ファンタジア!!

日向 ずい

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第5章「乙四の謎解き開始???」

「乙四って何ですか???」

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 俺たちは、静寂の中に集まっていた。

「じゃあ、行くよ???」

『うん。(汗)』

「......うわー、最悪。」

「おっしゃ!俺上がり!!!」

「えー、翔真さん。やっぱりこういう事には強いですよねぇ~...??」

「え???んな事ないよぉ~...たぶん。まぁ、確かに虎雅よりかは『はぁ!?おい、翔真!!!お前、それどういうことだよ!!って、ウソだろ!???まさかの俺の負け!??あはは、何かの間違いだよな???なぁ???』...残念、虎雅。まぁ、ルールはルールだし。はい、約束通りね??」

 俺は...一世一代の大賭けに負けてしまい、今絶望の縁に立っている真っ最中だ。

 俺は赤面しながら、罰ゲームを受けるのだった。

 俺が、羞恥するほどの、罰ゲームとは...。

「虎雅さん...一回...どうですか???(照)」

「まじで可愛い。」

「虎雅。お前、俺よりも可愛くなっちって...もしかして、普段からそういうご趣味が???」

「お前ら、そんなにじっくり見たら殺すからな!!!!!(照)」

 俺が真っ赤な顔をしながら、こういうのも無理はない。

 何故なら...。

「虎雅さんって、女装がとても似合うんですね。恥ずかしながら、男の俺でも抱けるのでは???と、思っちゃったぐらいで...『おい、優???お前も、あんまり調子の良いこと言ってると、明日あの世に行くことになるからな???覚悟しておけよ??』...いや、ちょっとした冗談じゃないですか!!!真に受けないでくださ...痛っ!!!ちょっと虎雅さん!???何も、殴ることないじゃないですか!!!」

 翔真や奏也ならまだしも優までもが、俺の女装姿を見て、発情しているようだったから気持ちが悪くなり、優にガンをとばすと、真っ赤になった顔も気にせず、椅子に座る優の胸ぐらに、思い切り掴みかかったのだった。

 そんな俺の態度に対して、思い出したように翔真がこう声を掛けた。

「なぁ、今ふと思ったんだけど...優の言っていた乙四...ほったらかしにしていたけど、楽器店のおじさんを助けるためにも、そろそろ行動とっていかないといけないんじゃないのか???」

 目の前にいる翔真の言葉に、その場にいた全員が、一斉に翔真の方を見た。

 そうして、一瞬の静寂があったあと...思い出したように、七緒がこんなことを言い出したのだった。

「あーー!!!!!そういえば...ちょっと前に、ディアマンがフランス語でダイヤモンドだって話したじゃん。その時に、俺気になって調べてみたんだよね....。...そしたらさ、フランスに住んでいた日本人で、昔キラキラ輝いていた人物が、実在しているらしいんだ...。」

 七緒の言葉に、真っ先に反応を示したのは...チョコレートを口に含んでいた他でもない奏也だった。

「うえぇぇ!??(驚)...誰それ!????」

「ぶあぁぁ!!!お前なぁ、俺にチョコレート飛んでるじゃねぇかよ!!!ちょっとは、考えてからしゃべれよな!!!!」

 奏也に対して、七緒が罵声を浴びせたのも無理はない...。

 何故なら、七緒の横に座っていた奏也は、七緒がディアマンの正体に気がついたという話をしており...その会話内容にびっくりした奏也は、口に含んでいたチョコレ-トを、盛大に七緒に吹き飛ばしたからである...。

「あーーー!!!もう!!奏也も七緒も止めないか!!!!...なんで、お前達はいつも喧嘩っ早いんだ...!!!!...とにかく、七緒???それは本当なのか??...ディアマンの正体が分かったって言うのは...。」

 こう言って、奏也と七緒の喧嘩が始まる前に釘を刺したのは、優につかみかかっていた手をいつの間にか放して、七緒に方に意識を向けていた虎雅だった。

 そんな虎雅に対して、はぁっとため息をついた七緒は、奏也にガンを飛ばすと、目線を虎雅に向けて、気持ちを切り替え、こう答えた。

「はぁ...はい、そうですよ。ネットや裏掲示板を駆使して、ディアマンについて調べていくと、流石、このご時世ですよねぇ~、ディアマンは確かに存在しました。...でもこれが本当なら、あまりに現実性がなさ過ぎて...。」

 七緒の言い淀んだ様子に虎雅は、もったいぶるなと言った様子でこう言った。

「七緒??何でもいい。今は、奴に関する情報が、ひとつでも多く欲しい。だから、七緒。どんなにあり得ない話でも、俺には話して欲しい。」

 こう言った俺に対して、言いにくそうな視線を投げかけてきた七緒に俺は、少しむっとして話を続けた。

 「...。」

 「......。」

 「...えっと...その...。」

「.........何だよ。そんなに言えない事なのかよ...。」

「いや...そうじゃなくて...!!!」

「じゃあ何だよ!!!!言わなきゃ、わかんねぇだろうがよ!!!七緒の悪い癖だ...。」

 こう言った俺の言葉に、それまで黙っていた奏也が、いつもの遠慮のない口調でこう言い放ったのだった。

「虎雅さん、七緒が言いにくそうにしてるのは、その格好のせいだと思うよ??...罰ゲームの時間とっくに超えてると思うけど、虎雅さん全く脱ごうとしないんだもん。あっ!!!!もしかして、虎雅さんって、普段から女装してたんじゃ...な~んだ!!そうだったんだねぇ~!!もぅ~、そうならそうと早く言ってよねぇ~~~!」

「この馬鹿っ!!!奏也めっ!!!!そんなこと言ったら...。」

「ふ~~~ん、そうか。奏也ぁ???お前は正直者だなぁ~~。いい子だ、こっちに来い。たぁ~っぷりと可愛がって、おいしいお菓子をあげるから。なぁ???」

 俺の真意も知らないで、奏也はニコニコと嬉しそうな顔をすると、何の疑いもせずに、俺の目の前にやってきた。

 そんな奏也を、俺は満面の笑みで締め上げたのは言うまでもない。

「奏也...お前は口が馬鹿正直すぎるんだよ!!全く、虎雅もバンドのリーダーなんだしさ、もう少し手加減してやったらどうなんだ???」

「ったく...!!翔真は、甘すぎるんだよ。奏也は誰のせいで、俺が着替えられなかったと思ってるんだ。」

「ぐへぇぇぇ...。虎雅さんの馬鹿力...。」

「はぁ!???お前が悪いんだろ??少しは成長しろ!!」

 俺の喝に、奏也はブーブー文句を吐いていたが、俺は気にせず服を着替えながら、改めて七緒にディアマンについて質問したのだった。

「それで七緒??ディアマンについて、分かった情報を教えて欲しいんだけど...。」

「あっ、はい。分かりました。聞いた後で現実味がなさ過ぎて、にわかには信じられないと思うかもしれないですけど......。でも、リアルな...本物の可能性は高いと思います。」

 こう言った七緒は、俺をじっと見つめると、隣で伸びている奏也を軽く足で蹴りながら...話を始めたのだった。

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