COLORFUL_WARS

綺羅星宇宙

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3章 喜劇か悲劇か伝記となるか……サーカス開演!

生粋の者達

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【唯我独尊として妾じゃ】
魔女は口紅を小指でキッ!と引っ張った。


 紫国に招集されたキルシュは“キューシー横町”と呼ばれる学校内の一角にいた、所詮は学園領内であるため
生徒達で溢れかえっている。
菓子類や衣服類、生活雑貨に薬まである、産まれてくるまで解らない何かの卵。などバラエティに富んでいる
「キャンディとチュロスのセットよ!お一ついかが?」
トンガリ帽を被った女性がキルシュに声を掛けてきた
「じゃあ貰うよ」
「お隣のご家族にもご家族用のお菓子もあるの、そちらはどうかしら?2割してあげるわ」
キルシュは自分用とショコラ用に菓子類を買って指定された館に向かった。
 「私の分など、やはりキルシュは優しいな」
ショコラに跨がり古城目掛けて空を飛んでいる
「ショコラじゃなくても、そうするよ僕は」
ショコラのことを“家族”と言ってくれたのが嬉しかったのだ。
ムシャムシャとチュロスを食べながらキルシュは言った
「そろそろ着くぞ」
「ありがとう」
館に辿りつきキルシュは館の中に入った
ギィ………と音がすると埃が舞い咳き込もうとすると
すぐにキラキラと輝き始め辺り一面を照らしたかと思うと綺麗だがやはり何処か趣がある館になったのだ。
「ようこそ、あぁ適当に座ってくれたまえ、昨日急いで片付けさせたんだが……些か間に合わなくてね、生活水準は最高にしてあるから少し我慢してくれ」
そこに居たのはジョーカーだった、今は幼子ではない
何故かシャンデリアの上に立っている
「ゴースト達がマイペースに片づけてくれます」
化粧室だろう場所からマリアが出てきた
「そうですか~ありがとうございます~」
握手して挨拶をすると何処からか綺麗で清らかでいつまでも聞いていたくなる笛の音が聞こえてきた。
階段裏でオペラが奏でていたのだ
「お久しぶりです、オペラです」
いつもよりも髪の艶と唇の発色がよくこちらも艶がある
こちらも握手をしニコニコとしている
「まったく、キールもジョーカーも何故この様な建物を好むのか理解に苦しむ」
読書用なのだろうか?眼鏡を外しクラーケンは重そうな肩掛け鞄といくつかの大きな鞄を辺りに置いている
「それは男の子のロマンだからさ」
アリアと対戦した紫のレヴィがいた
「お、遅れてすみません~!」
最後に来たのは翠のココだった魔法飛行装置を跳ばしてきたらしく大きな飛行装置がゴースト達によって屋上に運ばれていく。重そうだ。
「よくやく揃ったのかぇ?妾の準備もできたところだ」
扉が開くとそこには美女が歩いてきた。
灰色のカーリーヘア、 シンドバッド・パープルの服
服の上からでもわかる巨乳。
エメラルドグリーンのピンヒールをカツカツ奏でながら
歩いてくるすると、オフブラックのマントがひとりでに
彼女の肩に掛かった。
「彼女は5000年以上に続く魔女の家計、マグダラ家の生粋の魔女、名前は」
ジョーカーが腰を抱きながら紹介する
「マグダラ・プリム・キャンディスよ、キャンディって呼べば良い」
そしてマリアが手招きされ
「サテンタ・ラ・マリアです、サテンタ一族はマグダラ一族の親戚に当たります」
深々とお辞儀をし各部屋に荷物を持って行き
キャンディの私室に集められた
ありとあらゆる薬草が瓶詰めにされており、使い魔達が
せっせと働いている。
「君達は魔法学校軍でも特に!魔法に精通しているね?だから、サーカスとの戦闘になるときは全面的に魔法を使っていってほしい」
ジョーカーは言った。
「部屋は自由に使って貰って構わん、妾のこの私室も好きなときに、好きな物を使ってくれ」
ソファに座りキャンディは大粒の飴玉を色っぽく口に入れた。
「キャンディ様は特に色香のフェロモン……、言わば生まれ付きフェロモンが強くて、その気になれば街一つの命ある者の動きを止めてしまうわ」
調節は利くらしい
「今日はゆっくり休んでくれ!明日から俺とキャンディで特訓をする!」
ジョーカーは幼い容姿になり部屋から出て行った。




 「サーカスとの戦闘は避けられないか」
適当に決めた部屋は客室なのだろうか?ソファやベッドが二つずつある。
キルシュはソファに項垂れながらバリバリと備え付けられた、菓子を食べていた。
「当たり前だろう何も心配することはない」
クァ~とショコラが欠伸をするとクゴーグゴーと、大きないびきをかきはじめた。
キルシュはこの館の地図を見ながら中庭に出た。
 中にはに出ると他の人達が揃い軽食を取っていた。
バスケットの実が実る不思議な木、ブリキで出来ていたり編み物でできていたり……、中には果実まるまる1つとサンドイッチとパックジュースのセットや、瓶ジュースに熱熱のリゾットと包み紙のお菓子が数個のセットなど
色々だ。
「これはバスケットの木なんです、お好きなのをお好きなだけどうぞ」
するとマリアはサンドイッチをチビチビと食べている
「この木……中庭に幾つもあるんだね」
「この木は昔の戦争中に増大されたんだ、この館は医療所で腹減った兵士達は治療を終え、バスケットの実を貪り戦場に行ったんだとよ」
レヴィが果実を齧りつきながら言った
「サーカスに潜入した皆は無事なのでしょうか?」
オペラが瓶ジュースを飲みながら話す
「“一応”保護者も居るみたいだし大丈夫でしょう」
クラーケンは小さな口で大きなハードサンドイッチを頑張って食べている。
「妾も交ぜよ」
すると腰をひねりながらキャンディが歩いてきた
「どうぞ~なんなら食べさせましょうか?」
レヴィは慣れた手つきでキャンディとの距離を詰めた
「積極的な奴は大好きじゃ、だが私室に限るぞ」
ハラリと交わしフワフワと浮いているソファに跨がると
包み紙のお菓子を食べはじめた。
「サーカスなら心配しなくて良い“結界”ももうじき解ける」
カスタードから各自伝えられており、結界の存在は皆知っていた。
「僕達は…結界の張り直し、及び邪魔する人達の排除ですね?」
ニコリとオペラがキャンディに微笑み返した。
「純白と墨の者は聡いヤツガシラ多いのぉ~そうじゃ故に魔法に力を入れている奴が必要になる、墨国のキクスケは結界の張り直しに必要不可欠、結界の破壊確認次第、純白のクリームが合流する算段だ」
ニヤリと楽しそうに笑うキャンディ、そこに青年のジョーカーが合流した。
「翠のダークウルフの長、紅の火山の巫女、蒼の人魚、純白のシスター、墨の撫子、そして紫のキャンディがそれぞれ未来を予知し、大まかには4日後が決行日だ」
その場の全員が息を呑んだ。
四日後までに稽古をつけて貰うのだ。
全員で、力を合わせて
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