COLORFUL_WARS

綺羅星宇宙

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3章 喜劇か悲劇か伝記となるか……サーカス開演!

再開

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[私を華と言うのなら、いつまでと咲き続けましょう私を人形と言うのなら、いつまでも遊び相手でいつづけましょう。私を奴隷と言うのなら人生をすべて差し上げましょう。貴方がいない世界など私にとっては鉱物と同じ]
メイドはボスを子供をあやすように対応すると
るんるんと楽しそうに服を着はじめた。




マルクスの傍にいることになったロキは学園内で待機をしていた、身の回りの世話をしてくれるメイドールと共に。
「そろそろ来てくれるころかな?」
「何が?」
マルクスは学園内の私室で赤い木の実のパイを食べていた
 「やー!久し振りだなー!元気してたか?」
そこに入って来たのはルチアーノファミリーとキャルベットだった。
ロキは言葉を失った。また強くなって会いに来ると言って出てきたファミリーが今目の前にいる。
ロキは頬を抓った、ポカンとした顔のままルチアーノ・ファミリーを見ている。
「君に会わせたくて嘘をついちゃった。ごめんね」
マルクスはフフッと笑いながらロキを見た。
「面構えが変わったな、ロキ」
「お久しぶりです、会えてキャルベットは幸せです」
髪の毛を上品に纏めたキャルベットは昔と変わらずロキに微笑みかけていた。
「あ……あ、えっと」
挙動不審なロキをルチアーノは1発叩き込む。
「痛て!テメェ何しやがる!久し振りの再会なんだぞ!解ってるのか!」
いつものロキに戻った。
「あっははは、まぁ頼み事の話をしようか」
マルクスはパチン!と指を鳴らすと、二人のメイドールがすぐに現れお茶会のセットをした。
「もちろんメイドールを専属ってのもドッキリだから」
「は」
 お茶会のセットが完了しルチアーノ、マルクス、ロキ、キャルベットは席に着き話し始めた。
「この前俺らファミリーが運営してる酒場、それもガルバッボ地区にある酒場にサーカスの組員と名乗る奴が来た」
ルチアーノはワインをガブ飲みながら封筒をマルクスに渡す
ガルバッボ地区。それは紅国でもスラム地区でありルチアーノファミリーの監視下にあるため殺人こそ、あまり起きないが治安が良くない。
「その組員は“火山の民”を探していたそうです、ですがあの地区で火山の民を探すということは知識は余り持っていないかと」
キャルベットは出された焼き菓子を綺麗に切り分け少しずつ食べている。
「火山の民なんか会えるわけねーだろーがよ」
ロキは手づかみでワッフルを乱暴に食べている。
「きっと奴らは結界に使うんだろーな」
ルチアーノは呆れながら言い放った
「火山の民を生け贄にすれば鉄壁の結界が完成する……そんな御伽噺を信じてるなんて哀れだねぇ」
普段見せない嘲うかのような顔で書類をテーブルに置く。
「そこからは報告は特に貰ってない。ウチの組員と揉めたらしいが返り討ちにしてやった」
ルチアーノがニシシと、してやったりな顔をした。
「明日の夜、特攻斑がサーカスを奇襲する、翠の射撃斑は護衛を務める。魔法斑は二部隊に別れて攻撃斑と援護斑に」
「ウチは差し詰め帰る際の“足”だろ任せとけ」
「翠の移動手段は速さに特化してないからね、ルチアーノファミリーと蒼国の船と紫のアトラクションと呼ばれる飛行移動手段、どれも今回の作戦に無くてはならないよ」
ロキは聞くだけでもワクワクしていた、この世で初めて家族となった者達と仕事が出来ることを。
聞けばルチアーノファミリーはマルクスと協力する代わりに風変わりではあるが紅国軍公認のマフィアとなった。
 「んで、俺は明日どーすればいーわけ?」
ロキは何でも任せてくれと言わんばかりにヘヘンとした顔でマルクス達を見た。
「明日は混乱すると予測される、混乱の中潜伏中の仲間を見つけること、そして奪える限りの情報を奪うこと。できるかい?」
マルクスもフフンとした顔でロキに聞いた。
「当たり前だ、誰に聞いてやがる!」
椅子の上に立ち上機嫌である。
 「アイツも良い面構えになったじゃねーか」
ルチアーノはロキが出ていったあとマルクスに話した。マルクスはいつもの笑みを浮かべ笑っている。
「もしかすると、本当にやり遂げてしまうかもしれないね、ロキ君なら。単独行動だからこそ強いが仲間との連結をもっと学んでほしい」
マルクスはメイドールに言付けを頼み話を続けた。


「あぁ…ロキ様…本当に寂しかった…会いたかった…」
キャルベットはロキの私室に行くとメイドという立場を忘れロキに甘えはじめ出した。
「わかった!オレも会いたかった!お前が二人っきりになったらこうなるも知ってる!」
ロキはあまりにも熱烈なアプローチにタジタジだ。
キャルベットは躰という躰をロキに押し付ける。
昔は散々“遊んでいた”のに久方の再開に吹っ切れたのはキャルベットらしい。
「私はロキ様に会えなかった時間。それはもう堕落していたと言っても過言ではありませんっ」
目元を赤くさせながらキャルベットはロキに話した。
「ですから…」
胸元のボタンをパチリパチリと外した肌には昔の契約陣が色濃くあった。
契約陣の色が濃いいのは契約が強くなっているという意味だ。
「コッチ来いよ」
ロキはキャルベットを浴室まで腕を引いた。
 脱衣所は広く浴室も3番目に大きい部屋がロキの部屋だが3番目と言っても広すぎるのだ。
曇りがかった磨りガラスの浴室のドアには時々踏ん張っているような手が現れたり、磨りガラス1面が泡まみれになったりした。
再開の気持ちは泡と混じりあっていった。





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