Venus tune

ジャンマル

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Blue days

講演終了っ!

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「おーい、早く―!!」
 待ち望んでいたかのように、待っていたかのように、その場にはざっと20人くらいの人が待機していた。
 私たちは、急いで準備を始める。壇上の横の待機室。私はそこへ。
 マイクとうの機材などを扱うための放送室には、千佳が。まだ、10分ある。始まる前に、最後にもう一度読み返しておかなきゃ……
 私が黙読する中、千佳のアナウンスが体育館中に響き渡る。
『えー、あと7分ほどで開始します。それまで、もうしばらくお待ちください』
 あと、7分か。黙読はこの辺にして、この緊張をほぐそうかな……
 準備運動をしてみる。ほぐれない。そうだ、手に人って書いて。
 友達に聞いたおまじないをやってみる。……なんか、緊張がほぐれた気がする。おまじないって、胡散臭いのが多いけどたまに本物があるから怖いよね……

 4分ほどたったところで、体育館の扉が閉まっていく。開園するために、外に音を漏らさないためだ。OKです。という意味合いの合図が見えると、再び千佳のアナウンスが入った。
『お待たせしました! 間もなく、開演します!』
 そのアナウンスが入るのと同時くらいのタイミングで、私は舞台に上がる。舞台はまだ、幕が下りているので、前に人は見えない。
 準備係りの人が、マイクを運んでくる。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ~アニメ論、興味あるっす! 楽しみにしてるっス!」
「あ、ありがとう~」
 興味持ってくれていたんだ……そんな事言われたから、また、緊張しだしてしまう。期待を裏切らないような講演にしなくてはいけないという使命感からだ。
 うう……緊張がっ。
 そんな私が緊張している中、またまたアナウンスが鳴る。
「ただいまより、アニメ研究会による、「究極っ!アニメ論!」の発表を開始します!」
 そして、舞台の幕が上がる。
 ええい! 緊張してても仕方ないっ! 開き直って、堂々としてみる――

――

「お疲れ様です! いやあ、すごかったっす!」
 無事、講演を終えることが出来た……いざ開き直ってみると、緊張どころか、むしろ自信しかなかった。
 多分、私が行った講演じゃ一番よかった。
 講演が終わった後の評価は、まあまあ高めで、参考になったか聞いてみると、それなりの答えが帰ってきた。……アンチがいるのは仕方ないか。アンチは、どんなものにでも湧くものだし。

 ……あれ? 講演が終わったのに、千佳が降りてこない。
 気になって、先ほどの準備係りの子に聞いてみる。
「ね、ねえ、千佳は?」
 あれ? という顔をしながら、首を振って、
「あれ……降りてこないっすね。……ちょっと見てくるっス!」
 そう言って、放送室に見に行った。

 なんだろう、嫌な予感がする。そう言えば、講演終了のアナウンスがなかったっけ……みんな、気にせず帰っていったけど、本当なら、講演終了のアナウンスが入る予定だった。
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