引きこもりの僕が勇者にされた理由ーnextー

ジャンマル

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花園編

助けたい思い

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 助けよう。カエデたちを。
 僕たちの前に広がっていた赤い海。それは、人の血だった。それは、仙の血だった。組織に命を狙われたんだ。弾丸で、腹部を2、3発だろう。その銃弾は、今、カエデに向けられている。そのうち、僕たちも狙われる。とっさに、とっさに思いついたのが、ヘレンを過去へ送るという事だった。
 ……彼女に、こんなにつらいことを背負わせていいのだろうか。ただでさえ、不安定な状態の彼女なんだ。どうなるかわからないが、今はそれだけが最後の希望なんだ。掛けるしかないんだ……!!!
「ヘレン! ぐずぐずするな! 飛べええええええええええ!!!」
 ヘレンは、その一言で飛ぶことの意味を理解できたようで、飛ぼうとしていた。
 敵組織の銃弾が、ヘレンに向く。必死に、僕は無我夢中でヘレンをかばう事だけを考えた。
 放たれる銃弾を、僕が身を挺して受け止める。ヘレンさえ、彼女さえ生きてくれれば何とか、何とか次につなげられる……!
 僕の足元が血に染まっていく中、躊躇うヘレンに僕は首を振って合図を送る。行けと、彼女に念を押す。彼女の消えていく姿を見届けながら、僕は最後の仕事をする。こいつたちにだけは、箱は渡さない!!
「ゥあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
 僕は男に突進する。大男でも、僕は構わず残りの力を振り絞る。
 男が振り落とそうと銃を構えるときに、銃を男の方へ向け、発砲させる。これ自体が、命を懸けた最後の行動だった。

 男が力尽きるのと同時に、僕も力が抜けていき、床に倒れ込む。目の前に広がる光景は、なんとも無残な光景だった。仙が倒れ、カエデが床に膝をつき、僕が倒れている。こんな光景、僕は望んではいなかったけど……でも、それでも、ヘレンが、ヘレンに、僕はかけたんだ。もう二度と、繰り返さないために。

 力尽きている僕の元にカエデがよる。
「うそ、でしょ……? ねえ、返事、返事してよ、圭!!」
 はは……返事、できないや。もう、気力が残ってないんだもんな。でも、最後の、最後の一言だけは……
「に……げ……て……」
 逃げろ。そう言っても、彼女は離れようとしなかった。でも、もう逃がす気力もこってない……ごめんな、カエデ。助けられそうにないや。

 ヘレンは、無事に過去へ行けただろうか? 箱は、この世界でどうなるのだろうか?

 僕は、すべてを分からぬまま、ヘレンにすべてをかけ、その場で深い眠りについた――
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