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第一章 はじめてをドワーフさんと
2-1 歩いていたらドワーフさんに出会った(エロなし)
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適当に歩いて三日が過ぎた。
歩いても歩いても、本当に何もないのには困った。
そんな中でも、適当にその辺に生えている果物を食べて、川の水を飲みながら進んでいく。
いくら歩いても何か変わり映えもなく、心が折れそうである。
見たことのない赤い木の実や青い木の実を見つけてそのたびに口に運ぶ。案外どれも甘くておいしかった。だが見たことのないモノばかりで、やはり異世界なのではないか、という確信が深まっていく。
いろいろなことを考えながら、行く当てもなく進んでいく。
幸いこの体はとても丈夫らしい。
草や木の枝に引っ掛けて肌を切るという事もないし、夜になっても寒さを全く感じないのは助かった。
全裸で心もとないが、それで困ることは現状ない。ただ、歩き続ける日々が続いた。
そうして歩いているときに池を見つけた。きれいな池で、水面に自分の顔が映ったので容姿を確認をすることができた。
今のボクは頭に角が生えた銀髪の美少女だった。ファンタジーなフィクションでは竜人といわれる種族だろうか。
とても美少女で見ていて少しだけ楽しくなってくる。
まあ、このまま誰とも会わないと、この綺麗な外見も自分で鑑賞して楽しむ程度しか使い道がないのだが。
特に目立つこともなく歩き続けて三日後。
森を抜けてひらけたところに出たときに、ようやく人に出会った。
髭もじゃで筋肉質だが、身長の低いおじさんだ。
ファンタジー的にはドワーフといわれそうな外見である。
「こんにちは」
ボクの今の姿は全裸痴女だが、それを気にせずに挨拶をして声をかけることにした。
正直このまま彷徨っていても何も起きそうにないのだ。
食生活には困っていないが、野生の中で野宿しながら木の実を食べながら暮らすのは、文明を知っているボクとしては少しつらすぎた。
ドワーフさん(仮)は服を着ているので、この世界では全裸がデフォルト、という事もないだろう。
全裸美少女に彼がどう対応するかは未知数であり、さらわれたりひどい目にあう可能性もあったが、孤独に耐えきれず意を決して声をかけたのだ。
「こんにちは。ドラゴニアかい。こんなところでどうしたんだい?」
幸い言葉は通じるようだし、挨拶も友好的だった。
目線が少しボクの体を彷徨っているのは、まあご愛敬だと思った方がいいだろう。
ボクが前世だったらもっとガン見している。チラ見ぐらいなあたり紳士的だと思った方がいいだろう。
しかし、気になる単語が出た。
「ドラゴニア?」
「自分の種族もわからないの?」
「実は記憶があいまいな上、気付いたらここにいたので」
「なるほどね。こんな辺境惑星に送られるなんて、悪趣味な貴族の仕業かねぇ。その割には発信機のたぐいなんかはないみたいだけど」
「ひゃっ!?」
いきなりドワーフさんがほっぺを触ってきて驚く。
何かを探るように掌で触っただけだが……
しかし、辺境の惑星に発信機とくると、中世な異世界、というわけではないようだ。
辺境惑星、なんて単語が出てくるあたり最低でも惑星間を移動できる技術が一般的にあるのだろう。それなら前世よりも科学が発達しているように思う。頬を触るだけで発信機があるかどうかわかるなら、確実にそうだろう。
前世を生かした知識チートなどは難しそうであった。
「ああ、悪い悪い。一部の金持ち連中は、キミみたいな美少女をへき地に送って、そこでひどい目にあうのを見て楽しんだりするのさ。まあ、それならばもっと紛争地域なんかに送るだろうから、ド田舎すぎるだけで平和なこのグリーンアースなんかに送ろうとは思わんだろうがね」
「この星はグリーンアースというのですか」
「そうだよ。平和な方な惑星さ。悪い奴がいないわけではないけどね」
知りたいことが多すぎて、何から聞いていいかわからない。
ここはグリーンアースという星で、辺境の田舎にあるらしい。辺境というのはおそらく星全体のことだろう。
「さて、お嬢さん」
「エルです」
とっさに名を名乗る。前世の男性の名前じゃかっこがつかないだろうと思い、ゲームで使っていたハンドルネームを使うことにした。
これならまあ、不自然さはないだろうと勝手に思うことにした。
「エルちゃんか。俺はトロワだ。よろしくな。それで、辺境惑星にはどこもその星なりのルールがある。この星では取引が重視されている」
「取引?」
「情報でも物でも、対価が必要ってことさ。普通は大体金で解決するんだがね。サンプルに一つだけあげるよ。ゴールドっていうんだ」
そういってドワーフのおじさんがボクに投げ渡してきたのは、小さな金色の硬貨だった。1円玉ぐらいの大きさだ。
これがゴールドだろう。日の光に当たって輝いている。
「1ゴールドでだいたい飯が1回食えるぐらいだな。たいした価値じゃない」
「なるほど」
「で、いろいろ知りたいだろうが、それには対価が必要ってことだ」
「その割にはトロワさんペラペラしゃべりますね」
「大した情報じゃないからな。サービスってことさ。で、どうする?」
「うーん」
残念ながら身一つであり、交換できそうなものは何もない。
トロワさんの目線がボクの体を舐める。
つまりそういう事だろう。
「ボク、前世男だった記憶があるんですが、それでいいなら。あと初めてなので優しくしてください」
「全くかまわないな。じゃあよろしくな」
そういうトロワさんにボクは逆らうことなくついていくのだった。
歩いても歩いても、本当に何もないのには困った。
そんな中でも、適当にその辺に生えている果物を食べて、川の水を飲みながら進んでいく。
いくら歩いても何か変わり映えもなく、心が折れそうである。
見たことのない赤い木の実や青い木の実を見つけてそのたびに口に運ぶ。案外どれも甘くておいしかった。だが見たことのないモノばかりで、やはり異世界なのではないか、という確信が深まっていく。
いろいろなことを考えながら、行く当てもなく進んでいく。
幸いこの体はとても丈夫らしい。
草や木の枝に引っ掛けて肌を切るという事もないし、夜になっても寒さを全く感じないのは助かった。
全裸で心もとないが、それで困ることは現状ない。ただ、歩き続ける日々が続いた。
そうして歩いているときに池を見つけた。きれいな池で、水面に自分の顔が映ったので容姿を確認をすることができた。
今のボクは頭に角が生えた銀髪の美少女だった。ファンタジーなフィクションでは竜人といわれる種族だろうか。
とても美少女で見ていて少しだけ楽しくなってくる。
まあ、このまま誰とも会わないと、この綺麗な外見も自分で鑑賞して楽しむ程度しか使い道がないのだが。
特に目立つこともなく歩き続けて三日後。
森を抜けてひらけたところに出たときに、ようやく人に出会った。
髭もじゃで筋肉質だが、身長の低いおじさんだ。
ファンタジー的にはドワーフといわれそうな外見である。
「こんにちは」
ボクの今の姿は全裸痴女だが、それを気にせずに挨拶をして声をかけることにした。
正直このまま彷徨っていても何も起きそうにないのだ。
食生活には困っていないが、野生の中で野宿しながら木の実を食べながら暮らすのは、文明を知っているボクとしては少しつらすぎた。
ドワーフさん(仮)は服を着ているので、この世界では全裸がデフォルト、という事もないだろう。
全裸美少女に彼がどう対応するかは未知数であり、さらわれたりひどい目にあう可能性もあったが、孤独に耐えきれず意を決して声をかけたのだ。
「こんにちは。ドラゴニアかい。こんなところでどうしたんだい?」
幸い言葉は通じるようだし、挨拶も友好的だった。
目線が少しボクの体を彷徨っているのは、まあご愛敬だと思った方がいいだろう。
ボクが前世だったらもっとガン見している。チラ見ぐらいなあたり紳士的だと思った方がいいだろう。
しかし、気になる単語が出た。
「ドラゴニア?」
「自分の種族もわからないの?」
「実は記憶があいまいな上、気付いたらここにいたので」
「なるほどね。こんな辺境惑星に送られるなんて、悪趣味な貴族の仕業かねぇ。その割には発信機のたぐいなんかはないみたいだけど」
「ひゃっ!?」
いきなりドワーフさんがほっぺを触ってきて驚く。
何かを探るように掌で触っただけだが……
しかし、辺境の惑星に発信機とくると、中世な異世界、というわけではないようだ。
辺境惑星、なんて単語が出てくるあたり最低でも惑星間を移動できる技術が一般的にあるのだろう。それなら前世よりも科学が発達しているように思う。頬を触るだけで発信機があるかどうかわかるなら、確実にそうだろう。
前世を生かした知識チートなどは難しそうであった。
「ああ、悪い悪い。一部の金持ち連中は、キミみたいな美少女をへき地に送って、そこでひどい目にあうのを見て楽しんだりするのさ。まあ、それならばもっと紛争地域なんかに送るだろうから、ド田舎すぎるだけで平和なこのグリーンアースなんかに送ろうとは思わんだろうがね」
「この星はグリーンアースというのですか」
「そうだよ。平和な方な惑星さ。悪い奴がいないわけではないけどね」
知りたいことが多すぎて、何から聞いていいかわからない。
ここはグリーンアースという星で、辺境の田舎にあるらしい。辺境というのはおそらく星全体のことだろう。
「さて、お嬢さん」
「エルです」
とっさに名を名乗る。前世の男性の名前じゃかっこがつかないだろうと思い、ゲームで使っていたハンドルネームを使うことにした。
これならまあ、不自然さはないだろうと勝手に思うことにした。
「エルちゃんか。俺はトロワだ。よろしくな。それで、辺境惑星にはどこもその星なりのルールがある。この星では取引が重視されている」
「取引?」
「情報でも物でも、対価が必要ってことさ。普通は大体金で解決するんだがね。サンプルに一つだけあげるよ。ゴールドっていうんだ」
そういってドワーフのおじさんがボクに投げ渡してきたのは、小さな金色の硬貨だった。1円玉ぐらいの大きさだ。
これがゴールドだろう。日の光に当たって輝いている。
「1ゴールドでだいたい飯が1回食えるぐらいだな。たいした価値じゃない」
「なるほど」
「で、いろいろ知りたいだろうが、それには対価が必要ってことだ」
「その割にはトロワさんペラペラしゃべりますね」
「大した情報じゃないからな。サービスってことさ。で、どうする?」
「うーん」
残念ながら身一つであり、交換できそうなものは何もない。
トロワさんの目線がボクの体を舐める。
つまりそういう事だろう。
「ボク、前世男だった記憶があるんですが、それでいいなら。あと初めてなので優しくしてください」
「全くかまわないな。じゃあよろしくな」
そういうトロワさんにボクは逆らうことなくついていくのだった。
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