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アニラジを聴いて笑ってる僕らは、誰かが起こした人身事故のニュースに泣いたりもする。(下り線)
18、職人の街角ショー
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その後柿内君なりにいくつか無難な研究課題を提案してみたのだが、結局はまとまらなかった。
そして、この後はどこに行こうかという話になるが、
「かっきーのパンツでも買いに行こうか」
「え!?」
零児の提案に言われた方は何そのイベントと面食らう。
「いつもお母さんが買うの?」
「いや、自分で…」
「んじゃあ見繕ってやるさね」
そう言いながら、んどっこいしょと零児が立ち上がる。
さねってどこの方言だろうと思いながらも、女の子に下着を選んでもらうだなんて柿内君はなんだかドキドキした。
ドキドキしつつも、末恐ろしい子!と内なるオカマが吠える。
モール内にはジーンズから肌着まで、何でも安く買える服屋が入っていた。しかし、
「お店移動したんだっけ」
「どこだっけか」
ムダに広いモールな上、入れ替わりもそれなりに激しいので何がどこにあるのかわからない。二人が探している店も確かどこかに移転したはずだった。
「フロアガイドみたいのでも見ればわかるか」
現在地などが描かれた案内板か、店の配置がわかる小さな冊子は無いかと柿内君が見回すが、
「私持ってる」
零児が通学バッグの中に手を突っ込み漁る。以前同じようなことがあり、冊子を貰ったはずだ。だが、
「あれ?確か…」
なかなか見つからず、床にバッグを置いて中を覗き込む。柿内君も見てみるが、
「チミチミ、ぐちゃぐちゃではないかね」
「うるさいな」
顎をさすりながら、嫌味なチョビヒゲ紳士のような言い方で言ってくる。
唇を尖らしつつも冗談だとわかっているので零児も軽めにあしらう。
零児の通学バッグの中はフリーペーパーやポーチ、音楽プレーヤー、ミニタオル、ゲーム機、ポケットティッシュなど細々とした物が満載だった。
上から踏みつけでもしたのか、箱がべっこり凹んだ黄色い栄養バランス食もあった。
更に折り畳み傘も。
「ちゃんと傘持ち歩いてるんだな。偉いな」
女子力の高そうなアイテムに柿内君が何の気なしに褒めると、
「この前降るって言ってたから」
「この前?」
ここ最近で雨が降ったのは2週間前ほど前だ。それ以来入れっぱなしということか。
なんだか女子力とは違うもののようだが、と柿内君が考えていると、
「はい」
零児がその折り畳み傘を差し出してくる。
「え?」
「踊っといて。地図見つかるまで」
「おど…、え?」
いきなりなんだと思いつつ、柿内君に戦慄が走る。
まさか、と。
折り畳みとはいえ、傘。
傘、ダンス。まさか。そんな。
ぐるぐると渦巻く思考に反して、手は傘を受け取る。そして、
「Super califragilisticexpialidociousを」
零児はそんな呪文のような長ったらしい言葉を、無駄に良い発音で言ってのけた。
クレープのメニュー並に長ったらしい、けれどモールス信号ではない発音で。
あの不朽の名作ミュージカル映画。
風向きが変わる時、雨傘とともに空から舞い降りる素敵な家庭教師が主人公の。
だが本来あの歌を歌い、踊るのは女性だ。素敵な黒髪の、薔薇色の頬をした家庭教師だ。
ジャキっと、シャフト部分を伸ばすと、
「歌って、もらえるかな」
柿内君は一度は受け取った傘を、零児に差し出しながらそう言った。
興奮に震えそうになる声で。
いや、歌ってではない。傘を差し出したのは踊れという意味も込められていた。
歌って、踊れるかと訊いていた。
くりっとしたアーモンドアイで見上げてくると、零児はそれを受け取り、すっと背筋を伸ばす。
コツ、と傘の先を床に付け、足はかかとを付けて180度近く開いて立つが、
「かっきーのステッキが無いね」
気づいたように言う。
その言葉に彼は、
「エアーでいいさ」
と、口角の上がった顔で言った。楽しそうに、興奮を抑えながら。
一緒に踊れるなら、自分のステッキぐらいどうでもいい。
そして、ショッピングモールの片隅で。
ショーは唐突に始まった。
まだまだせーゆーのたまごちゃん 星乃せーらのKIRAMEKIボイスブログ
最新更新分
基本不定期更新デスという但し書きあり
星乃「えー……、っとですねぇ。またぁ、更新が開いてしまって申し訳ないっす。ぽりぽり。というわけで、まずは………、なんだっけな、やーべえ、ずっとやってなかったから流れ分かんないや(笑)ああそうっ、思い出した。フリートークだ。あのですね、じゃあ今日モールで見た、あの、すごい高校生カップルの話します。えーと………、お買い物にね、言ったんですよ私。ええ、まあ。バイトと養成所以外にももっと行くとこ増やそかなと(笑)で、オサレなショッピングモール様に行ったんですが、そこでこう、やれやれ疲れたにゃーって適当な、椅子とかベンチとかいっぱいあるじゃないですか。あーゆーとこって。そこで休んでたらなんか、いきなりですよ?イーッツ、て声がして。痛いの?誰か肘ガッてぶつけたのかな、痛かったのかなって思ってそっち向いたら、女の子がアレを歌い出したんですよ。あの………、あれ、メリー…、メァリー、あ、今すごい発音良かったけど(笑)メァリー…、なんとかの中で流れる曲。なんだっけ。あれ、有名な曲なんだけど。ちょっとすいません、いまネットで調べますんで」
(カチッ、カチカチ)※マウスクリック音
星乃「…………………………………(無音)」
(ブオーン)※外のバイク音
星乃「んんっ(咳払い)」
(カチカチ)※マウスクリック音
星乃「………………………………………………………………………………………………(無音)ああそうだメリー・ポピンズの、すーぱー…、すーぱーかりふらじら、かりふわ、ん?か・り・ふ・ら・じりすてぃっくすえくすぺりあ、XPERIA?えくすぺりあどーしゃすっていう、長いな(笑)そーゆー歌を歌って踊ってて。♪すぱかじゃファじゃジツえしあやどーしゃっていう、あの、わかりますかね。たぶん皆さん一回は見たことあると思うんですけどこの映画。私は小学校の、もう授業しなくていい時期とかに、三学期の終わりら辺に授業の時間調整みたいな時期に見たんですけど。あれの挿入歌?を制服着た女の子が歌い出して踊りだしたんですよ。傘持って。傘も折り畳みのやつで。そしたらすぐに近くにいた男の子も一緒に踊りだして。えっ?ちょっと何?フラッシュモブとか何かそういうの?みたいな。私とかすごいカメラ探しちゃって。やだ映っちゃうかもって。で、その子たちが、全然、まあ制服なんで高校生とかだと思うですけど、歌とかダンスとかチョー上手くて。一応私とか声優とかそういうのになりたくてまあ、養成所とか通ってるじゃないですか。授業でダンスとかもやるんで。だからなんか…、なんだろって思って正直。なんかすごいなって思って」
そして、この後はどこに行こうかという話になるが、
「かっきーのパンツでも買いに行こうか」
「え!?」
零児の提案に言われた方は何そのイベントと面食らう。
「いつもお母さんが買うの?」
「いや、自分で…」
「んじゃあ見繕ってやるさね」
そう言いながら、んどっこいしょと零児が立ち上がる。
さねってどこの方言だろうと思いながらも、女の子に下着を選んでもらうだなんて柿内君はなんだかドキドキした。
ドキドキしつつも、末恐ろしい子!と内なるオカマが吠える。
モール内にはジーンズから肌着まで、何でも安く買える服屋が入っていた。しかし、
「お店移動したんだっけ」
「どこだっけか」
ムダに広いモールな上、入れ替わりもそれなりに激しいので何がどこにあるのかわからない。二人が探している店も確かどこかに移転したはずだった。
「フロアガイドみたいのでも見ればわかるか」
現在地などが描かれた案内板か、店の配置がわかる小さな冊子は無いかと柿内君が見回すが、
「私持ってる」
零児が通学バッグの中に手を突っ込み漁る。以前同じようなことがあり、冊子を貰ったはずだ。だが、
「あれ?確か…」
なかなか見つからず、床にバッグを置いて中を覗き込む。柿内君も見てみるが、
「チミチミ、ぐちゃぐちゃではないかね」
「うるさいな」
顎をさすりながら、嫌味なチョビヒゲ紳士のような言い方で言ってくる。
唇を尖らしつつも冗談だとわかっているので零児も軽めにあしらう。
零児の通学バッグの中はフリーペーパーやポーチ、音楽プレーヤー、ミニタオル、ゲーム機、ポケットティッシュなど細々とした物が満載だった。
上から踏みつけでもしたのか、箱がべっこり凹んだ黄色い栄養バランス食もあった。
更に折り畳み傘も。
「ちゃんと傘持ち歩いてるんだな。偉いな」
女子力の高そうなアイテムに柿内君が何の気なしに褒めると、
「この前降るって言ってたから」
「この前?」
ここ最近で雨が降ったのは2週間前ほど前だ。それ以来入れっぱなしということか。
なんだか女子力とは違うもののようだが、と柿内君が考えていると、
「はい」
零児がその折り畳み傘を差し出してくる。
「え?」
「踊っといて。地図見つかるまで」
「おど…、え?」
いきなりなんだと思いつつ、柿内君に戦慄が走る。
まさか、と。
折り畳みとはいえ、傘。
傘、ダンス。まさか。そんな。
ぐるぐると渦巻く思考に反して、手は傘を受け取る。そして、
「Super califragilisticexpialidociousを」
零児はそんな呪文のような長ったらしい言葉を、無駄に良い発音で言ってのけた。
クレープのメニュー並に長ったらしい、けれどモールス信号ではない発音で。
あの不朽の名作ミュージカル映画。
風向きが変わる時、雨傘とともに空から舞い降りる素敵な家庭教師が主人公の。
だが本来あの歌を歌い、踊るのは女性だ。素敵な黒髪の、薔薇色の頬をした家庭教師だ。
ジャキっと、シャフト部分を伸ばすと、
「歌って、もらえるかな」
柿内君は一度は受け取った傘を、零児に差し出しながらそう言った。
興奮に震えそうになる声で。
いや、歌ってではない。傘を差し出したのは踊れという意味も込められていた。
歌って、踊れるかと訊いていた。
くりっとしたアーモンドアイで見上げてくると、零児はそれを受け取り、すっと背筋を伸ばす。
コツ、と傘の先を床に付け、足はかかとを付けて180度近く開いて立つが、
「かっきーのステッキが無いね」
気づいたように言う。
その言葉に彼は、
「エアーでいいさ」
と、口角の上がった顔で言った。楽しそうに、興奮を抑えながら。
一緒に踊れるなら、自分のステッキぐらいどうでもいい。
そして、ショッピングモールの片隅で。
ショーは唐突に始まった。
まだまだせーゆーのたまごちゃん 星乃せーらのKIRAMEKIボイスブログ
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星乃「えー……、っとですねぇ。またぁ、更新が開いてしまって申し訳ないっす。ぽりぽり。というわけで、まずは………、なんだっけな、やーべえ、ずっとやってなかったから流れ分かんないや(笑)ああそうっ、思い出した。フリートークだ。あのですね、じゃあ今日モールで見た、あの、すごい高校生カップルの話します。えーと………、お買い物にね、言ったんですよ私。ええ、まあ。バイトと養成所以外にももっと行くとこ増やそかなと(笑)で、オサレなショッピングモール様に行ったんですが、そこでこう、やれやれ疲れたにゃーって適当な、椅子とかベンチとかいっぱいあるじゃないですか。あーゆーとこって。そこで休んでたらなんか、いきなりですよ?イーッツ、て声がして。痛いの?誰か肘ガッてぶつけたのかな、痛かったのかなって思ってそっち向いたら、女の子がアレを歌い出したんですよ。あの………、あれ、メリー…、メァリー、あ、今すごい発音良かったけど(笑)メァリー…、なんとかの中で流れる曲。なんだっけ。あれ、有名な曲なんだけど。ちょっとすいません、いまネットで調べますんで」
(カチッ、カチカチ)※マウスクリック音
星乃「…………………………………(無音)」
(ブオーン)※外のバイク音
星乃「んんっ(咳払い)」
(カチカチ)※マウスクリック音
星乃「………………………………………………………………………………………………(無音)ああそうだメリー・ポピンズの、すーぱー…、すーぱーかりふらじら、かりふわ、ん?か・り・ふ・ら・じりすてぃっくすえくすぺりあ、XPERIA?えくすぺりあどーしゃすっていう、長いな(笑)そーゆー歌を歌って踊ってて。♪すぱかじゃファじゃジツえしあやどーしゃっていう、あの、わかりますかね。たぶん皆さん一回は見たことあると思うんですけどこの映画。私は小学校の、もう授業しなくていい時期とかに、三学期の終わりら辺に授業の時間調整みたいな時期に見たんですけど。あれの挿入歌?を制服着た女の子が歌い出して踊りだしたんですよ。傘持って。傘も折り畳みのやつで。そしたらすぐに近くにいた男の子も一緒に踊りだして。えっ?ちょっと何?フラッシュモブとか何かそういうの?みたいな。私とかすごいカメラ探しちゃって。やだ映っちゃうかもって。で、その子たちが、全然、まあ制服なんで高校生とかだと思うですけど、歌とかダンスとかチョー上手くて。一応私とか声優とかそういうのになりたくてまあ、養成所とか通ってるじゃないですか。授業でダンスとかもやるんで。だからなんか…、なんだろって思って正直。なんかすごいなって思って」
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