31 / 44
【31】
2人は面白そうな本を手に喫茶店へと入っていった。
リジーが持っていたのは子供が読みそうな童話の本。
シュナイダーが持っていたのは推理小説だった。
お互いが意外に思っていた。
リジーなら恋愛物かと。
シュナイダーなら真面目に仕事関係の本を読むものだとばかり思っていた。
思わず小さな声でクスクスと笑い合っていた。
「なんか意外だわ。いつも真面目そうな感じがしてたのに。」
「それを言ったら俺の方だってびっくりだよ。童話?大人が童話とは意外だったよ。」
「あらそう?でもね?童話って面白い発見がたくさんあるから好きなのよ。子供の目線に立って書かれてるでしょ?だから私も追体験というか童心に帰って読んでるのよ。」
運ばれてきた飲み物を飲みながら笑っている。
つられて笑っていたがふと何処からか視線があった気がして一瞬だが固まった。だが気のせいだろうと思い直してリジーと語らう。
2時間ほどして買った本を手に店を出た。
「何を買ったんだい?」
「次回作のインスピレーションの源…かな?ふと思いついたから忘れないようにメモも挟んであるのよ?」
そう言って袋から本を出してみせた。
それは怪奇小説だった。
また新しい発見だ。
ジャンルは問わないらしい。
店を出てからシュナイダーはハッキリと感じた。これは尾行されてるなと…。リジーにはまだ話してない。怖がらせたくないからだ。
「今日は楽しかったわ。あなたの新しいことも発見できたし。」
「それはこちらも同じ。…また会おう。」
「ええ、そうね。でもお仕事忙しいんじゃないの?」
「あ、ああ、そうだがまた会いたい。こちらからまた連絡させてもらうよ。いいかな?」
「いいわよ。私の方が都合がつきやすいと思うから。」そう言いながら嬉しそうな顔をしているリジーを見ながら視線を感じていた。誰かに見られている。今度は誰だ?
その時近寄ってくるものたちがいた。シュナイダーの仲間たちだ。皆クスクス笑いが止まらないらしい。
「何しに来た。今は勤務外のはず。」
「だからだよ。君の素顔を見にきた。そしたら意外や面白いものが見られた。」
「な、付けてきたのはお前らか。ったく…ブツブツ。」
「シュナイダー、こちらの方々は?」
「ああ、俺の元上司と部下たちだ。顔を合わせるのは初めてだと思うが、変な人たちだ。だがまだまともでもある。安心してくれ。」
「なんなの?それ。元でも上司を捕まえて変な人って、おかしい。」そう言いながらリジーはクスクス笑っている。
その姿を見ているシュナイダーを、元上司は笑いながら見ていた。
特にこれといった話はなかった為、その場で元上司達と別れた2人はリジーの職場へと向かっていった。
リジーの強い希望だったからだ。
インスピレーションが沸いているうちにデッサンしたかったらしい。
シュナイダーは嫌がることはなくリジーのその様子を微笑ましく見ていた。
職場に着くとすぐにリジーは紙とペンを持って床に置いて書きなぐり始めた。
集中しているリジーの邪魔はすまいと近くの椅子に座ってじっと見つめていた。
時間にしてどれくらい経ったのだろう。
あたりが少し暗くなってきたことでようやく周りのことに目を向けられたリジーだが、そこにシュナイダーがいて初めて彼が退屈していたんじゃないかと気がついた。
「ご、ごめんなさい。私ったら没頭しちゃうと周りが見えなくなっちゃって。退屈じゃなかった?」
「いや、君の真剣な姿が見られて良かったよ。君のいろんな顔を見るのは楽しいからね。」
「え~?私そんなに変な顔してた?」
「う~ん、どうだろうね?…百面相してたとは思うけど。」笑いながら答えてきたシュナイダーにリジーは頬を赤く染めた。
道具を片付け始めたのでシュナイダーはリジーを手伝った。と言っても大したことはしていない。
「さっ、帰りましょう。」
「そうだな。帰ろうか。」
2人は一緒にタクシーに乗って帰ってきた。
リジーが持っていたのは子供が読みそうな童話の本。
シュナイダーが持っていたのは推理小説だった。
お互いが意外に思っていた。
リジーなら恋愛物かと。
シュナイダーなら真面目に仕事関係の本を読むものだとばかり思っていた。
思わず小さな声でクスクスと笑い合っていた。
「なんか意外だわ。いつも真面目そうな感じがしてたのに。」
「それを言ったら俺の方だってびっくりだよ。童話?大人が童話とは意外だったよ。」
「あらそう?でもね?童話って面白い発見がたくさんあるから好きなのよ。子供の目線に立って書かれてるでしょ?だから私も追体験というか童心に帰って読んでるのよ。」
運ばれてきた飲み物を飲みながら笑っている。
つられて笑っていたがふと何処からか視線があった気がして一瞬だが固まった。だが気のせいだろうと思い直してリジーと語らう。
2時間ほどして買った本を手に店を出た。
「何を買ったんだい?」
「次回作のインスピレーションの源…かな?ふと思いついたから忘れないようにメモも挟んであるのよ?」
そう言って袋から本を出してみせた。
それは怪奇小説だった。
また新しい発見だ。
ジャンルは問わないらしい。
店を出てからシュナイダーはハッキリと感じた。これは尾行されてるなと…。リジーにはまだ話してない。怖がらせたくないからだ。
「今日は楽しかったわ。あなたの新しいことも発見できたし。」
「それはこちらも同じ。…また会おう。」
「ええ、そうね。でもお仕事忙しいんじゃないの?」
「あ、ああ、そうだがまた会いたい。こちらからまた連絡させてもらうよ。いいかな?」
「いいわよ。私の方が都合がつきやすいと思うから。」そう言いながら嬉しそうな顔をしているリジーを見ながら視線を感じていた。誰かに見られている。今度は誰だ?
その時近寄ってくるものたちがいた。シュナイダーの仲間たちだ。皆クスクス笑いが止まらないらしい。
「何しに来た。今は勤務外のはず。」
「だからだよ。君の素顔を見にきた。そしたら意外や面白いものが見られた。」
「な、付けてきたのはお前らか。ったく…ブツブツ。」
「シュナイダー、こちらの方々は?」
「ああ、俺の元上司と部下たちだ。顔を合わせるのは初めてだと思うが、変な人たちだ。だがまだまともでもある。安心してくれ。」
「なんなの?それ。元でも上司を捕まえて変な人って、おかしい。」そう言いながらリジーはクスクス笑っている。
その姿を見ているシュナイダーを、元上司は笑いながら見ていた。
特にこれといった話はなかった為、その場で元上司達と別れた2人はリジーの職場へと向かっていった。
リジーの強い希望だったからだ。
インスピレーションが沸いているうちにデッサンしたかったらしい。
シュナイダーは嫌がることはなくリジーのその様子を微笑ましく見ていた。
職場に着くとすぐにリジーは紙とペンを持って床に置いて書きなぐり始めた。
集中しているリジーの邪魔はすまいと近くの椅子に座ってじっと見つめていた。
時間にしてどれくらい経ったのだろう。
あたりが少し暗くなってきたことでようやく周りのことに目を向けられたリジーだが、そこにシュナイダーがいて初めて彼が退屈していたんじゃないかと気がついた。
「ご、ごめんなさい。私ったら没頭しちゃうと周りが見えなくなっちゃって。退屈じゃなかった?」
「いや、君の真剣な姿が見られて良かったよ。君のいろんな顔を見るのは楽しいからね。」
「え~?私そんなに変な顔してた?」
「う~ん、どうだろうね?…百面相してたとは思うけど。」笑いながら答えてきたシュナイダーにリジーは頬を赤く染めた。
道具を片付け始めたのでシュナイダーはリジーを手伝った。と言っても大したことはしていない。
「さっ、帰りましょう。」
「そうだな。帰ろうか。」
2人は一緒にタクシーに乗って帰ってきた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】ジュリアはバツイチ人生を謳歌する
ariya
恋愛
エレン王国の名門貴族・アグリア伯爵家に嫁いだジュリア・アグリア(旧姓ベルティー)。
夫のアベル・アグリア伯爵は、騎士として王妃の護衛任務に没頭し、結婚翌日からほぼ別居状態。
社交界のパーティーでは妻のエスコートを代理人に任せ、父の葬儀にも顔を出さず、事務的な会話と手紙のやり取りだけの日々が続く。
ジュリアは8年間の冷遇に耐え抜いたが、ある朝の食事中、静かに切り出す。
「私たち、離婚しましょう」
アベルは絶句するが、ジュリアは淡々と不満を告げる。
どれも自分のしでかしたことにアベルは頭を抱える。
彼女はすでに離婚届と慰謝料の用意を済ませ、夫の仕事に理解を示さなかった「有責妻」として後腐れなく別れるつもりだった。
アベルは内心で反発しつつも、ジュリアの決意の固さに渋々サイン。
こうしてジュリア・アグリアは、伯爵夫人としての全てを置き去りにし、バツイチ人生を開始する。
【感謝】
第19回恋愛小説大賞にて奨励賞を受賞しました。
ありがとうございます。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
触れられないはずの私が、ただ一人の彼にだけ心も体も許してしまいました
由香
恋愛
男性に触れられると体調を崩す令嬢リリア。
そんな彼女にとって唯一“触れられる”存在は――幼なじみの公爵令息レオンだけだった。
手を取られ、抱き寄せられ、当たり前のように触れられる日々。
それがどれほど特別なことなのか、彼女はまだ知らない。
やがて政略結婚の話が持ち上がり、“触れられない相手との結婚”か、“彼に触れられる人生”かを選ぶことに。
「お前に触れていいのは俺だけだ」
逃げ場のない独占と、甘すぎる溺愛。
これは、触れられないはずの少女が、ただ一人にだけすべてを許していく物語。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
冷酷公爵と呼ばれる彼は、幼なじみの前でだけ笑う
由香
恋愛
“冷酷”“無慈悲”“氷の貴公子”――そう恐れられる公爵アレクシスには、誰も知らない秘密がある。
それは、幼なじみのリリアーナの前でだけ、優しく笑うこと。
貴族社会の頂点に立つ彼と、身分の低い彼女。
決して交わらないはずの二人なのに、彼は彼女を守り、触れ、独占しようとする。
「俺が笑うのは、お前の前だけだ」
無自覚な彼女と、執着を隠しきれない彼。
やがてその歪な関係は周囲を巻き込み、彼の“冷酷”と呼ばれる理由、そして彼女への想いの深さが暴かれていく――
これは、氷のような男が、たった一人にだけ溺れる物語。