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ジャンマル

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ブリキの「ヨウヘイ」

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 ブリキ。その男が私たちに最初に喋った言葉はワタシの斧はどこだ。というものだった。殺させろ、戦わせろ。私はそのためにすべてを捨てたのだ。何故言い張るのか。それはすごく簡単な話だった。彼が戦時中に命を落としたから現代に目覚めてもまだ戦争が起きていると思い込んでいるのだ。戦争は終わった。その事実を彼は受け止められるのだろうか。目が覚めたら独立戦争は終わり国が栄えている。そう願っていたのだろう……実際は目が覚めたらなぜか国は滅びてしまっているし使えたはずの王はライオンになっている。情報量が多すぎるのだ。
 情報を整理する前に彼は私たちに襲い掛かる。それはそうだ。彼の指揮は戦時中のもの。敵だと思いとびかかってくるのも道理だ。だけどそこは王の力で何とか一瞬は話を聞いてくれる態勢をとったものの……
「我が王だ。その時代のな」
「バカを言うな! 私が使えたのは人間の王だ。ライオンの王ではない!」
 それはきっと当然の反応だ。彼が使えたのは確かに人間の王様だから。だけれど彼は永い眠りについていたように王もまた意識だけとはいえ永い眠りについていた。そこに関しても異論あるようで……
「永い眠りから覚めたらライオンだった? 馬鹿を言うな!」
「こうなれば最後の手だな」
 そういうと王様は腰を上げ突如唯一現存している倉庫に向かって走っていく。ブリキや私に向かってついてこい。そこに真実はあるそういって走っていった。少し険しい顔をしつつも、今のブリキにとっては彼は現代に目覚めて最初の人間。情報を知るには従うしかないと。傭兵だからこそ、肝が据わっていたようだった。

「おいおい……冗談じゃないぞ」
「いいや。これが現実なんだ」
 その現実は傭兵であるブリキに重くのしかかる。ワンダーランド国建国戦争。勝利した国王たちは平穏な日々を手に入れる代わりに、武力を捨てた。そしてその代償か。国はテロ行為により滅びその代の王は血縁者で唯一女性であった私を異世界の空間に飛ばし、いつか来る王国復興のためにその命を礎とした。
 そしてここがテロの一番激しかった王室や城そのものの跡地だ。大きく美しく立派だったであろう城は朽ち果てその姿を痛々しくテロ行為の傷をいやすようにあたり一面が森となっていた。

「我も目覚めて最初はこの光景に戸惑った。だが自分で調べれば調べるほど情けないと感じたよ。自分は無駄に行き過ぎたのになぜ今になって自我を取り戻したのか、とな」
 それは自分への罪滅ぼし。国を作ったものの責任なのだ。王様はそう語った。
「故にブリキの傭兵「アーノルド」。その力をこの国の復興のために貸すのだ」
 その言葉に果たしてブリキは首をどちらに振るのだろうか。
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