COLORFUL_WARS

綺羅星宇宙

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3章 喜劇か悲劇か伝記となるか……サーカス開演!

止める弾丸はひとつ

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【どれだけ練習を積んだって、貴様に評価されなければ意味など持たない、どれだけ勉強したってお前に評価されなければ意味など持たない叫び暴れないだけ私はまだ人なのか叫び暴れる獣を羨ましく思うのに】
少女は今日もシーツに頭を沈み込ませる。





「なんやの、この獣道!」
墨国の桜は徴集により翠国の魔法学校に向かっている
ゴツゴツの石や生い茂る苔や草花、小手先の魔物が出てくる。
「こんなんなぁ!アタシじゃなかったらヤられてるわ!」
だが墨国の魔法学生、力強く歩いて行く。
墨国は特殊で国の中でもさらにまた地方が様々あり桜は昔から“王”とされる村長が実権を握る村で育った、ただの村長、なにも特別な力を持っているわけではない昔からの“伝統”今でこそ撫子の行いで少し変わったが根本的にはまだなのが現状である。墨国は内部の争いや反発がパレット大陸でも多い。
「大丈夫ですか?」
大きな移籍を目の前に辺りの魔物を蹴散らして休憩していた桜にアルが手をさしのべた。
「……集合場所ってココであってんのか?」
ムスッとしながらアルの顔を見る
「あってますよ遺跡を通り、作戦本部に向かいます」
アルはニコリと微笑むと桜を腕をとり案内した。
「凄いですねぇ魔物達を蹴散らすなんて」
「……別に普通や、あの道の魔物アタシじゃなかったらヤられてしまうの多いんちゃう」
遺跡のジメジメした道を通ってゆく桜とアルテミス
「あの道を選ぶとは思いませんでした…あの道は確かに近道ですが魔物だって強敵です」
「こっちは船で1日かけて来たんや近道しな間に合わん心配して遣いを寄越してくれたんやろ?」
桜は全て知っておりアルテミスの契約獣の が空を飛び桜をずっと護衛していたのだ。余裕の笑みを浮かべ常に堂堂と話している
「僕達にとって初めての任務です誰ひとり、無くしたりしたくありません絶対に…だからこその護衛です」
アルテミスはやはりニコリと笑い桜に振り向いた。


 「来たか!あと2人だな!」
翠国学生軍のアルテミス達より2期上のショットが2人に手を振っている。
遺跡を抜けると遣われなくなった巨体な武器庫があり武器庫の隣にはキャンプ場のようなテントやコテージ、シェルターがあった。
「まだ揃ってはないのですね?」
「あぁ、今回は飛び道具使いがあんまりいなくてね~君達と紫の子、純白の子は墨国に用事があるから合流は遅れるし…う~ん」
ショットは顎髭をジョリジョリとしながら言った
「オリーヴは大丈夫なのですか?」
試験時に徹底的に叩きのめされたオリーヴは引き籠もりがちになっていた。
「そーだねー大丈夫だとは思うけど、あとハンスは席を外すことが多いから俺が皆の司令官だから!よろしくね!」
爽やかな笑顔だが犬に躾けるような笑顔のショット、桜は握手を求め桜も睨むように手を握り返した。
「おーう戻ってきたのか-!」
すると奥のテントから男が一人歩いてきた
ライラックの髪、そしてタナグラの瞳をし第三ボタンまで開かれたシャツをベストでなんとか、止めているその胸元には銃がある花と女性の顔が着いた銃だ。
「紫のガルッドだ宜しく」
淡々としながら挨拶を済ませケータリングに料理を取りに行った。
「ウチも腹減ったわ貰うで」
桜もケータリングへと歩こうとするとショットがそれを止めた。
「ケータリング取りに行ったら会議だから奥の建物に入ってくれ!アル案内宜しくな」
「わかりました、さぁ取りに行きましょう」



 「んでそれぞれの獲物を言うんか?」
桜は肉料理を片っ端から盛りに盛り頬張りながら話す
「それもあるがまず部屋決めだ!俺達がいるこの“本館”に皆1つ、野外のテントも1つだ、まぁ外のテントは武器や準備として考えておいてくれ生活はコッチ準備はテント」
「それぞれ広さや使用できる魔方陣が違いますもんね俺は“あの”テントを使わせて貰いたい」
ガルッドは野菜を食べながら話す
「ウチはココから近いテントで、弾を保管できればそれでいーし」
「僕は一番森に近い場所で良いです、よろしくお願いします」
それぞれのテントが決まり部屋割りも終わった
「ガルッドの魔銃は憑依してるね」
ショットは見逃さずガルッドに突っ込む
「“彼女”にはお世話になっている」
すると銃の女性の瞳が淡く光った。
「ま、仲良く頼むよ」
「純白は置いといて、翠の娘はどーすんねん、ん?」
桜はカップケーキを口いっぱい頬張りながら話す
「うーん元々は剣を使っててね~試験の時に心がやられちゃったみたい」
「はぁ!?巫山戯てんか!?呼び戻す!!」
すると皆の制止を振り払い桜はオリーヴの部屋を探し

 「おい!何が心配なんや!?」
ドンドン!と力強く扉を蹴りながら桜は強い口調で言う
部屋からはなにも返ってこない本当に人がいるのか疑うほどだ。
「戦力はあるに越したことはない、顔ぐらい見せたら?」
「……自信が無い……」
か細い声が扉から聞こえたタイミングによっては桜の声で掻き消されるような声だ。
「純白のあの人の言うとおりだ…私には向いていなかったんだ……家柄だけで入学し成績を残さなければ親の眼中にすら入らない、兄や弟の成長しか興味の無い親に、愛など焦がれたのが悪かった!」
聞く者の心が剔られるような叫び声をオリーヴはあげている今までに溜まっていたモノなのだろう。
「明日の作戦会議は昼からや、茶くらい出したるから来いや」
桜は全てを受け止め自室に歩いて行った
そして部屋の中のオリーヴは何日ぶりかに風呂て部屋を掃除し湯を張った浴槽に倒れるように入っていった。



「悪くない部屋やな」
桜は自室となる部屋に入った、そこはベッドが2つと机飲物が飾られてる棚、大きな浴室とシャワー室も別にあった、クローゼットに童話や歴史書がぎっしり詰まった本棚。
愛銃をもう一つのベッドに置き、ひとまず掃除を始めた作戦会議は明日に迫っている。
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