MagicGayte

暗殺？マジカル？編

暗殺者への憧れは思春期特有

　この世界にはびこる魔物、および反抗ゲリラに対抗するために俺の村では10年前から小規模であるが小隊制と呼ばれる制度を一つの防衛手段として発足された。月に数回のペースで行われる魔物の進軍や、隣接する俺たちの村を敵対する村から進行してくる反抗組織を掃討するために若い男を五人一組で送り出すのだ、
　制度が適応される年齢は17歳からであり、そこに至るまで子供たちは日常の中でこっそりと戦闘するための術を仕込まれていく。俺ももちろん例外ではなく仕込みに仕込まれ続け今年ついに小隊の一人として村を……

「ナナト。お前は出ないでいいからな」
「は、はあ！？何言ってんだヨバン!　俺だってもう戦える年齢だ!」
「嘘つけ、訓練だって毎年ドベじゃないか。落ちぶれてるやつをわざわざ死なせに行くような真似はさすがにしねえよ。おとなしく待っとけって」

　毎年ドベ。その汚名は10歳の時最初に仕込まれたときからずっとだ。才能がない、努力の無駄。俺一人育成し終えるころには小隊の半分は育成できるなんて言われ続けてついに戦力外通告だ。納得できないし聞く耳も持たない。
　俺はずっと憧れてきていたんだ。この制度で小隊に組み込まれ……闇夜の中颯爽と敵を蹂躙し続ける「漆黒の暗殺者」に!!