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【第2章】 華麗なる社交界デビューと、愚か者たちへの断罪
第25話 小さな命の予兆と、凍りつくお腹!?
その異変に気づいたのは、ある晴れた日の朝食の席でのことだった。
「……うっ」
「エリス? どうした、顔色が悪いぞ」
私がカトラリーを置くと、向かいに座っていたジークハルト様がすぐに反応し、心配そうに覗き込んできた。
ここ数日、なんとなく体がだるい。
微熱があるような、それでいて体の芯が冷えるような、奇妙な感覚が続いていた。
「申し訳ありません。少し、食欲がなくて……」
「無理をして食べることはない。ハンス、温かいスープを」
「かしこまりました」
ハンスさんがすぐに、湯気の立つコンソメスープを私の前に置いてくれた。
野菜の甘い香りが漂う。いつもなら大好物のはずなのに、今日はなぜかその温かさが「異物」のように感じられた。
(……変ね。寒いわけじゃないのに)
私は震える手でスプーンを手に取り、スープを一口飲もうとした。
その時だ。
パキパキパキッ――!!
私がスプーンを入れた瞬間、信じられない現象が起きた。
熱々だったはずのスープが、中心から一瞬にして白く凍りつき、カチンコチンに固まってしまったのだ。
「え……?」
「なっ!?」
驚いたのは私だけではない。
ハンスさんも目を丸くし、ジークハルト様に至っては席を立って私に駆け寄ってきた。
「エリス、離れろ!」
「ジ、ジークハルト様……これ……」
「私の魔力暴走か? いや、私の魔力は今、完全に制御できているはずだ」
彼は困惑しながら周囲を見渡すが、部屋の他のものは凍っていない。
凍ったのは、私が触れようとしたスープだけ。
そして何より――。
「……冷たい」
私は自分の下腹部に手を当てた。
ドレスの上からでも分かる。私のお腹のあたりから、強烈な冷気が渦巻いているのが。
まるで、お腹の中に小さな氷山ができたかのような冷たさだった。
「ハンス! すぐに医師を呼べ! エリスの様子がおかしい!」
「はっ、ただちに!」
ジークハルト様は私を横抱きにすると、大急ぎで寝室へと運んだ。
彼の腕の中でも、私はガチガチと歯を鳴らしていた。
寒い。自分の体が、内側から凍っていくようで怖い。
(私、どうなっちゃうの……?)
◇
十分後。公爵家専属の老医師が駆けつけ、青ざめた顔で私の診察を行った。
聴診器を当て、脈を取り、そして恐る恐る私のお腹に手を触れる。
「ひっ……!」
医師は短く悲鳴を上げ、慌てて手を引っ込めた。
その指先には、うっすらと霜が降りていた。
「先生! 妻はどうなったんだ! 何かの病気か、それとも呪いか!」
ジークハルト様が医師に詰め寄る。
医師は冷えた手を擦りながら、信じられないといった表情で私とジークハルト様を交互に見た。
「……閣下。これは病気ではありません」
「では何だ!」
「……ご懐妊、でございます」
その言葉に、部屋の空気が止まった。
懐妊。妊娠。
私が、赤ちゃんを?
「……本当か?」
「間違いありません。ですが……これほど強力な魔力を帯びた胎児は、前代未聞です」
医師は深刻な顔で続けた。
「通常、胎児の魔力が発現するのは産まれてからです。しかし、このお子様は……おそらく閣下の強大すぎる『氷の魔力』を色濃く受け継いでいるのでしょう。まだ豆粒ほどの大きさだというのに、既に周囲を凍らせるほどの力を放っています」
「なんだと……」
「奥様が寒気を感じたり、スープが凍ったりしたのはそのせいです。母体である奥様の魔力回路を通じて、お子様の魔力が無意識に放出されているのです」
私は呆然と自分のお腹を見つめた。
ここに、ジークハルト様との子供がいる。
けれど、その子はあまりに力が強すぎて、母親である私を内側から凍らせようとしているのだ。
「……危険なのか?」
ジークハルト様の声が震えていた。
彼は医師の胸ぐらを掴まんばかりの勢いで迫った。
「このままでは、エリスの体はどうなる!」
「……申し上げにくいのですが。胎児の魔力が成長とともに増大すれば、母体である奥様の体が耐えきれず、最悪の場合は……全身が凍りつき、命を落とす危険性があります」
最悪の宣告だった。
ジークハルト様の顔から血の気が失せた。
彼はよろめくように後退り、壁に手をついた。
「やはり、叔父上の言った通りか……。私の血は、呪われているのか」
「ジークハルト様……」
「エリス」
彼は悲痛な面持ちで私のベッドの脇に座り込み、私の手を握りしめた。
その手は、私のお腹よりも冷たかった。
「……諦めよう」
「え?」
「この子は、諦めるんだ。お前の命には代えられない」
「!」
「私はお前を失いたくない! 子供などいなくてもいい、お前が生きていてくれるなら、それだけでいいんだ……!」
彼の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。
それは、私を愛しているからこその決断。
かつて孤独だった彼にとって、ようやく手に入れた「光」である私を失うことは、死ぬよりも恐ろしいことなのだ。
けれど。
私は彼の手を握り返し、首を横に振った。
「……嫌です」
「エリス! わがままを言うな、命に関わるんだぞ!」
「大丈夫です。……忘れたのですか? 私は、あなたの氷を溶かせる女ですよ?」
私は深呼吸をした。
意識を集中させる。
私の中に眠る「魔力中和」の力。あの時、暴走したジークハルト様を鎮めた温かい光をイメージする。
(大丈夫。怖くないよ。……ママはここにいるからね)
お腹の中にいる小さな命に語りかけるように、私はそっと手を当てた。
――カッ。
私の掌から、淡い金色の光が溢れ出した。
その光は、ドレスを透過して体内へと染み込んでいく。
すると、どうだろう。
今まで嵐のように吹き荒れていたお腹の中の冷気が、スーッと凪(な)いでいくのが分かった。
キンキンに冷えていたお腹が、じんわりと温かさを取り戻していく。
「……な……?」
医師が目を剥いた。
ジークハルト様も、信じられないものを見る目で私を見つめている。
「魔力が、中和された……? 胎児の暴走が、収まりましたぞ!」
「すごい……。お前、自分の魔力で子供を制御したのか?」
「ふふ、制御というより……『よしよし』って撫でてあげた感じです」
私は汗を拭いながら、微笑んで見せた。
「この子は、あなたの子供ですもの。きっと力が強すぎて、どうしていいか分からなくて暴れていただけなんです。……こうして包んであげれば、ちゃんと良い子にしてくれます」
私がジークハルト様の手を取り、私のお腹へと導く。
恐る恐る触れた彼の手のひらに伝わるのは、もう冷たい氷ではない。
人肌の温もりと、そして――トクン、トクンという、小さくも力強い命の鼓動だった。
「……温かい」
「はい」
「ここに、私たちの子供がいるのか……」
ジークハルト様は、崩れ落ちるように私のお腹に顔を埋めた。
彼の肩が震えている。
すすり泣く声が聞こえた。
「ありがとう、エリス。……ありがとう。私ごときが、父親になることを許してくれて」
「私こそ。……こんなに可愛い氷の赤ちゃんをくれて、ありがとうございます」
私たちは抱き合って泣いた。
医師も、ハンスさんも、目尻を拭っている。
もちろん、これで安心したわけではない。
お腹の子が成長すれば、魔力はもっと強くなるだろう。私は十ヶ月間、常にこの子の魔力を中和し続けなければならない。それは文字通り、命がけの戦いだ。
でも、怖くはなかった。
私には、世界最強の旦那様がついているのだから。
「ハンス、国中の書物を集めろ! 魔力制御に関するありとあらゆる文献だ!」
「栄養価の高い食材も買い占めます! 北の屋敷からも魔道具を取り寄せましょう!」
さっそく大騒ぎを始める男性陣を見ながら、私はお腹を優しく撫でた。
(パパたちは大騒ぎね。……元気に生まれてくるのよ、私の愛しい赤ちゃん)
こうして、公爵家の跡継ぎ騒動は、予想外の形で「確定」することとなった。
次に待ち受けるのは、私のつわり(魔力酔い)との戦いと、この事実を知った親族たちの反応だ。0.
「……うっ」
「エリス? どうした、顔色が悪いぞ」
私がカトラリーを置くと、向かいに座っていたジークハルト様がすぐに反応し、心配そうに覗き込んできた。
ここ数日、なんとなく体がだるい。
微熱があるような、それでいて体の芯が冷えるような、奇妙な感覚が続いていた。
「申し訳ありません。少し、食欲がなくて……」
「無理をして食べることはない。ハンス、温かいスープを」
「かしこまりました」
ハンスさんがすぐに、湯気の立つコンソメスープを私の前に置いてくれた。
野菜の甘い香りが漂う。いつもなら大好物のはずなのに、今日はなぜかその温かさが「異物」のように感じられた。
(……変ね。寒いわけじゃないのに)
私は震える手でスプーンを手に取り、スープを一口飲もうとした。
その時だ。
パキパキパキッ――!!
私がスプーンを入れた瞬間、信じられない現象が起きた。
熱々だったはずのスープが、中心から一瞬にして白く凍りつき、カチンコチンに固まってしまったのだ。
「え……?」
「なっ!?」
驚いたのは私だけではない。
ハンスさんも目を丸くし、ジークハルト様に至っては席を立って私に駆け寄ってきた。
「エリス、離れろ!」
「ジ、ジークハルト様……これ……」
「私の魔力暴走か? いや、私の魔力は今、完全に制御できているはずだ」
彼は困惑しながら周囲を見渡すが、部屋の他のものは凍っていない。
凍ったのは、私が触れようとしたスープだけ。
そして何より――。
「……冷たい」
私は自分の下腹部に手を当てた。
ドレスの上からでも分かる。私のお腹のあたりから、強烈な冷気が渦巻いているのが。
まるで、お腹の中に小さな氷山ができたかのような冷たさだった。
「ハンス! すぐに医師を呼べ! エリスの様子がおかしい!」
「はっ、ただちに!」
ジークハルト様は私を横抱きにすると、大急ぎで寝室へと運んだ。
彼の腕の中でも、私はガチガチと歯を鳴らしていた。
寒い。自分の体が、内側から凍っていくようで怖い。
(私、どうなっちゃうの……?)
◇
十分後。公爵家専属の老医師が駆けつけ、青ざめた顔で私の診察を行った。
聴診器を当て、脈を取り、そして恐る恐る私のお腹に手を触れる。
「ひっ……!」
医師は短く悲鳴を上げ、慌てて手を引っ込めた。
その指先には、うっすらと霜が降りていた。
「先生! 妻はどうなったんだ! 何かの病気か、それとも呪いか!」
ジークハルト様が医師に詰め寄る。
医師は冷えた手を擦りながら、信じられないといった表情で私とジークハルト様を交互に見た。
「……閣下。これは病気ではありません」
「では何だ!」
「……ご懐妊、でございます」
その言葉に、部屋の空気が止まった。
懐妊。妊娠。
私が、赤ちゃんを?
「……本当か?」
「間違いありません。ですが……これほど強力な魔力を帯びた胎児は、前代未聞です」
医師は深刻な顔で続けた。
「通常、胎児の魔力が発現するのは産まれてからです。しかし、このお子様は……おそらく閣下の強大すぎる『氷の魔力』を色濃く受け継いでいるのでしょう。まだ豆粒ほどの大きさだというのに、既に周囲を凍らせるほどの力を放っています」
「なんだと……」
「奥様が寒気を感じたり、スープが凍ったりしたのはそのせいです。母体である奥様の魔力回路を通じて、お子様の魔力が無意識に放出されているのです」
私は呆然と自分のお腹を見つめた。
ここに、ジークハルト様との子供がいる。
けれど、その子はあまりに力が強すぎて、母親である私を内側から凍らせようとしているのだ。
「……危険なのか?」
ジークハルト様の声が震えていた。
彼は医師の胸ぐらを掴まんばかりの勢いで迫った。
「このままでは、エリスの体はどうなる!」
「……申し上げにくいのですが。胎児の魔力が成長とともに増大すれば、母体である奥様の体が耐えきれず、最悪の場合は……全身が凍りつき、命を落とす危険性があります」
最悪の宣告だった。
ジークハルト様の顔から血の気が失せた。
彼はよろめくように後退り、壁に手をついた。
「やはり、叔父上の言った通りか……。私の血は、呪われているのか」
「ジークハルト様……」
「エリス」
彼は悲痛な面持ちで私のベッドの脇に座り込み、私の手を握りしめた。
その手は、私のお腹よりも冷たかった。
「……諦めよう」
「え?」
「この子は、諦めるんだ。お前の命には代えられない」
「!」
「私はお前を失いたくない! 子供などいなくてもいい、お前が生きていてくれるなら、それだけでいいんだ……!」
彼の瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちた。
それは、私を愛しているからこその決断。
かつて孤独だった彼にとって、ようやく手に入れた「光」である私を失うことは、死ぬよりも恐ろしいことなのだ。
けれど。
私は彼の手を握り返し、首を横に振った。
「……嫌です」
「エリス! わがままを言うな、命に関わるんだぞ!」
「大丈夫です。……忘れたのですか? 私は、あなたの氷を溶かせる女ですよ?」
私は深呼吸をした。
意識を集中させる。
私の中に眠る「魔力中和」の力。あの時、暴走したジークハルト様を鎮めた温かい光をイメージする。
(大丈夫。怖くないよ。……ママはここにいるからね)
お腹の中にいる小さな命に語りかけるように、私はそっと手を当てた。
――カッ。
私の掌から、淡い金色の光が溢れ出した。
その光は、ドレスを透過して体内へと染み込んでいく。
すると、どうだろう。
今まで嵐のように吹き荒れていたお腹の中の冷気が、スーッと凪(な)いでいくのが分かった。
キンキンに冷えていたお腹が、じんわりと温かさを取り戻していく。
「……な……?」
医師が目を剥いた。
ジークハルト様も、信じられないものを見る目で私を見つめている。
「魔力が、中和された……? 胎児の暴走が、収まりましたぞ!」
「すごい……。お前、自分の魔力で子供を制御したのか?」
「ふふ、制御というより……『よしよし』って撫でてあげた感じです」
私は汗を拭いながら、微笑んで見せた。
「この子は、あなたの子供ですもの。きっと力が強すぎて、どうしていいか分からなくて暴れていただけなんです。……こうして包んであげれば、ちゃんと良い子にしてくれます」
私がジークハルト様の手を取り、私のお腹へと導く。
恐る恐る触れた彼の手のひらに伝わるのは、もう冷たい氷ではない。
人肌の温もりと、そして――トクン、トクンという、小さくも力強い命の鼓動だった。
「……温かい」
「はい」
「ここに、私たちの子供がいるのか……」
ジークハルト様は、崩れ落ちるように私のお腹に顔を埋めた。
彼の肩が震えている。
すすり泣く声が聞こえた。
「ありがとう、エリス。……ありがとう。私ごときが、父親になることを許してくれて」
「私こそ。……こんなに可愛い氷の赤ちゃんをくれて、ありがとうございます」
私たちは抱き合って泣いた。
医師も、ハンスさんも、目尻を拭っている。
もちろん、これで安心したわけではない。
お腹の子が成長すれば、魔力はもっと強くなるだろう。私は十ヶ月間、常にこの子の魔力を中和し続けなければならない。それは文字通り、命がけの戦いだ。
でも、怖くはなかった。
私には、世界最強の旦那様がついているのだから。
「ハンス、国中の書物を集めろ! 魔力制御に関するありとあらゆる文献だ!」
「栄養価の高い食材も買い占めます! 北の屋敷からも魔道具を取り寄せましょう!」
さっそく大騒ぎを始める男性陣を見ながら、私はお腹を優しく撫でた。
(パパたちは大騒ぎね。……元気に生まれてくるのよ、私の愛しい赤ちゃん)
こうして、公爵家の跡継ぎ騒動は、予想外の形で「確定」することとなった。
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