傷者部

ジャンマル

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担任

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 錦ノ内先生はうちのクラスの担任で去年から引き続き俺の面倒を見てくれている。面倒を見ているからこそ何かしらを抱えてるのは察しているんだろうな。とはいえそれをこの人に話したりしたんだろうか。

「その感じ、お互い名前も聞いてないのか?」
「名乗る必要、感じませんでしたから」
「一応同じ部活の仲間になるんだぞ?」
「そもそも傷者部は正式な部活じゃないですから」
「えっ?勝手に?」

 確かに彼女以外に誰かいる様子は全く感じない。最低でも三人で同好会。五人以上で部活として認められる。ここはまだ同好会としてすら認められていない。というのを何となくで理解した。でもそうだとするとこの教室は一体?空き教室は勝手に使っていい訳では無い。しっかりと誰かしら教員に許可を取ったら使用していいと言われて鍵を渡されるはずだ。それも、放課後になってからだ。

 ここに居たのは放課後になる前。校則違反……ということなんだがどうにもどこかおかしい?と言わんばかりの顔。錦ノ内先生も……まあ共犯なんだろう。

「あと一人!誰かを見つけて監禁してこい!」
「りょーかいしました。でも先生、監禁って言い方は好きじゃないです。せめて拉致って言ってください」
「そうかそうか!確かに拉致のが語感いいもんな!」

 なんか怖い話をし始める。どうやら同好会として設立するための条件自体は理解しているらしい。曲がりなりにも教員が共謀しているだけはある。それにしても錦ノ内先生に対してだけは彼女は少しだけ砕けた言葉遣いをして見せた。……傷者、なんだろうなと言うのが何となく伝わる。

「探してくるから。緒方由紀で何かあれば尋ねて」
「名乗った……つもりなんですか?」
「彼女なりのコミュニケーションだから慣れろとしか言えないな」

 有言実行という感じだろうか。あと一人探してきてくれという先生の説明を聞いて直ぐに行動に移しに行った。錦ノ内先生に対してだけ、って感じの態度だ。

「まあという事でお前はしばらくここで監禁されててくれ」
「教員のセリフじゃないですよそれ」
「はは、かもな」

 冗談交じりにしれっと懐柔された気がするがそもそも傷者部というものはなんなのか。その説明すらされないし多分する気もない。というか多分出来ないんだろう。まだ出来てもいない部活だ。内容がそもそも決まっていないというのもあるんだろう。

 首謀者は錦ノ内先生……なんだろうなぁ多分。俺たちみたいな傷物を集めて何かをしたいんだろうけど、そう易々といるものでも無い。居てもいたらで簡単にそれに触れていいものでは無いだろう。
 後悔やトラウマ。心に傷を抱えた俺たちみたいな傷者。青春なんて送ろうとすら思っていなかったのに。
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