LEVELZERO

ジャンマル

文字の大きさ
58 / 74
過去編

レビスト財団

しおりを挟む
「柏樹~」
「はい?」
「こっちの仕事任せたぞー」
「あ、はい」

 会社では、彼は唯一まともに働ける社員だった。他の社員はすべてロボット。当然、彼の元に回ってくる仕事も少なかった。だが、それでも彼は野心のために頑張り続けた。いつか、機械の力を必要としない人類が生まれると信じて。

「……やってやるぞ。やり方は問わない」

 彼の中の野心は間違っているのだろうか。いや、そんなはずはない。彼の行動はどれも正しく、どれもが正解だった。そして、そんな彼の野心に気付くものも少なからずいた――しかし、そいつらは何も言えなかった。彼の掲げる夢が人類のあるべき姿だとわかっていたからだ。

「さてさて、どうする?」
「柏樹さん……」
「ん?」
「もう、行動起こしませんか?」
「駄目だ」
「なんで!」
「目立つな。今、新しく能力研究所というものが出来たらしい」
「え?」

 島崎能力研究所。レビスト財団が投資している期待の研究所で、人類の進化を見出すためにつくられたという。

「レビスト財団って……あの、レビスト財団ですか?」
「ああ。そうだ」

 レビスト財団。その名を知らぬ者はいないだろう。いま日本で最も強い力を持ち、日本で一番有力とされている株会社のひとつであり、一つの名家である。
 そんなレビスト財団が目をつけた島崎研究所は、最近、能力者たる人物を発見したという。そんなものを監視するために、資格を送り、日々研究を繰り返しているという……

「なんか、やばめの話じゃないですか?」
「そうか?」

 人類は、さらに違った方向へ進もうとしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約者の幼馴染って、つまりは赤の他人でしょう?そんなにその人が大切なら、自分のお金で養えよ。貴方との婚約、破棄してあげるから、他

猿喰 森繁
恋愛
完結した短編まとめました。 大体1万文字以内なので、空いた時間に気楽に読んでもらえると嬉しいです。

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

令嬢失格な私なので

あんど もあ
ファンタジー
貴族の令息令嬢が学ぶ王都学園。 そこのカースト最下位と思われている寮生の中でも、最も令嬢らしからぬディアナ。 しかしその正体は……。

処理中です...