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第4章「乙四の開幕と奏也の危機。」
「みんなへの思い。」
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俺は虎雅さんに今日は帰れと言われてから、家に帰ってきてから今まで、虎雅さんに言われた言葉に納得がいかずにいた。
だってそうだろ??
俺が練習部屋に戻ったときの、皆の明らかに動揺した様子...。
不自然すぎて、すぐに俺の両親が何か良からぬことを吹き込んだのだと分かった...。
俺は、月並みとして皆とこれから頑張っていきたいと考えていたのに、皆はそんな俺の気持ちを知ってか知らないでか、俺には関係ないみたいな感じで接してきて...いきなり家に帰れ!!...なんて。
どう考えても、納得いかないだろう!??
そんなこんなで、自身の中でイライラを募らせ、家にたどり着いた後は、今日起こった事に頭がついていかなくて、いつの間にか眠りについていた。
次に俺が、目を覚ました時には外はすっかり明るくなっていて、まるで俺がこの日本から去って、外国に行くことを祝っているような...それ程までに、雲一つ無く晴れ渡っていた。
俺はとりあえず、重い身体を持ちあげて立ち上がると、一旦頭を整理するために、シャワーを浴びにいった。
家の風呂で、独りシャワーを浴びながら、俺は気がつけば大声で、こう呟いていた。
「...俺の何がいけなかったんだよ!!これまで一緒に頑張ってきた俺の大切な仲間だったのに、なんで俺の両親が大学に押しかけてきただけで、皆まるで他人に接するみたいに...。虎雅さんは俺がどんなに自分勝手な行動をとっても、いつも見放したりせずに、一緒にいてくれた。なのに...なんで急に..。俺が自分勝手しすぎたから、段々嫌気がさしていって、今回俺の親が俺を外国に連れて行くって言ったのをいい機会だと思って、了承したんじゃないんだろうか??だとしたら、俺は月並みから意図的に外されたんじゃないんだろうか。いや...でも、七緒は???七緒は、俺がピンチの時いっつも助けてくれた。なのに今回は、辛い顔をするばかりで、必死に虎雅さんへと訴えかけている俺の方を、見ようともしなかった。今までこんなことなかったのに...。七緒は七緒だけは...俺の事を分かってくれる。共に戦ってくれるただひとりの仲間だったのに...。もしかしたら俺は、七緒にまで愛想を尽かされてしまったんじゃないんだろうか???だとしたら...それほどまでに俺は、月並みの皆を傷つけてしまったんじゃないんだろうか???くそっ!!なんでいつも俺が幸せになろうとする手前で、どん底に落とされてしまうんだ!!!!...俺は...俺はあの時どうすれば良かったんだよ!!!!なぁ、誰か!!!分かるんだったら教えてくれよ!!!俺には、俺には何が悪かったのか、さっぱり分からないよ...!!!」
俺はシャワーの音が響く風呂場で、声をあげて泣いたのだった。
いや、正確には涙が止まらなくて...情けないよな...だいの大学生が、ワンワン喚きながら泣くなんて...。
でも、その時俺は思った。
泣き喚くほど、それほどまでに月並みが、俺が生きていく上で必要不可欠なものである状態に、陥ってしまっていたのだということを。
シャワーを浴び終わった俺は、時計を見て時間を確認すると、ただ黙々と旅立つ準備をし始めるのだった。
皆が、俺のいない月並みを望むのであれば、俺がいるべき場所は月並みではなく、海外のオペラ学校であるということに変わりは無い。
こう考えた俺は、なかなか進まず、とまりかけていた荷造りの手を、さっさと動かすのだった。
だってそうだろ??
俺が練習部屋に戻ったときの、皆の明らかに動揺した様子...。
不自然すぎて、すぐに俺の両親が何か良からぬことを吹き込んだのだと分かった...。
俺は、月並みとして皆とこれから頑張っていきたいと考えていたのに、皆はそんな俺の気持ちを知ってか知らないでか、俺には関係ないみたいな感じで接してきて...いきなり家に帰れ!!...なんて。
どう考えても、納得いかないだろう!??
そんなこんなで、自身の中でイライラを募らせ、家にたどり着いた後は、今日起こった事に頭がついていかなくて、いつの間にか眠りについていた。
次に俺が、目を覚ました時には外はすっかり明るくなっていて、まるで俺がこの日本から去って、外国に行くことを祝っているような...それ程までに、雲一つ無く晴れ渡っていた。
俺はとりあえず、重い身体を持ちあげて立ち上がると、一旦頭を整理するために、シャワーを浴びにいった。
家の風呂で、独りシャワーを浴びながら、俺は気がつけば大声で、こう呟いていた。
「...俺の何がいけなかったんだよ!!これまで一緒に頑張ってきた俺の大切な仲間だったのに、なんで俺の両親が大学に押しかけてきただけで、皆まるで他人に接するみたいに...。虎雅さんは俺がどんなに自分勝手な行動をとっても、いつも見放したりせずに、一緒にいてくれた。なのに...なんで急に..。俺が自分勝手しすぎたから、段々嫌気がさしていって、今回俺の親が俺を外国に連れて行くって言ったのをいい機会だと思って、了承したんじゃないんだろうか??だとしたら、俺は月並みから意図的に外されたんじゃないんだろうか。いや...でも、七緒は???七緒は、俺がピンチの時いっつも助けてくれた。なのに今回は、辛い顔をするばかりで、必死に虎雅さんへと訴えかけている俺の方を、見ようともしなかった。今までこんなことなかったのに...。七緒は七緒だけは...俺の事を分かってくれる。共に戦ってくれるただひとりの仲間だったのに...。もしかしたら俺は、七緒にまで愛想を尽かされてしまったんじゃないんだろうか???だとしたら...それほどまでに俺は、月並みの皆を傷つけてしまったんじゃないんだろうか???くそっ!!なんでいつも俺が幸せになろうとする手前で、どん底に落とされてしまうんだ!!!!...俺は...俺はあの時どうすれば良かったんだよ!!!!なぁ、誰か!!!分かるんだったら教えてくれよ!!!俺には、俺には何が悪かったのか、さっぱり分からないよ...!!!」
俺はシャワーの音が響く風呂場で、声をあげて泣いたのだった。
いや、正確には涙が止まらなくて...情けないよな...だいの大学生が、ワンワン喚きながら泣くなんて...。
でも、その時俺は思った。
泣き喚くほど、それほどまでに月並みが、俺が生きていく上で必要不可欠なものである状態に、陥ってしまっていたのだということを。
シャワーを浴び終わった俺は、時計を見て時間を確認すると、ただ黙々と旅立つ準備をし始めるのだった。
皆が、俺のいない月並みを望むのであれば、俺がいるべき場所は月並みではなく、海外のオペラ学校であるということに変わりは無い。
こう考えた俺は、なかなか進まず、とまりかけていた荷造りの手を、さっさと動かすのだった。
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