自分

嵐士

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これからの目標と目的を考えることにした。

「まず、1番は脱出。その間に誰か居ないか探索。できれば誰かいると良いな。でも、アイツには見つからないようにしないといけないから大胆な行動は控えないとな。イタっ!」
僕は考えることに夢中になっていて、気がつくと行き止まりにぶち当たっていた。
「イッタ~!行き止まりか?」
僕は、ぶつけた頭をさすりながらスマホのライトを照らした。
そこには、今までに見たことのない巨大な空間が広がっていた。その空間を見た僕は興奮を覚えた。かすかに月あかりが見えたからだ。それはそうだ上を見たらこのまま暗闇しかないと思っていたんだ。そうんなんだ、諦めなければきっと助かるんだ!残り少ない体力が、削られまくった気力が戻る気がした。
「た、助かるのか?」
「お~い!誰かいないのか~!たすけてくれ~!」
僕は、声のかぎり大声で叫び続けた。
しかし、誰かが来てくれる事もなければ人の気配すらしない。叫び疲れた僕はうなだれるしかなく、疲れが増してしまった。
「何だよ、誰かいないのかよ。」
僕は、この先をどうしたらいいのか分からなくなって涙を流すしかなかった。
「ここで、一生生きていくしかないのかと思い手元に視線を落とした瞬間スマホを握っているのを思い出した。
もしかしたら電波が届くかもしれないとスマホの電源を入れた。
「あ、電波が…」
不安定ながら電波があった。これで助けが呼べる!僕は、急いで友人の電話番号を呼びだし鳴らした。
「頼む、出てくれ!」
1人目は、何度コールしても出なかった。その後、何人に電話しても誰1人出ることはなかった。
もう泣きそうで最後の1人にコールした。やはり出なくて諦めようとスマホを耳から外し切ろうとした瞬間かすかに反応音があった。
「もしもし?」
聞き間違いじゃない!僕は急いでスマホを耳にあてた。

「も、もしもし!孝?俺だよ!俺」
「何だ~お前かよ。今、夜中だぞ。」
電話の向こうの孝は眠そうな声をしていた。確かに夜中だが、僕は嬉しすぎて泣いていた。
「何だよ、もしかして泣いてるのか?」
「ごめん、嬉しくて。」
「何なんだよ、面倒くさいな。」
そうだ感激して泣いてる場合じゃない。今の現状を話して助けに来てもらわないと。
「用がないなら切るぞ」
電話の向こうの声は少し苛立っていたので、僕は慌てて状況を話し始めた。
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