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6歳
159 友達
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ふわふわくまさんを隣に座らせて、にこにこ笑顔になるぼく。
「ノアお兄さん優しいでーす。ぼく嬉しいです」
「わかったから。何度も言わなくていいよ」
照れたように視線を逸らすノアに、ノエルもマックスも微笑ましい目を向けている。ノアはぼくに意地悪したこともあるけど、それはノエルの評判を落とすためにやったこと。態度は素っ気ないけど根は優しいのだとわかる。
「くまさん。今日からぼくのお友達です」
「よかったですね、アル様!」
「はーい」
ぼく以上に喜んでいるロルフは「へへ、アル様がかわいい」と締まりのない表情でへらへらしている。楽しそうでなによりだ。ロルフもくまさん好きなのだろうか。
そうして無事に終わったお誕生日パーティー。
シャルお兄さんもご招待したはずなのだが、最後までその姿は確認できなかった。その代わりにご招待した覚えのないガストン団長がしれっと混じっていたけど。どうやらライアンが連れて来たらしい。別にいいけどね。賑やかな方が楽しいから。
ノエルとノアはそろそろ帰らなければならない時間だ。でも次はいつ遊べるのだろうか。ぼくの遊び相手としてオルコット公爵家に通っていたノエルであるが、おうちのゴタゴタが理由で最近は遊びに来ていなかった。
しかしノアの一件も一応解決したわけで。
そろそろぼくとも遊んでほしい。そわそわとノエルを見上げて「また遊びに来てくれますか?」と訊いてみる。
目を細めるノエルは「もちろん。また明日来ますね」と嬉しいことを言ってくれた。
「ノアお兄さんも一緒に来てくださぁい!」
「なんで僕が」
「ぼくと遊んでください」
「嫌だ」
「がーん!」
酷すぎる。
そんな直球でお断りしなくてもいいのに。へにゃっと眉尻を下げるぼくに、ノエルが慌てて「すみません、アル様」と謝ってくる。ノエルが謝る必要はないのに。
「どうしてそんなこと言うの?」
だめだよとお兄さんらしく注意するノエルであるが、肝心のノアはそっぽを向いている。けれどもちらちらとぼくに視線を注いでくるノアは、「アルくんとは遊んであげるけど」ともごもご呟く。相変わらずの上から目線である。
「こいつと一緒は嫌だ」
ノアがこいつと指差したのは、ノエルである。そんな邪険に扱わなくても。君のお兄さんでしょ。
これにノエルがちょっぴり困った顔をみせた。
ぼくとしては三人で仲良く遊びたいんだけど。でもノアの気持ちもわからなくはないから無理強いはできない。うーんと困った末に、ノエルが「じゃあしばらくは交代で通う?」とノアに提案した。これにノアが小さく頷く。
「アル様もそれでいいですか?」
「……うん。いいでーす」
まぁ、いきなり兄弟仲良くは無理か。
そのうちね、そのうち仲良くなれればいいと思う。
「じゃあまた来てください。ぼく待ってます」
絶対だよと念押ししてから、マックスと共に帰宅する双子を見送った。
ノアにもらったくまさんをぎゅっと抱っこして、パタパタ走る。ロルフがいつも以上に「かわいい……!」となにやら悶絶しているが無視しておいた。
「お兄様ぁ! 見てください。ノアお兄さんがくれました。くまさんです」
まだ会場に残っていたリオラお兄様に突進すれば、「うん。見てたよ。よかったね」と笑顔を見せてくれる。
どうやらぼくがずっとくまさんを抱えていたのを見ていたらしい。にっこにこのぼくは、お兄様とお話し中だったライアンにも自慢する。
「くまさんです。ノアお兄さんにもらいました」
「かわいいですね」
「はぁい!」
そのままくまさんを抱えて、ライアンの隣にいたガストン団長を見上げる。
「……ガストン団長のことご招待してません」
ぼそっと呟けば、団長がむせた。
普段からキリッとしたお顔の団長である。そういう仕草は珍しい。相変わらずの目力で、団長は「あ、いえ。押しかけてしまい申し訳ありません」と小さく頭を下げてくる。
「いいですよ。お祝いするのは、誰でも歓迎でーす。でもシャルお兄さん来てないね? せっかくご招待したのに」
「っ!」
きょろきょろするぼくに、なぜかガストン団長が息を呑む。ライアンとリオラお兄様が、団長に憐れむような目を向けた。
「ガストン団長。シャルお兄さんどこに行ったか知りませんか?」
シャルお兄さんは騎士団にお勤めである。団長であれば、彼の仕事のスケジュールなども把握しているのではないかとの期待を込めて、団長を見上げる。
鋭い目の団長は、けれども困ったように固まっている。
「団長?」
くいと彼の袖を引けば、団長が弾かれたように肩を揺らした。ぼくの前に片膝をつく団長は、「あ、いえ」と口ごもった末に「ちょっと。私にもわかりませんね」と小さく頭を下げた。
どうやら団長といえども、騎士たちの動向をすべて把握しているわけではないらしい。そりゃそうか。
「うむ。気にしないで。シャルお兄さん、今日は忙しかったのかもしれないです」
「そ、そうですね」
いつもはキリッと無表情の団長が、なんだか動揺したように視線を彷徨わせているのがちょっと気になるけど。
「いい加減諦めたらどうですか」
ロルフがガストン団長に向かって意味不明な言葉を吐いている。リオラお兄様とライアンも呆れ顔で団長を見ていた。なんだか団長がちょっぴり憐れ。励ますように、団長のことをぽんぽん叩いておいた。
「ノアお兄さん優しいでーす。ぼく嬉しいです」
「わかったから。何度も言わなくていいよ」
照れたように視線を逸らすノアに、ノエルもマックスも微笑ましい目を向けている。ノアはぼくに意地悪したこともあるけど、それはノエルの評判を落とすためにやったこと。態度は素っ気ないけど根は優しいのだとわかる。
「くまさん。今日からぼくのお友達です」
「よかったですね、アル様!」
「はーい」
ぼく以上に喜んでいるロルフは「へへ、アル様がかわいい」と締まりのない表情でへらへらしている。楽しそうでなによりだ。ロルフもくまさん好きなのだろうか。
そうして無事に終わったお誕生日パーティー。
シャルお兄さんもご招待したはずなのだが、最後までその姿は確認できなかった。その代わりにご招待した覚えのないガストン団長がしれっと混じっていたけど。どうやらライアンが連れて来たらしい。別にいいけどね。賑やかな方が楽しいから。
ノエルとノアはそろそろ帰らなければならない時間だ。でも次はいつ遊べるのだろうか。ぼくの遊び相手としてオルコット公爵家に通っていたノエルであるが、おうちのゴタゴタが理由で最近は遊びに来ていなかった。
しかしノアの一件も一応解決したわけで。
そろそろぼくとも遊んでほしい。そわそわとノエルを見上げて「また遊びに来てくれますか?」と訊いてみる。
目を細めるノエルは「もちろん。また明日来ますね」と嬉しいことを言ってくれた。
「ノアお兄さんも一緒に来てくださぁい!」
「なんで僕が」
「ぼくと遊んでください」
「嫌だ」
「がーん!」
酷すぎる。
そんな直球でお断りしなくてもいいのに。へにゃっと眉尻を下げるぼくに、ノエルが慌てて「すみません、アル様」と謝ってくる。ノエルが謝る必要はないのに。
「どうしてそんなこと言うの?」
だめだよとお兄さんらしく注意するノエルであるが、肝心のノアはそっぽを向いている。けれどもちらちらとぼくに視線を注いでくるノアは、「アルくんとは遊んであげるけど」ともごもご呟く。相変わらずの上から目線である。
「こいつと一緒は嫌だ」
ノアがこいつと指差したのは、ノエルである。そんな邪険に扱わなくても。君のお兄さんでしょ。
これにノエルがちょっぴり困った顔をみせた。
ぼくとしては三人で仲良く遊びたいんだけど。でもノアの気持ちもわからなくはないから無理強いはできない。うーんと困った末に、ノエルが「じゃあしばらくは交代で通う?」とノアに提案した。これにノアが小さく頷く。
「アル様もそれでいいですか?」
「……うん。いいでーす」
まぁ、いきなり兄弟仲良くは無理か。
そのうちね、そのうち仲良くなれればいいと思う。
「じゃあまた来てください。ぼく待ってます」
絶対だよと念押ししてから、マックスと共に帰宅する双子を見送った。
ノアにもらったくまさんをぎゅっと抱っこして、パタパタ走る。ロルフがいつも以上に「かわいい……!」となにやら悶絶しているが無視しておいた。
「お兄様ぁ! 見てください。ノアお兄さんがくれました。くまさんです」
まだ会場に残っていたリオラお兄様に突進すれば、「うん。見てたよ。よかったね」と笑顔を見せてくれる。
どうやらぼくがずっとくまさんを抱えていたのを見ていたらしい。にっこにこのぼくは、お兄様とお話し中だったライアンにも自慢する。
「くまさんです。ノアお兄さんにもらいました」
「かわいいですね」
「はぁい!」
そのままくまさんを抱えて、ライアンの隣にいたガストン団長を見上げる。
「……ガストン団長のことご招待してません」
ぼそっと呟けば、団長がむせた。
普段からキリッとしたお顔の団長である。そういう仕草は珍しい。相変わらずの目力で、団長は「あ、いえ。押しかけてしまい申し訳ありません」と小さく頭を下げてくる。
「いいですよ。お祝いするのは、誰でも歓迎でーす。でもシャルお兄さん来てないね? せっかくご招待したのに」
「っ!」
きょろきょろするぼくに、なぜかガストン団長が息を呑む。ライアンとリオラお兄様が、団長に憐れむような目を向けた。
「ガストン団長。シャルお兄さんどこに行ったか知りませんか?」
シャルお兄さんは騎士団にお勤めである。団長であれば、彼の仕事のスケジュールなども把握しているのではないかとの期待を込めて、団長を見上げる。
鋭い目の団長は、けれども困ったように固まっている。
「団長?」
くいと彼の袖を引けば、団長が弾かれたように肩を揺らした。ぼくの前に片膝をつく団長は、「あ、いえ」と口ごもった末に「ちょっと。私にもわかりませんね」と小さく頭を下げた。
どうやら団長といえども、騎士たちの動向をすべて把握しているわけではないらしい。そりゃそうか。
「うむ。気にしないで。シャルお兄さん、今日は忙しかったのかもしれないです」
「そ、そうですね」
いつもはキリッと無表情の団長が、なんだか動揺したように視線を彷徨わせているのがちょっと気になるけど。
「いい加減諦めたらどうですか」
ロルフがガストン団長に向かって意味不明な言葉を吐いている。リオラお兄様とライアンも呆れ顔で団長を見ていた。なんだか団長がちょっぴり憐れ。励ますように、団長のことをぽんぽん叩いておいた。
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