COLORFUL_WARS

綺羅星宇宙

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3章 喜劇か悲劇か伝記となるか……サーカス開演!

2人が創る世界

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【破壊しかできない、破壊されたいのは貴男だけ】
1人の女王は王から愛を乞おうとした
乞おうとする間に愛が降り注がれた、溺れるほどに。



「なぁ本当に大丈夫なのかい?私達」女は“あの部屋”で男の手を握っている、指に大きな指輪を幾つもはめながら。
「何言ってる?大丈夫に決まってるさ。そのための今までだ」男は女の手を握り返し言った。
「アソコから逃げ出して私達だけの国を創るんだ、アイツら以外、本当に私達だけで選別して、創る世界…もう絶対に戻ったりしない」
「急にどうしたんだ、ほら、君はいつまでも美しい…あの時のままだ、なぁどんな世界にしたい?」
男は女の顔をガッシリと掴んだ。

「今日は楽器教えてくださーい!」
階段下の物入れの扉がノックされ子供達の声がした
「あぁ今向かうよ」
女は震えた声で返事をし一呼吸おいてからドアを開けた



 「ねぇ奥方様はどんな世界にしたいのー?」
子供達に囲まれながら様々な楽器を奏でては教えるを奥方様は繰り返していた。
「いつも言ってるじゃないかっ私達だけの素敵な国と世界さ、勉強や楽器、料理の仕方は私が教えているだろぅ?お前達が大きくなって、“子供達”に教えてあげればいいのさ」
子供達はこの世界が全てだと思っている、結界の外に世界が広がっているなど知るよしもない。
奥方様とあの男はソレが幸せなことだと思っている。
胸に誓っている。
まだ幼い女の子が何人かでクッキーやサンドイッチをピクニックバックいっぱいに詰めて、4人ほど表れた。それぞれ大きなピクニックバックを持って。
「ふーーん今度はドコとドコがケッコンするんだろーなー」
少年はクッキーを口いっぱいに詰め込みながら話す
「ふふふっお前も良い相手がみつかるさ」
広い平原に音は響いていっている。




 「水晶玉が無くても結界を維持できるってのは本当なのかい?」
奥方様はレニューカに問いただす
「は!はい!私の研究で、水晶を使わずとも結界を維持できます」
敬礼のポーズをし、レニューカは自身の地下研究室にて研究の成果を見せている。
「で、原動力は何なんだ?」テルギアは冷めた口調でレニューカに言い放った。
「原動力はーーーーーーー」



 「私達はもう“箱庭”には戻らないわ」奥方様は自分の部屋で1人呟いた。
箱庭、それはパレット大陸と戦争を起こした大陸にある魔法協会のことである。
身寄りの無い者達をあらゆる魔法の使い手に育て上げ
“いつか”のために永遠によって教育し続ける協会だ。
人1人寝転ぶのがやっとの部屋、簡易な机と戸棚と気持程度のタンスがあるが、眠るか本を窮屈に読むことしかできない。
定期的なテストやミッションを成功すると、箱庭内で使える通貨が少し貰えて、箱庭内の売店で欲しい物を買う。だが部屋を大きくするためには膨大な資金が必要であるために、基本的には寒さをしのぐために毛布や、少ない娯楽の本を買う。
 ある時、若かりし奥方様が比較的報酬の良い仕事を終え売店で本を沢山と少しのお菓子、飲み放題とされている茶をバケツほどの容器に淹れて、魔法で自室まで持っていっている。
産まれてすぐ捨て子だった奥方様、隣室は誰かなどここでは解らないし知らないことが多い。訓練は毎日のように受けるが“大人”以外と話してはいけないのだ。
この箱庭の娯楽は本、ドリンクバー、スケッチブックと可愛くない筆記用具だけ。
成長すれば大陸軍の、捨て駒として散るだけ、そんなの
わかっていた。
私室に入り机にバケツほどの茶と、数冊の分厚い本、少しのお菓子を置いて読書に耽ようとした。
今日は大人が出払っており奥方様は1日休みなのだ。
たまりに溜まった洗濯物を慣れない洗濯魔方陣に突っ込み洗濯を開始したが、慣れていないから時間が物凄くかかる。
【G戦場のアリア達】という題名の本は1冊8センチメートルほどの厚さで5巻でているらしく、奥方様は夢中になりながら読んでいた、このGは何を意味するのか?
少女達はどうなるのか?
そんな考えを巡らせながら幼き奥方様は読み耽っていた

コンコン

音がした、隣の部屋から

コンコン、コン
また。
「なに?」
産まれてきてこんなのは初めてだ。
人差し指でコンコンとノックを打ち返した。
コンコンと互いにノックをしあう、顔も分からない隣人に、すると魔方陣が現れると手紙を吐き出し、ノックの回数と意味が書かれた手紙を必死で読みこんだ。
その手紙を引き出しの奥底にしまい込んだ。

 コンコン
(一緒、に、抜け、だ、しましょ、う)
ある晩いつものように、隣からメッセージが届いた。たがその内容は心臓が痛くなるような意味だった。
コンコン、コン
(逃げたい、けど、む、り、よ)
(だい、じょーぶ、てが、みおくる、ね)
すると魔方陣が現れて手紙が届いた、その手紙にはこう書かれていた
 【3日後に、大人達が箱庭から出払うらしい、戦争が始まるらしい、その隙に逃げましょう】
「そんなの……信じられない……」
奥方様はそのまま手紙を破り捨て灯りを消し頭まで布団を被り、眠った。

 だが3日後に箱庭の子供達は戦争に駆り出されると聞かされたのだ。
「各自用意を怠るな!朝8時に集合だ!いいな!」
大人達はそう叫ぶと急がしそうに基地に向かった。
子供と呼ばれるような年齢の者はいなかった、全員が箱庭では“子供”という、奴隷なのだと気が付く者などいなかった。当時で最高傑作の魔道飛行機が何台もあった。
(あれに乗れば……どうせ死ぬなら役に立ってなどやるものか)
奥方様は自室に戻り、魔方陣の中に部屋にある物全てを
詰め込んだ。詰め込んだ物が多いため呪文は3倍ほどの詠唱になったが、杖を服の下に隠して部屋を出た。
脱出など幾らでもできるのだ。なのに洗脳によって誰も脱出などしなかった。
 奥方様は人目をかいくぐり、魔道飛行機が停められている場所まで来れた。
そして走った、脱出を阻止するためなのだろうか、支給される靴は全て走るには不向きだ。それがなんだと言わんばかりに靴を脱ぎ片手でギュッと握り締めて走り続けた。
操縦席のドアを力尽くでこじ開け、操縦席に座る、すると後の耳元から囁かれた。
「操縦するのは僕だから」
声にならない声で振り向き杖を構える。
「……やっと会えた…ノックしてたのは僕だよ」
「ハァ……ハァ…行く当てはあるの?」
この際何でも良かったのだ、ここから出られれば
「あるさ。じゃなきゃ手紙を送らない。さ、変わって」

男が操縦をし始めて暫くになる、すると1件の小屋の前に止まった。
「僕は小さいときにお爺さんに育てられててね、ココは誰にもみつからない場所さ、名前は?」
「名前?そんな物ない、産まれてずっと箱庭だ」
「じゃあパルーチェだな」 
「パルーチェ?」
そう言う彼は自分の杖を後部座席から取り出した、身丈よりもある長い杖だ。
呪文を唱えると周囲が結界に包まれた、魔物さえこちらの存在に気が付いてない。
「この結界を大きくして、国を創る、僕とパルーチェは王と女王だ、皆のあこがれの“奥方様”だ!ワクワクするだろ?」
男は助手席にいるパルーチェの座席を倒しながらニカッと笑った。
「結界を大きくするにはどうするの?」
奥方様こと、パルーチェは自分の思うセクシーなポーズを取りながら答えた。
「強くするには、コレからするコト、広くするには……後で言う」
本で憧れていた状況、幸福感に包まれる戦闘機の中。

 「ん……結界を広くするには…なに、が…必要なの?」
事を終え乱れた髪のまま冷たい座席に横たわる。
「命、さ」
そう答えると箱庭の構成員が後ろに何人か気を失った状態でいた。
「素敵…私達で創る世界……」
パルーチェは男に擦り寄った、殺ししか自分の得意な事は無いのだ。
自分達の世界のために、この手を使おう……パルーチェの理想郷なのである。
「僕の名はルーチェ、この国の王だ」
するとルーチェはパルーチェの手を取り魔道飛行機から降りると、気絶していた構成員を生け贄にし、結界を強化していった。


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