Really? ハミングプロジェクト

ジャンマル

文字の大きさ
7 / 43
第1部 高校編

Project.07 念願の

しおりを挟む
 網谷君を口説き落とす作戦はすぐに実行された。まずは彼の好きなものを研究し尽くし、とりあえずは物でつってみる。効果は覿面だった。物凄い食いつきようで話を聞いてくれた。オマケに最初は警戒していたはずの表情も餌付けのお陰が柔らかくなっている気がした。こんなやり方で内心痛むところがあるけれど、これも目指したいアイドルのため…やむをなしである。

「網谷くんはコンプレックスを活かそうと思ったことは無いの?」
「コンプレックスを活かす?」
「君の見た目なら男女で人気出るアイドル目指せるかなぁって思うんだけどさ」

 少しだけまた表情が硬くなったが、前に断られた時よりは遥かにまともな顔であった。おそらくは話を聞き興味を持ってくれたってことなんだろうけど沈黙は少しだけ長く感じた。

「網谷さ、軽音部よりもっと自分を見てくれるところが欲しいんじゃないないのか?」
「でも僕はやりたい音楽があったから……」
「軽音以外にその才能がいかせるなら?」

 少しだけ心が揺らいだような表情をした。どこかで網谷くん自体も軽音部は楽しいけれど自分のやりたいのとは少し違う、というのを分かっていたということだろう。自分が本当に求められている場所で求められら才能を発揮出来る。それってアイドルに限らず誰しもが一番望んでいるものなのではないだろうか? でもそれはきっと自分の中で篭っている間は絶対に見つからない。見つけようと自分で動かないから。きっとその揺らぎなんだろう。

「作曲……したら誰が作詞を?」
「俺がやる」
「出来るの?」
「出来る。……ってかお前といつか曲作りたくて必死になって勉強した」

男同志の友情、と言うには少しばかり網谷くんが可愛すぎる。その光景を見た女子はきっとたちまち自分の中に眠る闘争本能に心が揺れ動くだろう……良き……そんな感じの見てもらい方もありだろう。なによりこれは天然ものである。営業ではない、ガチなのだ。そうとわかれば暫くは私が口を出す余裕はないだろう。いや、出しては行けない……!とても絵になっているし作曲も作詞も両方一緒に活動してくれると約束してくれた。正直これ以上の喜びはないだろう。

「網谷くん。改めて、私たちとアイドルやってくれますか?」
「……もし本当に僕が目指したい場所じゃなかった、そう思ったら降りますよ?」
「それでもいいよ。そう思わないくらい全力でやるんだもん」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

カオルとカオリ

廣瀬純七
青春
一つの体に男女の双子の魂が混在する高校生の中田薫と中田香織の意外と壮大な話です。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

処理中です...