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第7章「紫翠との熾烈な戦い。」
「本当の真実は...残酷。」
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俺は長い長い眠りから目を覚ました。
俺が目を覚ましたのは...日本の......俺の思い出の公園にあるベンチの上だった...。
「ん???...俺は...生きてる...。いやっ...なんで!???えっ!??...何故だ...????...まてまてまてまて...よーし、よーく考えよう。...お金は大事だよーって...これは、テレビでやってたCM......(知ってる人いんのか??)。こんなことして、遊んでいる場合じゃないよな。...まず...俺は、コンシリエールにマフィアの名を捨てると言って...。それで、誤ってコンシリエールに顔を見せてしまって......。えっと...俺はその後、眠らされて......はるばる日本に帰ってきました。完.........じゃないだろ!!!!...なんで!??なんで...俺生きてんの!???...って...あれ...胸ポケットになにか挟まってる。」
独りで暴れていた俺は、ふと自身が着ているスーツの懐に目を向けた。
するとそこには、手紙のような紙が挟み込まれていた。
俺は、ちょーっと痛む頭を気にしながら、懐には入れてある紙を手に取り開くと、中に書いてある文章に目を通した。
文章にはこう書かれていた...。
~三津 文也(サン)へ~
お前の気持ちはよぉ~く分かった。
じゃがな、人に頼み事をしとる際に頭をあげるのは、ルール違反じゃ!!!
きちっとせんか!!!キチッと!!もういい大人じゃろ!!!
そんなことはどうでも良いのじゃ。
実はな...お前の父親から、お前がマフィアを辞めたいと言った時に、言えと言われていた言葉があってな。手紙で悪いんじゃが、今は亡き...お前の父親の言葉だ。しかと受け取るがよい。
「...文也。...お前に楯を突かれたときに、俺は考えたよ。...人の命の重さを。俺は、人を殺める時に...いつも...『お前を殺すことで、世界がいい方向に進むんだ。悪く思わないでくれ。』と心で言いながら、他人を殺めてきた。敵も味方も両方だ。......でも、あの時...文也の世話を頼んでいた山座頭は...あの事件の前日に、自ら...俺の元に来て...『お前の事を...好きになってしまったと...。この気持ちを抑えることが出来ないから、殺して欲しいと...。俺の息子で...次期ボスになるお前を好きになることは...決して許されることではないと......。』アイツの口がこう発したんだ。だから、俺は......山座頭を殺した。山座頭を、俺自らの手で殺めた。だが、結果としてそれは...文也からの、激しい拒絶と反抗を誘発することに繋がってしまった...。俺は...何度も後悔したよ。もし、山座頭を許し...今も生かしていたら...文也から、嫌われることは無かったんじゃないかって...。でも、それは所詮、綺麗事だよな。......分かっている、俺も、親父の事をよく思っていなかったから分かるよ。お前は...俺の全てが嫌いで...全てが憎かったんだろう??...知ってたさ。だから、いつも山座頭に愚痴を言っていたんだろう???...悲しかったが、自業自得だ。全て、俺が招いたことだ。お前は...悪くない。面と向かって謝罪できない弱虫な父親で悪かった。今、謝罪させて欲しい。あの時は、すまなかった。お前の人生全てを俺が奪ってしまって...本当にすまなかった。お前は、自分が弱いと言っていたが、それは違う。お前は、あの頃から強かったよ。いつも一人で頑張って...涙なんて見せたりしない。...とても強い子だった。......これは、マフィアのボスとしてじゃない。...お前の父親としての言葉だ。...これだけじゃ、まだお前に伝えたい事の1割にも達していない。...お前に彼女は居るのかとか...お前の将来の夢とか...お前の趣味とか......どんな物が好きなのかとか......聞きたいことがありすぎて.........でも、結局お前から直接聞くことは叶わなかった...。...だから、最後に一言だけ言わせて欲しい。文也.........俺の...息子に生まれてきてくれてありがとう...。お前は、いつも...いつまでも俺の自慢の息子だ。クソっ...なんでか、涙が溢れてきそうだ。......マフィアが泣くなんてみっともない。...すまないが、この辺りで終わるとしよう...三津...文也。...俺の最愛の息子よ...永遠に愛している。...俺がいなくなったあとは...好きなように人生を歩みなさい。自分の人生は、自分で決めていいんだ。誰の人生でもない、お前の人生なのだから。お前の親父......三津...文葉(ふみよ)より。」
以上だ...。
サン...この文とともに、この名前を剥奪し...お前を永久に...マフィアからの追放を命じる。
今までご苦労だった...。私のボスであるお前の父親の言葉の通り......これからは、自由に生きろ。...文也よ。
ボスより
p.s...すまんの、わしの名前は...永久に教えることは出来んのじゃ。
手紙を読み終わった俺は...涙が止まらなかった...。
手紙の裏を確認すると、そこには......父親のお墓の場所が記載されていた。
クソっ、こんなの...ずりぃよ...。
俺が.........どれだけお前を恨んでいたか...。でも、その恨みは......結局...俺の独りよがり。オヤジは...俺の気持ちを分かってくれていたし...俺と向き合おうとしてくれていたわけだ。
俺は.........馬鹿だったから...そこまで理解できないんだよ。クソがっ...オヤジ...ンなの、はっきり言わねぇとわからねぇだろ!!!!
くそっ、ムカつくから墓についてから直接話してやる...!!
待ってろよ...オヤジ...いや、文葉さん。
それから俺は、痛んでいた頭のことはすっかり忘れ、俺の父親の墓がある青森まで、直行便の飛行機で飛ぶと...散々墓の前で悪態をついて、でも最後は墓を抱きしめ、キスをひとつ落とすと...道中で買った黄色の薔薇を10本...似合わねぇけど...でも、俺の気持ちも受け取って欲しいって思ったから...あげたよ。
墓は...俺の部下が、定期的に清掃しに訪れてくれていたようで...とても綺麗だった。
オヤジはなんだかんだ言って......組織のやつに大切にされてきたんだよな。
良かったよ。
オヤジ......ありがとな。
俺は......雅の事も...俺の夢とも真剣に向き合ってこれから生きていくことにするよ。
もう逃げないから...なぁ...オヤジ??
だから...だからさ??...俺の事を...天国から見ててくれよな。
...はぁ、我ながら臭いセリフ......なんか寒くなってきたな。...帰るか。
俺は、鼻をすすりながら、親父と山座頭さんの墓を後にしたのだった。
じゃあな...オヤジ...また来る。
それと......その横にある小さなお墓に入ってる......山座頭さんにも、紫色の薔薇を5本供えてあげた。
山座頭さん......俺は山座頭さんのこと、実のお父さんのように大好きだったよ。
これからは、オヤジに天国で可愛がってもらえよな??(笑)
俺が目を覚ましたのは...日本の......俺の思い出の公園にあるベンチの上だった...。
「ん???...俺は...生きてる...。いやっ...なんで!???えっ!??...何故だ...????...まてまてまてまて...よーし、よーく考えよう。...お金は大事だよーって...これは、テレビでやってたCM......(知ってる人いんのか??)。こんなことして、遊んでいる場合じゃないよな。...まず...俺は、コンシリエールにマフィアの名を捨てると言って...。それで、誤ってコンシリエールに顔を見せてしまって......。えっと...俺はその後、眠らされて......はるばる日本に帰ってきました。完.........じゃないだろ!!!!...なんで!??なんで...俺生きてんの!???...って...あれ...胸ポケットになにか挟まってる。」
独りで暴れていた俺は、ふと自身が着ているスーツの懐に目を向けた。
するとそこには、手紙のような紙が挟み込まれていた。
俺は、ちょーっと痛む頭を気にしながら、懐には入れてある紙を手に取り開くと、中に書いてある文章に目を通した。
文章にはこう書かれていた...。
~三津 文也(サン)へ~
お前の気持ちはよぉ~く分かった。
じゃがな、人に頼み事をしとる際に頭をあげるのは、ルール違反じゃ!!!
きちっとせんか!!!キチッと!!もういい大人じゃろ!!!
そんなことはどうでも良いのじゃ。
実はな...お前の父親から、お前がマフィアを辞めたいと言った時に、言えと言われていた言葉があってな。手紙で悪いんじゃが、今は亡き...お前の父親の言葉だ。しかと受け取るがよい。
「...文也。...お前に楯を突かれたときに、俺は考えたよ。...人の命の重さを。俺は、人を殺める時に...いつも...『お前を殺すことで、世界がいい方向に進むんだ。悪く思わないでくれ。』と心で言いながら、他人を殺めてきた。敵も味方も両方だ。......でも、あの時...文也の世話を頼んでいた山座頭は...あの事件の前日に、自ら...俺の元に来て...『お前の事を...好きになってしまったと...。この気持ちを抑えることが出来ないから、殺して欲しいと...。俺の息子で...次期ボスになるお前を好きになることは...決して許されることではないと......。』アイツの口がこう発したんだ。だから、俺は......山座頭を殺した。山座頭を、俺自らの手で殺めた。だが、結果としてそれは...文也からの、激しい拒絶と反抗を誘発することに繋がってしまった...。俺は...何度も後悔したよ。もし、山座頭を許し...今も生かしていたら...文也から、嫌われることは無かったんじゃないかって...。でも、それは所詮、綺麗事だよな。......分かっている、俺も、親父の事をよく思っていなかったから分かるよ。お前は...俺の全てが嫌いで...全てが憎かったんだろう??...知ってたさ。だから、いつも山座頭に愚痴を言っていたんだろう???...悲しかったが、自業自得だ。全て、俺が招いたことだ。お前は...悪くない。面と向かって謝罪できない弱虫な父親で悪かった。今、謝罪させて欲しい。あの時は、すまなかった。お前の人生全てを俺が奪ってしまって...本当にすまなかった。お前は、自分が弱いと言っていたが、それは違う。お前は、あの頃から強かったよ。いつも一人で頑張って...涙なんて見せたりしない。...とても強い子だった。......これは、マフィアのボスとしてじゃない。...お前の父親としての言葉だ。...これだけじゃ、まだお前に伝えたい事の1割にも達していない。...お前に彼女は居るのかとか...お前の将来の夢とか...お前の趣味とか......どんな物が好きなのかとか......聞きたいことがありすぎて.........でも、結局お前から直接聞くことは叶わなかった...。...だから、最後に一言だけ言わせて欲しい。文也.........俺の...息子に生まれてきてくれてありがとう...。お前は、いつも...いつまでも俺の自慢の息子だ。クソっ...なんでか、涙が溢れてきそうだ。......マフィアが泣くなんてみっともない。...すまないが、この辺りで終わるとしよう...三津...文也。...俺の最愛の息子よ...永遠に愛している。...俺がいなくなったあとは...好きなように人生を歩みなさい。自分の人生は、自分で決めていいんだ。誰の人生でもない、お前の人生なのだから。お前の親父......三津...文葉(ふみよ)より。」
以上だ...。
サン...この文とともに、この名前を剥奪し...お前を永久に...マフィアからの追放を命じる。
今までご苦労だった...。私のボスであるお前の父親の言葉の通り......これからは、自由に生きろ。...文也よ。
ボスより
p.s...すまんの、わしの名前は...永久に教えることは出来んのじゃ。
手紙を読み終わった俺は...涙が止まらなかった...。
手紙の裏を確認すると、そこには......父親のお墓の場所が記載されていた。
クソっ、こんなの...ずりぃよ...。
俺が.........どれだけお前を恨んでいたか...。でも、その恨みは......結局...俺の独りよがり。オヤジは...俺の気持ちを分かってくれていたし...俺と向き合おうとしてくれていたわけだ。
俺は.........馬鹿だったから...そこまで理解できないんだよ。クソがっ...オヤジ...ンなの、はっきり言わねぇとわからねぇだろ!!!!
くそっ、ムカつくから墓についてから直接話してやる...!!
待ってろよ...オヤジ...いや、文葉さん。
それから俺は、痛んでいた頭のことはすっかり忘れ、俺の父親の墓がある青森まで、直行便の飛行機で飛ぶと...散々墓の前で悪態をついて、でも最後は墓を抱きしめ、キスをひとつ落とすと...道中で買った黄色の薔薇を10本...似合わねぇけど...でも、俺の気持ちも受け取って欲しいって思ったから...あげたよ。
墓は...俺の部下が、定期的に清掃しに訪れてくれていたようで...とても綺麗だった。
オヤジはなんだかんだ言って......組織のやつに大切にされてきたんだよな。
良かったよ。
オヤジ......ありがとな。
俺は......雅の事も...俺の夢とも真剣に向き合ってこれから生きていくことにするよ。
もう逃げないから...なぁ...オヤジ??
だから...だからさ??...俺の事を...天国から見ててくれよな。
...はぁ、我ながら臭いセリフ......なんか寒くなってきたな。...帰るか。
俺は、鼻をすすりながら、親父と山座頭さんの墓を後にしたのだった。
じゃあな...オヤジ...また来る。
それと......その横にある小さなお墓に入ってる......山座頭さんにも、紫色の薔薇を5本供えてあげた。
山座頭さん......俺は山座頭さんのこと、実のお父さんのように大好きだったよ。
これからは、オヤジに天国で可愛がってもらえよな??(笑)
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