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第14号 「俺にしなよ...。」
画面に現れた救世主。
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中谷が美桜と止めるため、動き出そうとしていた時...琉架は、真っ赤に染まった自らの震える手で必死に携帯の番号を押していた。
「...1...1......0...。.........あっ...もしもし...家で...包丁で...亜衣希さんが...『警察です...落ち着いてください!!落ち着いて...とにかく場所を教えていただけますか???今...どちらにいらっしゃいますか???』...東京都......。(汗)」
琉架は、携帯を耳に当てながら震える手を、もう片方の手で必死に抑えて、何とか正気を保とうとしていた。
警察に連絡を終えた途端、カタンっと携帯を床に滑り落とした琉架の目には、光がなかった...。
「...亜衣希さん...。俺は...俺はなんてことを...。(泣)亜衣希さんを殺したのは...俺だ...。俺が悪いんだ...。亜衣希さん...今そっちに行くからね...待ってて。(泣)こうなったのは...俺が信じてやらなかったから...。(泣)」
こういうと琉架は、血溜まりの中に落ちている真っ赤に染った包丁を手に取った。
そうしてそれを両手で持つと、自らの腹部に向けて構えた。
「...大丈夫...。(汗)大丈夫...痛みは一瞬だ......。(震)俺もすぐに亜衣希さんの元へ...。」
震える声を必死に絞り出しながら、構えた包丁を自らの腹部に突き刺そうとしたが、その行為は、先程警察に連絡した琉架の携帯から聞こえた着信音によって、制されることとなる。
「...えっ...だっ...誰...。......っ!?...坂沢っ...なんで...?(汗)」
自分の持っていた刃物を一旦床に落とし、携帯の画面に目を向けるとそこには坂沢の名前が...。
琉架は、無意識のうちに坂沢からの着信に応えるように、通話ボタンを押して、携帯を耳に当てていた。
「...はい...もしも『あっ!!!琉架!!(笑)元気か???お前さ~、なんか最近...学校休みがちだろ???(汗)お前まさか...ヤクザやヤンチーのパシリやってんじゃねぇだろうなぁ...???...なんてな!(笑)冗談はこれぐらいで...まぁ、なんかあったんなら俺でよければ話聞くけど...???(汗)』...えっ...いや...うん...。(汗)」
琉架は、坂沢の声があまりにも場違いなほど明るくて、思わず拍子抜けしてしまった。坂沢の声に...さっきまで死のうとしていた自分の思い出すと、琉架は曖昧に返事を返すことしか出来なかった。
そんな琉架のことは、気にも留めず坂沢は、勝手に世間話を始めた。
「...なぁなぁ、聞いてくれよ!!俺な、昨日バイトの最中に、担任のコーちゃんがバイト先に来て、バイトの許可書発行してもらってないのに、やってるのがバレてさ...。俺...もれなく謹慎くらってて...今...外出れないんだわ...。だからさ、暇なんだわ~...。琉架...お前には、この言葉の意味がわかるよな??(笑)おしっ!!...という事だ!俺は、ずっと家で待ってるから!今日...俺の家に来いよ!!久々に男と男の熱~い語り合いしようぜ!!!(笑)『いや...坂沢...俺は...今は...。』...おっと、今回は断るのなしだかんな!!分かったら...泊まりの準備してこいよ!!!(笑)じゃあな!!」
琉架の必死の意見も聞かずに、一方的に用件を伝えると、坂沢はさっさと電話を切ってしまった。そんな坂沢に無性にもイラッとしてしまった琉架は、次の瞬間には大声で怒鳴っていた。
「...俺はお前の便利屋じゃねぇんだよ!!!ったく!!勝手に決めてんじゃねぇよ...!!!!(怒)あっ......でも...俺のこと救ってくれたんだよな...。...坂沢...ありが『冬月琉架さん!??救急です!!!けが人はどちらですか!???(汗)』...あっ...亜衣希さん...助けが来たよ...。良かった...。『冬月琉架さん!!!けが人は...っ!???...これはひどい...。冬月さん、立てますか!???すみませんが...ご同行お願いします!!!(汗)......おい、来てくれ!!!(汗)20代半ばの男性が出血多量で倒れている!!!(汗)一刻を争う危険な状態だ!!!直ちに搬送準備を......!!!!』...。」
坂沢から電話があり、琉架が坂沢への怒り9割感謝1割を口にした瞬間、玄関のドアが勢いよく開き、救急隊の人が複数人慌ただしく入ってきた。
部屋の状況と、血溜まりの中に倒れている亜衣希と、そのすぐ側に座り込む琉架の姿を目に捉えた瞬間、ただ事ではないと感じた救急隊員は、応援を呼び亜衣希の息を確認した。
そうして、救急車で搬送された亜衣希は、現在病院で緊急治療を受けているのだった。
「...1...1......0...。.........あっ...もしもし...家で...包丁で...亜衣希さんが...『警察です...落ち着いてください!!落ち着いて...とにかく場所を教えていただけますか???今...どちらにいらっしゃいますか???』...東京都......。(汗)」
琉架は、携帯を耳に当てながら震える手を、もう片方の手で必死に抑えて、何とか正気を保とうとしていた。
警察に連絡を終えた途端、カタンっと携帯を床に滑り落とした琉架の目には、光がなかった...。
「...亜衣希さん...。俺は...俺はなんてことを...。(泣)亜衣希さんを殺したのは...俺だ...。俺が悪いんだ...。亜衣希さん...今そっちに行くからね...待ってて。(泣)こうなったのは...俺が信じてやらなかったから...。(泣)」
こういうと琉架は、血溜まりの中に落ちている真っ赤に染った包丁を手に取った。
そうしてそれを両手で持つと、自らの腹部に向けて構えた。
「...大丈夫...。(汗)大丈夫...痛みは一瞬だ......。(震)俺もすぐに亜衣希さんの元へ...。」
震える声を必死に絞り出しながら、構えた包丁を自らの腹部に突き刺そうとしたが、その行為は、先程警察に連絡した琉架の携帯から聞こえた着信音によって、制されることとなる。
「...えっ...だっ...誰...。......っ!?...坂沢っ...なんで...?(汗)」
自分の持っていた刃物を一旦床に落とし、携帯の画面に目を向けるとそこには坂沢の名前が...。
琉架は、無意識のうちに坂沢からの着信に応えるように、通話ボタンを押して、携帯を耳に当てていた。
「...はい...もしも『あっ!!!琉架!!(笑)元気か???お前さ~、なんか最近...学校休みがちだろ???(汗)お前まさか...ヤクザやヤンチーのパシリやってんじゃねぇだろうなぁ...???...なんてな!(笑)冗談はこれぐらいで...まぁ、なんかあったんなら俺でよければ話聞くけど...???(汗)』...えっ...いや...うん...。(汗)」
琉架は、坂沢の声があまりにも場違いなほど明るくて、思わず拍子抜けしてしまった。坂沢の声に...さっきまで死のうとしていた自分の思い出すと、琉架は曖昧に返事を返すことしか出来なかった。
そんな琉架のことは、気にも留めず坂沢は、勝手に世間話を始めた。
「...なぁなぁ、聞いてくれよ!!俺な、昨日バイトの最中に、担任のコーちゃんがバイト先に来て、バイトの許可書発行してもらってないのに、やってるのがバレてさ...。俺...もれなく謹慎くらってて...今...外出れないんだわ...。だからさ、暇なんだわ~...。琉架...お前には、この言葉の意味がわかるよな??(笑)おしっ!!...という事だ!俺は、ずっと家で待ってるから!今日...俺の家に来いよ!!久々に男と男の熱~い語り合いしようぜ!!!(笑)『いや...坂沢...俺は...今は...。』...おっと、今回は断るのなしだかんな!!分かったら...泊まりの準備してこいよ!!!(笑)じゃあな!!」
琉架の必死の意見も聞かずに、一方的に用件を伝えると、坂沢はさっさと電話を切ってしまった。そんな坂沢に無性にもイラッとしてしまった琉架は、次の瞬間には大声で怒鳴っていた。
「...俺はお前の便利屋じゃねぇんだよ!!!ったく!!勝手に決めてんじゃねぇよ...!!!!(怒)あっ......でも...俺のこと救ってくれたんだよな...。...坂沢...ありが『冬月琉架さん!??救急です!!!けが人はどちらですか!???(汗)』...あっ...亜衣希さん...助けが来たよ...。良かった...。『冬月琉架さん!!!けが人は...っ!???...これはひどい...。冬月さん、立てますか!???すみませんが...ご同行お願いします!!!(汗)......おい、来てくれ!!!(汗)20代半ばの男性が出血多量で倒れている!!!(汗)一刻を争う危険な状態だ!!!直ちに搬送準備を......!!!!』...。」
坂沢から電話があり、琉架が坂沢への怒り9割感謝1割を口にした瞬間、玄関のドアが勢いよく開き、救急隊の人が複数人慌ただしく入ってきた。
部屋の状況と、血溜まりの中に倒れている亜衣希と、そのすぐ側に座り込む琉架の姿を目に捉えた瞬間、ただ事ではないと感じた救急隊員は、応援を呼び亜衣希の息を確認した。
そうして、救急車で搬送された亜衣希は、現在病院で緊急治療を受けているのだった。
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