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これより洗礼の儀を執り行う

16、キャー!AM様よー!ながら作業に最適よー!

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石盛鯛吉のこんにち突撃鯛ッ!
パーソナリティ 石盛鯛吉   アシスタント 穏宜珈音おんぎかのん

 2時台メールテーマ『フリー』


 石盛「かのんちゃんさ」
 穏宜「ハイ」
 石盛「オレさ、ついに来ちゃったよ。痛風」
 穏宜「エエー!?ワタシもですぅ」
 石盛「エエーっ!?」
 作家「(爆笑)」
 石盛「なんだよお前。なんでお前もなってんだよ。いくつだよお前」
 穏宜「エエー?わたす」
 石盛「わたす(笑)」
 穏宜「(笑)わたすまだ25ですぅ」
 石盛「25だろ?若いじゃんか。酒もそんな呑まないじゃん」
 穏宜「や、そうなんですけどぉ、なんか」
 石盛「もう病院行ったの?」
 穏宜「や、まだ行ってないんですけどぉ」
 石盛「じゃあわかんないんじゃん」
 穏宜「いやあー、でもなんかこの前あのぉ、ビールをぉ、1ケース貰ったんですよぉ」
 石盛「えー?なんで」
 穏宜「あた、当たって」
 石盛「懸賞で?」
 穏宜「はい(笑)ハハハ」
 石盛「何笑ってんだよ(笑)」
 穏宜「だってぇー」
 石盛「へえー、懸賞とか送るんだ」
 穏宜「んふっ(笑)そうです」
 石盛「一応タレントなのに」
 穏宜「そうです(笑)だからあんま言いたくなくて」
 石盛「こっそり送ってこっそり当たってたんだ」
 穏宜「ハイ(笑)」
 石盛「何笑ってんだよ(笑)」
 穏宜「アハァー、だってぇー」
 石盛「そんなとこでこの先の運使っちまったんだ」
 穏宜「ああー。やだぁー(笑)アハハハ」
 石盛「なんだよ(笑)おかしいよ今日。いつもだけど。呑んできたんじゃねえかそれ。ビール」
 穏宜「アアー。だから痛くなっちゃったからぁ、もうそれ以来呑んでないんですよぉ」
 石盛「えー?どう痛いの?やっぱ足の、何?親指の付け根とか」
 穏宜「そうです。なんか呑んだ後ウイーっつって洗い物してたんですね」
 石盛「ウイーっつって(笑)缶ビール片手に」
 穏宜「いや缶ビール置いて(笑)」
 石盛「あ、缶ビール置いて。ワイングラス片手に」
 穏宜「いやワインも置いて(笑)ワインうちおいてないですよ」
 石盛「あー、そっか。ビールサーバー背負って」
 穏宜「サーバー背負ってないっすよ!売り子じゃないっすかあー!」
 石盛「おおツッこんだ」
 作家「(笑)」
 穏宜「甲、子園、の、」
 石盛「ああでも知識が覚束ない」
 作家「(笑)」
 穏宜「でぇ、こう、洗い物♪フフーンてしてたらなんかこう、足の、この親指の付け根が」
 石盛「ああ…」
 穏宜「で、最初外反母趾かなって思ったんスよぉ」
 石盛「思ったんスよ(笑)」
 穏宜「(笑)思ったんス。でもそんな、立ち仕事とかしてないしなあ今日とか思って。普段も」
 石盛「立ち仕事っていうか、仕事が無いもんなお前」
 穏宜「アハハハ(笑)アアー」
 石盛「アアーって(笑)なっさけねえまた。見せてやりてえよこの顔皆さんに。ラジオの前の。なんかトロけたゼラチンみてえな顔してんじゃねえか」
 穏宜「ゼラチンやだー(笑)ぷりんがいいです」
 石盛「どっちも同じだよ!で、どうしたんだよ痛くなって」
 穏宜「で、それでイタタイタタってなってもう熱い、カッカしてきちゃって足の付け根が」
 作家「うわあー…」
 穏宜「で、あービール飲んだからかも、痛風?と思ってすぐにネットで痛風 痛み 対策 みたいに調べて」
 石盛「わあ、もう現代っ子だわ。オレなんかもうイテテってなったら強い酒飲んで痛み飛ばそうとするもん」
 穏宜「エエー!?ダメじゃないですかぁ!」
 石盛「やんねえよ!(笑)」
 穏宜「(笑)」
 石盛「で?そしたら?」
 穏宜「そしたら冷した方がいいってやっぱあったんで、ケーキの、保冷剤?あるじゃないですか。あれを足にこうあてがって、こう…、ヘっ(笑)」
 石盛「へ?へってなんだよ。屁か。おならか」
 穏宜「違いますよぉ。ヘ、ヘアバンドを、こうグルグルって巻いて、押さえてぇ」
 石盛「足に?」
 穏宜「そう」
 石盛「それビロビロんなんなかった?取った時。伸びちゃって」
 穏宜「なった(笑)アハハハ」
 石盛「ダメだこいつ(笑)はい、もうメール」
 穏宜「ハイ(笑)えー、こちら。あっ、今日のメールテーマ、フリーです。なんでもいいんでお待ちしていまーす。えー、
 『先日友達と電車に乗っていたら、』あ、ちょっとこれ、ラジオネーム無い方なんですけど、
 『その子はICカードの』あのこれアレですね、駅の改札にこう、ピッてかざすやつですね」
 石盛「アレな、アレ便利だよな。コンビニとか駅のご飯屋さんとかでも使えて」
 穏宜「そうですねぇ」
 石盛「オイ(笑)流すなよ」
 穏宜「あの、メール続きあるんで(笑)」
 石盛「あ、そっか」
 穏宜「『ICカードのチャージをしていなかったらしく、改札を出ようとしたらゲートがバターン!と閉まってしまい、その時超女の子らしい声でキャッ!!と言ってました』」
 石盛「キャッ!!って(笑)」
 穏宜「キャッ!!って(笑)『普段はそんなこと言わない子なので、ひーちゃんさっきキャッ!っつったやろ、とからかったら、言うてへんし、と言ってました』」
 石盛「へえー。何これ関西の子?ひーちゃんとその友達。嬉しいね、関西でもこの番組聞けるんだ」
 穏宜「あ、『ちなみに私達は関西人ではありません』って」
 石盛「なんだよッ(笑)」


 「ぐふっ。げっほっ!げっへ!」

  ラジオを聴いていた響季が突然、ベッドに横たわったままむせた。

 「どうしたの!?大丈夫っ!?」

  いきなり咳き込み始めた女の子に看護師さんが驚き、

 「だい、だいじょうぶです。ずいまぜん」

  喉を抑えて響季が言う。
  今読まれたメールは、間違いなく響季が先程体験したことだった。
  いきなり電車に乗ることになったので、ICカードをチャージしておらず改札を出る時にゲートが閉まってしまった。
  先日とあったが、メールの文面が進むたびにああ同じようなことを経験する人もいるんだなあと思い、キャッ!!でおや?と思い、関西弁のくだりで確信した。
  その時零児に関西弁でからかわれ、自分も関西弁で返したのだ。

 「ひーちゃん、とか」

  響季が口の中だけで呟く。
  メールを通してのそんなイレギュラーな呼ばれ方。
  普段そんな呼び方しないのに、と咳き込んだのとは違う理由で響季が顔を赤くする。
  ということは、と響季が自分と同じようにベッドに身を横たえている零児を見る。一体いつの間に送ったのか、と。
  だがベッドに空きが出るまで随分時間があった。
  血圧を測り、採血してる間も。
  送れる時間なんていくらでもあったのだ。
  その間にメール呼び込みのアナウンスとメールアドレスの告知があったら、彼女ならすぐにでもブラインドタッチでメールを送れるだろう。

 「…ドキドキさせないでよ」

  ふうぅと深く息をついて、響季は献結が終わるのを待った。

 
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