だけどまだリジーの姿はない。
何かあったのか?
また?
いや、まさか…な。事件は片付いたし、犯人も取っ捕まえたから今頃は留置所の中だ。気にすることはない。
5分過ぎ、10分が過ぎた頃リジーがこっちに向かって走ってくるのが見て取れた。
焦らなくてもいいのに…。そんな姿も可愛らしい。
「ご、御免なさい!アレコレと準備に時間がかかっちゃって…間に合うと思ったんだけど…。」
「いや、いいよ。特に何もなかったんだからさ。」
リジーは今日もジーンズだ。
動きやすさと可愛さを上手に持っていて思わず抱きしめたくなったが、ここは人通りが多い場所なのでグッと堪えた。
「さっ、行こうか。」
「ええ、そうね。そうしましょう。」
2人は手を繋ぎながらその場を後にした。
その後をつける二つの影…まだ2人は気づいていない。
「さぁ、何しようか?」
「そうね~、何しようかしら。これと言って決めてなかったわ。シュナイダー、貴方はどう?」
「そうだな…、俺ならあそこに行くな。」
「あそこってどこ?」
「ついておいで。」そう言いながらさりげなく手をつかんだシュナイダーは人ごみをかき分けてぐんぐんと前に進んでいく。
「チッ。早いな。」
男は一言そう言ったがそれ以上言葉を発しなかった。連れの男も同様だ。
彼らは一体?
着いた先は喫茶店も兼ねた大型書店だった。
なぜこんな場所を選んだかというと、人が大勢いるから。
何かあった時には隠れて逃げられる…そんな考えからだった。なぜかそうしなければと思ったのだ。もう脅威はなくなったはずなのに誰かにつけられている感じがして仕方がなかったのだ。それがまさか仲間からだとは夢にも思わなかったが。
それを知るのはもう少し後の事。
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