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2人は面白そうな本を手に喫茶店へと入っていった。
リジーが持っていたのは子供が読みそうな童話の本。
シュナイダーが持っていたのは推理小説だった。
お互いが意外に思っていた。
リジーなら恋愛物かと。
シュナイダーなら真面目に仕事関係の本を読むものだとばかり思っていた。
思わず小さな声でクスクスと笑い合っていた。
「なんか意外だわ。いつも真面目そうな感じがしてたのに。」
「それを言ったら俺の方だってびっくりだよ。童話?大人が童話とは意外だったよ。」
「あらそう?でもね?童話って面白い発見がたくさんあるから好きなのよ。子供の目線に立って書かれてるでしょ?だから私も追体験というか童心に帰って読んでるのよ。」
運ばれてきた飲み物を飲みながら笑っている。
つられて笑っていたがふと何処からか視線があった気がして一瞬だが固まった。だが気のせいだろうと思い直してリジーと語らう。
2時間ほどして買った本を手に店を出た。
「何を買ったんだい?」
「次回作のインスピレーションの源…かな?ふと思いついたから忘れないようにメモも挟んであるのよ?」
そう言って袋から本を出してみせた。
それは怪奇小説だった。
また新しい発見だ。
ジャンルは問わないらしい。
店を出てからシュナイダーはハッキリと感じた。これは尾行されてるなと…。リジーにはまだ話してない。怖がらせたくないからだ。
「今日は楽しかったわ。あなたの新しいことも発見できたし。」
「それはこちらも同じ。…また会おう。」
「ええ、そうね。でもお仕事忙しいんじゃないの?」
「あ、ああ、そうだがまた会いたい。こちらからまた連絡させてもらうよ。いいかな?」
「いいわよ。私の方が都合がつきやすいと思うから。」そう言いながら嬉しそうな顔をしているリジーを見ながら視線を感じていた。誰かに見られている。今度は誰だ?
その時近寄ってくるものたちがいた。シュナイダーの仲間たちだ。皆クスクス笑いが止まらないらしい。
「何しに来た。今は勤務外のはず。」
「だからだよ。君の素顔を見にきた。そしたら意外や面白いものが見られた。」
「な、付けてきたのはお前らか。ったく…ブツブツ。」
「シュナイダー、こちらの方々は?」
「ああ、俺の元上司と部下たちだ。顔を合わせるのは初めてだと思うが、変な人たちだ。だがまだまともでもある。安心してくれ。」
「なんなの?それ。元でも上司を捕まえて変な人って、おかしい。」そう言いながらリジーはクスクス笑っている。
その姿を見ているシュナイダーを、元上司は笑いながら見ていた。
特にこれといった話はなかった為、その場で元上司達と別れた2人はリジーの職場へと向かっていった。
リジーの強い希望だったからだ。
インスピレーションが沸いているうちにデッサンしたかったらしい。
シュナイダーは嫌がることはなくリジーのその様子を微笑ましく見ていた。
職場に着くとすぐにリジーは紙とペンを持って床に置いて書きなぐり始めた。
集中しているリジーの邪魔はすまいと近くの椅子に座ってじっと見つめていた。
時間にしてどれくらい経ったのだろう。
あたりが少し暗くなってきたことでようやく周りのことに目を向けられたリジーだが、そこにシュナイダーがいて初めて彼が退屈していたんじゃないかと気がついた。
「ご、ごめんなさい。私ったら没頭しちゃうと周りが見えなくなっちゃって。退屈じゃなかった?」
「いや、君の真剣な姿が見られて良かったよ。君のいろんな顔を見るのは楽しいからね。」
「え~?私そんなに変な顔してた?」
「う~ん、どうだろうね?…百面相してたとは思うけど。」笑いながら答えてきたシュナイダーにリジーは頬を赤く染めた。
道具を片付け始めたのでシュナイダーはリジーを手伝った。と言っても大したことはしていない。
「さっ、帰りましょう。」
「そうだな。帰ろうか。」
2人は一緒にタクシーに乗って帰ってきた。
リジーが持っていたのは子供が読みそうな童話の本。
シュナイダーが持っていたのは推理小説だった。
お互いが意外に思っていた。
リジーなら恋愛物かと。
シュナイダーなら真面目に仕事関係の本を読むものだとばかり思っていた。
思わず小さな声でクスクスと笑い合っていた。
「なんか意外だわ。いつも真面目そうな感じがしてたのに。」
「それを言ったら俺の方だってびっくりだよ。童話?大人が童話とは意外だったよ。」
「あらそう?でもね?童話って面白い発見がたくさんあるから好きなのよ。子供の目線に立って書かれてるでしょ?だから私も追体験というか童心に帰って読んでるのよ。」
運ばれてきた飲み物を飲みながら笑っている。
つられて笑っていたがふと何処からか視線があった気がして一瞬だが固まった。だが気のせいだろうと思い直してリジーと語らう。
2時間ほどして買った本を手に店を出た。
「何を買ったんだい?」
「次回作のインスピレーションの源…かな?ふと思いついたから忘れないようにメモも挟んであるのよ?」
そう言って袋から本を出してみせた。
それは怪奇小説だった。
また新しい発見だ。
ジャンルは問わないらしい。
店を出てからシュナイダーはハッキリと感じた。これは尾行されてるなと…。リジーにはまだ話してない。怖がらせたくないからだ。
「今日は楽しかったわ。あなたの新しいことも発見できたし。」
「それはこちらも同じ。…また会おう。」
「ええ、そうね。でもお仕事忙しいんじゃないの?」
「あ、ああ、そうだがまた会いたい。こちらからまた連絡させてもらうよ。いいかな?」
「いいわよ。私の方が都合がつきやすいと思うから。」そう言いながら嬉しそうな顔をしているリジーを見ながら視線を感じていた。誰かに見られている。今度は誰だ?
その時近寄ってくるものたちがいた。シュナイダーの仲間たちだ。皆クスクス笑いが止まらないらしい。
「何しに来た。今は勤務外のはず。」
「だからだよ。君の素顔を見にきた。そしたら意外や面白いものが見られた。」
「な、付けてきたのはお前らか。ったく…ブツブツ。」
「シュナイダー、こちらの方々は?」
「ああ、俺の元上司と部下たちだ。顔を合わせるのは初めてだと思うが、変な人たちだ。だがまだまともでもある。安心してくれ。」
「なんなの?それ。元でも上司を捕まえて変な人って、おかしい。」そう言いながらリジーはクスクス笑っている。
その姿を見ているシュナイダーを、元上司は笑いながら見ていた。
特にこれといった話はなかった為、その場で元上司達と別れた2人はリジーの職場へと向かっていった。
リジーの強い希望だったからだ。
インスピレーションが沸いているうちにデッサンしたかったらしい。
シュナイダーは嫌がることはなくリジーのその様子を微笑ましく見ていた。
職場に着くとすぐにリジーは紙とペンを持って床に置いて書きなぐり始めた。
集中しているリジーの邪魔はすまいと近くの椅子に座ってじっと見つめていた。
時間にしてどれくらい経ったのだろう。
あたりが少し暗くなってきたことでようやく周りのことに目を向けられたリジーだが、そこにシュナイダーがいて初めて彼が退屈していたんじゃないかと気がついた。
「ご、ごめんなさい。私ったら没頭しちゃうと周りが見えなくなっちゃって。退屈じゃなかった?」
「いや、君の真剣な姿が見られて良かったよ。君のいろんな顔を見るのは楽しいからね。」
「え~?私そんなに変な顔してた?」
「う~ん、どうだろうね?…百面相してたとは思うけど。」笑いながら答えてきたシュナイダーにリジーは頬を赤く染めた。
道具を片付け始めたのでシュナイダーはリジーを手伝った。と言っても大したことはしていない。
「さっ、帰りましょう。」
「そうだな。帰ろうか。」
2人は一緒にタクシーに乗って帰ってきた。
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