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【第3章】 氷の公爵家の奇跡、そして永遠の春へ
第26話 親族会の驚愕と、鉄壁の守護体制
妊娠が判明してから、公爵家――特に王都の別邸は、ある種異常なほどの厳戒態勢に入っていた。
「奥様! いけません、ご自身で歩かれるなど!」
「階段は危険です! リフトを用意しますから!」
「お飲み物の温度は摂氏60度に調整しました。猫舌の奥様でも安心です!」
私が一歩動こうとするだけで、メイドたちが雪崩(なだれ)のように押し寄せてくるのだ。
ハンスさんは「妊婦にストレスは厳禁」をスローガンに掲げ、屋敷中の床に最高級の絨毯を二重に敷かせ、角という角にクッション材を巻き付けてしまった。
「……あの、皆様。少し過保護すぎませんか?」
「何を言う、エリス。まだ足りないくらいだ」
私が苦笑すると、背後からジークハルト様が現れ、当然のように私を横抱きにした。
「ジ、ジークハルト様! 歩けますってば!」
「ならん。医者が言っただろう。胎児の魔力制御のために、お前は常に魔力を使っている状態なのだ。体力温存が最優先だ」
「それはそうですけど、トイレくらい一人で行かせてください……」
彼は真顔で「私が扉の前で見張っている」と言い張り、本当に連れて行ってしまう。
氷の公爵様は、完全に「心配性のパパ」へと変貌を遂げていた。
お腹の中の赤ちゃん(通称:氷の豆粒ちゃん)は、私の魔力中和のおかげですやすやと眠っているけれど、パパの過保護な魔力まで感じ取っているのか、時折ポコッと反応するのがおかしかった。
そんな、騒がしくも幸せな「守護体制」が敷かれていたある日。
招かれざる客たちが、再び屋敷を訪れた。
◇
「ジークハルト! いるのは分かっているぞ!」
応接間に怒鳴り込んできたのは、先日追い返した叔父のヴィルヘルムと、親族会の面々だった。
彼らは鼻息荒く、契約書のような書類を束にして持参していた。
「今日は逃がさんぞ。親族会での決定事項だ。我が孫を養子にする件、今すぐサインしろ!」
「……相変わらず声が大きいな、叔父上。胎教に悪い」
ジークハルト様はソファに深く腰掛け、不機嫌そうに紅茶を啜(すす)った。
私は彼の隣に座っていたが、ジークハルト様が片腕でしっかりと私をガードし、さらに私の膝には分厚い毛布がかけられている。
「ふん、またその女か」
ヴィルヘルムは私を睨みつけた。
「おい小娘。お前も少しは公爵家のことを考えたらどうだ? 自分が子供を産めない体だと分かっているなら、身を引くのが妻の務めだろう」
「……」
「お前のわがままでジークハルトの血を絶やすつもりか? この穀潰しめ!」
言いたい放題だ。
以前の私なら、悔しさで俯いていただろう。
けれど、今は違う。私のお腹には、確かに新しい命が息づいている。
私は毛布の下で、そっとお腹に手を当てた。
「……叔父上。言葉を慎んでいただこうか」
ジークハルト様がカップを置き、静かに告げた。
その声には、絶対零度の冷気が宿っていた。
「エリスは穀潰しではない。……次期公爵の母だ」
一瞬、その場が静まり返った。
ヴィルヘルムは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、それから引きつった笑みを浮かべた。
「は……? な、何を言っている? 次期公爵の母だと?」
「言葉通りの意味だ。エリスは懐妊した。私の子供をな」
ジークハルト様の宣言に、親族たちは顔を見合わせ、やがて爆笑した。
「ははは! 何を言い出すかと思えば! 狂ったか、ジークハルト!」
「嘘に決まっている! お前の魔力に耐えられる女などいるものか!」
「そうだ! どうせ、養子の話を断るための浅はかな嘘だろう!」
彼らは信じようとしなかった。
いや、信じたくなかったのだ。自分たちの野望が潰えることを。
「嘘ではありません」
私は静かに立ち上がった。
ジークハルト様が止めようとしたが、私はそれを手で制して、ヴィルヘルムの前に進み出た。
「ここにおります。……私と、ジークハルト様の愛の結晶が」
私が毛布を退け、お腹に手を当てると、親族たちの視線が集中した。
まだ目立つほど膨らんではいない。けれど、見る目がある者なら分かるはずだ。
私のお腹の周りに漂う、尋常ではない魔力の気配に。
ピキッ、パキッ……。
私の感情に呼応してか、お腹の子が少し魔力を放出し、足元の絨毯が白く凍りついた。
「ヒッ……!?」
「な、なんだこの冷気は!?」
「こ、子供がいるのか……本当に!?」
ヴィルヘルムが後退(あとずさ)りする。
動かぬ証拠を目の当たりにして、彼らの顔から笑みが消え、代わりにどす黒い感情が浮かび上がった。
「……化物だ」
ヴィルヘルムが吐き捨てるように言った。
「そんな魔力を放つ胎児など、人間ではない! 化物だ!」
「なんだと……?」
「産まれてみろ! 屋敷ごと氷漬けにして、母親も殺すに決まっている! そんな呪われた子供、今すぐ堕ろせ!」
許さない。
私を侮辱するのは構わない。けれど、この子を――私たちが待ち望んだ奇跡を、「化物」呼ばわりすることだけは、絶対に許さない。
ブワッ!!
ジークハルト様が立ち上がると同時に、部屋中の窓ガラスがガシャンと音を立ててヒビ割れた。
彼の怒りが頂点に達し、制御できないほどの冷気が嵐のように吹き荒れる。
「……貴様ら。生きて帰れると思うなよ」
ジークハルト様の目が、完全に据わっていた。
親族たちは腰を抜かし、悲鳴を上げることさえ忘れて震え上がった。
彼が手を振り上げ、氷の槍を作り出そうとした、その時。
「待ってください、ジークハルト様」
私が彼の手を掴んだ。
カッ――。
私の手から溢れた金色の光が、彼の冷たい怒りを包み込み、溶かしていく。
「エリス……止めないでくれ。こいつらは、我が子を……!」
「ええ、怒りはごもっともです。でも、こんな人たちのために、あなたが手を汚す必要はありません」
私は彼を見上げ、にっこりと微笑んだ。
それから、凍りついたまま動けないヴィルヘルムたちに向き直った。
「叔父様。この子は化物ではありません。……とても元気で、力持ちなだけです」
「な、何を……」
「見ていらっしゃらないのですか? 私がこうして触れていれば、この子の氷は制御できます。私が母親である限り、誰にも迷惑はかけません」
私はお腹を撫でながら、毅然と言い放った。
「それに、この子はジークハルト様のご子息です。公爵家の正統な後継者です。……それを『堕ろせ』と仰るなら、それは公爵家への反逆、ひいては、この国の法への冒涜(ぼうとく)と受け取りますが?」
私の言葉に、ハンスさんがすかさず補足する。
「左様でございますね。公爵家の直系男子の殺害教唆(きょうさ)。……法によれば、爵位剥奪および国外追放に相当する重罪です」
「なっ……!?」
ヴィルヘルムの顔色が土色になった。
養子を押し込んで権力を握るつもりが、逆に自分たちの首を絞めることになってしまったのだ。
「さあ、お引き取りください。……二度と私たちの前に顔を見せないと誓うなら、今の暴言は聞かなかったことにして差し上げます」
私が扉を指差すと、彼らはもはや反論する気力もなく、蜘蛛の子を散らすように逃げ出して行った。
廊下の向こうから、「覚えていろ!」「悪魔の夫婦め!」という負け惜しみだけが虚しく響いてくる。
嵐が去った部屋で、ジークハルト様がふぅと息を吐き、私を強く抱きしめた。
「……完敗だ、エリス」
「え?」
「私が出るまでもなかった。……お前は、私が守らなければならないか弱い存在だと思っていたが、いつの間にか、私よりも強くなっていたな」
彼は私の頭に顎を乗せ、お腹に手を添えた。
「母は強し、ということか」
「ふふ、そうかもしれません。……この子を守るためなら、私、鬼にだってなれますから」
私たちが笑い合うと、お腹の中の赤ちゃんが「ポコッ」と動いた。
まるで、「ママ、かっこよかった!」と褒めてくれているように。
こうして、親族たちの干渉は完全に排除された。
私たちは最強の夫婦として、そして親として、この子の誕生を心待ちにする日々へと戻っていった。
しかし、平和な日々も束の間。
出産予定日が近づくにつれ、私の体には、医師の予想を超える負担がかかり始めていた。
奇跡の代償。それは、確実に私の命を削っていたのだ。
「奥様! いけません、ご自身で歩かれるなど!」
「階段は危険です! リフトを用意しますから!」
「お飲み物の温度は摂氏60度に調整しました。猫舌の奥様でも安心です!」
私が一歩動こうとするだけで、メイドたちが雪崩(なだれ)のように押し寄せてくるのだ。
ハンスさんは「妊婦にストレスは厳禁」をスローガンに掲げ、屋敷中の床に最高級の絨毯を二重に敷かせ、角という角にクッション材を巻き付けてしまった。
「……あの、皆様。少し過保護すぎませんか?」
「何を言う、エリス。まだ足りないくらいだ」
私が苦笑すると、背後からジークハルト様が現れ、当然のように私を横抱きにした。
「ジ、ジークハルト様! 歩けますってば!」
「ならん。医者が言っただろう。胎児の魔力制御のために、お前は常に魔力を使っている状態なのだ。体力温存が最優先だ」
「それはそうですけど、トイレくらい一人で行かせてください……」
彼は真顔で「私が扉の前で見張っている」と言い張り、本当に連れて行ってしまう。
氷の公爵様は、完全に「心配性のパパ」へと変貌を遂げていた。
お腹の中の赤ちゃん(通称:氷の豆粒ちゃん)は、私の魔力中和のおかげですやすやと眠っているけれど、パパの過保護な魔力まで感じ取っているのか、時折ポコッと反応するのがおかしかった。
そんな、騒がしくも幸せな「守護体制」が敷かれていたある日。
招かれざる客たちが、再び屋敷を訪れた。
◇
「ジークハルト! いるのは分かっているぞ!」
応接間に怒鳴り込んできたのは、先日追い返した叔父のヴィルヘルムと、親族会の面々だった。
彼らは鼻息荒く、契約書のような書類を束にして持参していた。
「今日は逃がさんぞ。親族会での決定事項だ。我が孫を養子にする件、今すぐサインしろ!」
「……相変わらず声が大きいな、叔父上。胎教に悪い」
ジークハルト様はソファに深く腰掛け、不機嫌そうに紅茶を啜(すす)った。
私は彼の隣に座っていたが、ジークハルト様が片腕でしっかりと私をガードし、さらに私の膝には分厚い毛布がかけられている。
「ふん、またその女か」
ヴィルヘルムは私を睨みつけた。
「おい小娘。お前も少しは公爵家のことを考えたらどうだ? 自分が子供を産めない体だと分かっているなら、身を引くのが妻の務めだろう」
「……」
「お前のわがままでジークハルトの血を絶やすつもりか? この穀潰しめ!」
言いたい放題だ。
以前の私なら、悔しさで俯いていただろう。
けれど、今は違う。私のお腹には、確かに新しい命が息づいている。
私は毛布の下で、そっとお腹に手を当てた。
「……叔父上。言葉を慎んでいただこうか」
ジークハルト様がカップを置き、静かに告げた。
その声には、絶対零度の冷気が宿っていた。
「エリスは穀潰しではない。……次期公爵の母だ」
一瞬、その場が静まり返った。
ヴィルヘルムは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、それから引きつった笑みを浮かべた。
「は……? な、何を言っている? 次期公爵の母だと?」
「言葉通りの意味だ。エリスは懐妊した。私の子供をな」
ジークハルト様の宣言に、親族たちは顔を見合わせ、やがて爆笑した。
「ははは! 何を言い出すかと思えば! 狂ったか、ジークハルト!」
「嘘に決まっている! お前の魔力に耐えられる女などいるものか!」
「そうだ! どうせ、養子の話を断るための浅はかな嘘だろう!」
彼らは信じようとしなかった。
いや、信じたくなかったのだ。自分たちの野望が潰えることを。
「嘘ではありません」
私は静かに立ち上がった。
ジークハルト様が止めようとしたが、私はそれを手で制して、ヴィルヘルムの前に進み出た。
「ここにおります。……私と、ジークハルト様の愛の結晶が」
私が毛布を退け、お腹に手を当てると、親族たちの視線が集中した。
まだ目立つほど膨らんではいない。けれど、見る目がある者なら分かるはずだ。
私のお腹の周りに漂う、尋常ではない魔力の気配に。
ピキッ、パキッ……。
私の感情に呼応してか、お腹の子が少し魔力を放出し、足元の絨毯が白く凍りついた。
「ヒッ……!?」
「な、なんだこの冷気は!?」
「こ、子供がいるのか……本当に!?」
ヴィルヘルムが後退(あとずさ)りする。
動かぬ証拠を目の当たりにして、彼らの顔から笑みが消え、代わりにどす黒い感情が浮かび上がった。
「……化物だ」
ヴィルヘルムが吐き捨てるように言った。
「そんな魔力を放つ胎児など、人間ではない! 化物だ!」
「なんだと……?」
「産まれてみろ! 屋敷ごと氷漬けにして、母親も殺すに決まっている! そんな呪われた子供、今すぐ堕ろせ!」
許さない。
私を侮辱するのは構わない。けれど、この子を――私たちが待ち望んだ奇跡を、「化物」呼ばわりすることだけは、絶対に許さない。
ブワッ!!
ジークハルト様が立ち上がると同時に、部屋中の窓ガラスがガシャンと音を立ててヒビ割れた。
彼の怒りが頂点に達し、制御できないほどの冷気が嵐のように吹き荒れる。
「……貴様ら。生きて帰れると思うなよ」
ジークハルト様の目が、完全に据わっていた。
親族たちは腰を抜かし、悲鳴を上げることさえ忘れて震え上がった。
彼が手を振り上げ、氷の槍を作り出そうとした、その時。
「待ってください、ジークハルト様」
私が彼の手を掴んだ。
カッ――。
私の手から溢れた金色の光が、彼の冷たい怒りを包み込み、溶かしていく。
「エリス……止めないでくれ。こいつらは、我が子を……!」
「ええ、怒りはごもっともです。でも、こんな人たちのために、あなたが手を汚す必要はありません」
私は彼を見上げ、にっこりと微笑んだ。
それから、凍りついたまま動けないヴィルヘルムたちに向き直った。
「叔父様。この子は化物ではありません。……とても元気で、力持ちなだけです」
「な、何を……」
「見ていらっしゃらないのですか? 私がこうして触れていれば、この子の氷は制御できます。私が母親である限り、誰にも迷惑はかけません」
私はお腹を撫でながら、毅然と言い放った。
「それに、この子はジークハルト様のご子息です。公爵家の正統な後継者です。……それを『堕ろせ』と仰るなら、それは公爵家への反逆、ひいては、この国の法への冒涜(ぼうとく)と受け取りますが?」
私の言葉に、ハンスさんがすかさず補足する。
「左様でございますね。公爵家の直系男子の殺害教唆(きょうさ)。……法によれば、爵位剥奪および国外追放に相当する重罪です」
「なっ……!?」
ヴィルヘルムの顔色が土色になった。
養子を押し込んで権力を握るつもりが、逆に自分たちの首を絞めることになってしまったのだ。
「さあ、お引き取りください。……二度と私たちの前に顔を見せないと誓うなら、今の暴言は聞かなかったことにして差し上げます」
私が扉を指差すと、彼らはもはや反論する気力もなく、蜘蛛の子を散らすように逃げ出して行った。
廊下の向こうから、「覚えていろ!」「悪魔の夫婦め!」という負け惜しみだけが虚しく響いてくる。
嵐が去った部屋で、ジークハルト様がふぅと息を吐き、私を強く抱きしめた。
「……完敗だ、エリス」
「え?」
「私が出るまでもなかった。……お前は、私が守らなければならないか弱い存在だと思っていたが、いつの間にか、私よりも強くなっていたな」
彼は私の頭に顎を乗せ、お腹に手を添えた。
「母は強し、ということか」
「ふふ、そうかもしれません。……この子を守るためなら、私、鬼にだってなれますから」
私たちが笑い合うと、お腹の中の赤ちゃんが「ポコッ」と動いた。
まるで、「ママ、かっこよかった!」と褒めてくれているように。
こうして、親族たちの干渉は完全に排除された。
私たちは最強の夫婦として、そして親として、この子の誕生を心待ちにする日々へと戻っていった。
しかし、平和な日々も束の間。
出産予定日が近づくにつれ、私の体には、医師の予想を超える負担がかかり始めていた。
奇跡の代償。それは、確実に私の命を削っていたのだ。
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