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「とにかく早急に元に戻れ。誰かに知られたらどうする。芋蔓式に私とカルロッタの件も知れ渡ってしまうだろう」
『ほうほう』
ギロッと俺を睨みつけてくるダリス殿下は相変わらず物騒だ。
要するに、殿下は婚約者であるカルロッタ嬢を公爵家の次男坊である俺にとられたと世間に知られたくないのだ。殿下が無駄にプライド高くて助かった。
『俺は殿下にとって弟みたいなもんだしねぇ。そんな可愛い弟分に婚約者とられたとか口が裂けても言えないよね、恥ずかしくて』
にやにやと笑えば、殿下が再び俺の頭をガシッと掴んできた。反射的に体を硬くする。犬を相手になんという容赦のなさ。
フロイドが「ウィル様。お願いですから余計なこと言わないでください」と懇願してくる。余計なことってなに。俺は事実しか口にしていない。
『でもそんなに変なことはしてないよ?』
「その話は聞きたくない」
『あ、そう』
カルロッタ嬢とは一晩一緒に過ごしたけど。いざ手を出そうとしたら彼女の方が酒を飲み始めてタイミングを見失ったのだ。かなり豪快な飲み方をしていた。さりげなく俺も口を付けようとしたのだが、「あなたはまだダメよ」とカルロッタ嬢に邪魔をされてしまったのだ。
家族がうるさくて家ではあまり呑めないのよね、と笑っていた。そのうち彼女が寝入ってしまったので、俺は本当になにもしていない。一緒のベッドで添い寝したくらいである。
でもダリス殿下は俺がカルロッタ嬢を抱いたと信じている。違うよと説明したいのだが、殿下は聞く耳持たない。まぁいいや。どうせ俺への処分はないんだから。弁解する意味もあまりない。
くわぁと欠伸する俺に、フロイドとダリス殿下の視線がささる。
『なに? 俺が可愛いからって見つめるなよ』
「なんだその自信に満ちた顔は」
文句を言ってくる殿下に、首を捻っておく。
俺は可愛い。ものすごく。だってふわふわの白い犬だもん。
「元に戻る努力をしろ」
『努力努力』
「おい」
物騒な殿下は、額を押さえて苦い顔。
へらへら笑う俺を仲間外れにして、フロイドと殿下が話し込んでしまう。フロイドに抱えられた俺は、ふたりの顔を交互に眺めてふむふむ頷いておく。格好だけでも話し合いに参加している感を出したかったのだ。
やがてふたりの間で話がまとまったらしい。いわく、聖女に頼むのが一番手っ取り早いということだ。確かにね。俺をこの姿にしたのも聖女だもんね。
「神殿には私から話を通しておこう」
「はい」
律儀に段取りを決める殿下は、俺に向き直ると今から神殿に赴いて聖女に頼んでこいと横暴な態度で指示を出してきた。
別にいいけどさ。その上から目線はなんだ。
不満をあらわにするが、ダリス殿下は気が付かない。「さっさと行け」と追い払うかのように手を振ってくる。
フロイドに抱えられたまま神殿に向かう。今日の俺は行くところがいっぱいで忙しいな。神殿は王宮内にある。聖女はここで神に祈りを捧げるのだ。
神聖な空間なので、おいそれと立ち入ることはできない。でも殿下が話を通しておくと言っていたので大丈夫だと思う。たぶん。
「余計なこと言わないでくださいよ。ヒヤヒヤするんですけど」
『なぜ』
なぜか俺に責任を押し付けてくるフロイドは、神殿前までやって来ると足を止めた。硬く閉ざされた重厚な扉の前には、神殿を守る兵士の姿がある。
怪訝な顔でフロイドを見つめる兵士たち。犬を抱えた男がやってきたらそうなるよな。フロイドはこれでも王立騎士団所属である。普段は俺に仕えているので騎士団の制服は着ていない。側から見れば、単なる使用人の男に見えるだろう。
「あの、なにか?」
そのうち兵士のひとりがフロイドに話しかけてきた。「あ、その」と口ごもるフロイドは頼りない。俺はなんとなくこうなる予感がしていた。
だって殿下が神殿に話を通しておくと言ってからまだ時間が経っていない。殿下はおそらく人を呼んで神殿への伝達を命じるだろうから、殿下の部屋からまっすぐここまで歩いてきたフロイドよりも先に伝達役の者が来ているとは考えられない。フロイドはこういうところが抜けている。
ケラケラ笑えば、兵士が驚いたような顔で俺を凝視した。危ない危ない。ちょっと笑い方が人間っぽかった。俺が普通の犬ではないとバレてしまう。俺が犬になったことは極秘事項なのだ。神殿の入り口を警備する兵士が知っているはずもない。
フロイドが俺を抱っこする腕にちょっぴり力がこもる。余計なことをしないでくださいというフロイドの真面目な声が頭をよぎった。
「その。聖女様にお目通り願いたいのですが」
「申し訳ありません」
だろうな。突っぱねる兵士は何も悪くない。そう簡単に聖女とは会えないことになっているからな。
フロイドも気が付いたのだろう。しどろもどろに殿下の名前を出している。
「そのうち話が伝わると思いますので。ここで待ちます」
「はぁ」
首を傾げる兵士から愛想笑いで離れて、フロイドがため息を吐く。どうやら殿下からの伝達を待つつもりらしい。そうであれば、ここら辺を散歩して暇を潰したい。兵士の耳に入らないよう小声で『おろせ』と抗議すれば、「変なことしないでくださいよ」と苦い声が返ってきた。変なことってなんだよ。具体的に言ってみろ。
『ほうほう』
ギロッと俺を睨みつけてくるダリス殿下は相変わらず物騒だ。
要するに、殿下は婚約者であるカルロッタ嬢を公爵家の次男坊である俺にとられたと世間に知られたくないのだ。殿下が無駄にプライド高くて助かった。
『俺は殿下にとって弟みたいなもんだしねぇ。そんな可愛い弟分に婚約者とられたとか口が裂けても言えないよね、恥ずかしくて』
にやにやと笑えば、殿下が再び俺の頭をガシッと掴んできた。反射的に体を硬くする。犬を相手になんという容赦のなさ。
フロイドが「ウィル様。お願いですから余計なこと言わないでください」と懇願してくる。余計なことってなに。俺は事実しか口にしていない。
『でもそんなに変なことはしてないよ?』
「その話は聞きたくない」
『あ、そう』
カルロッタ嬢とは一晩一緒に過ごしたけど。いざ手を出そうとしたら彼女の方が酒を飲み始めてタイミングを見失ったのだ。かなり豪快な飲み方をしていた。さりげなく俺も口を付けようとしたのだが、「あなたはまだダメよ」とカルロッタ嬢に邪魔をされてしまったのだ。
家族がうるさくて家ではあまり呑めないのよね、と笑っていた。そのうち彼女が寝入ってしまったので、俺は本当になにもしていない。一緒のベッドで添い寝したくらいである。
でもダリス殿下は俺がカルロッタ嬢を抱いたと信じている。違うよと説明したいのだが、殿下は聞く耳持たない。まぁいいや。どうせ俺への処分はないんだから。弁解する意味もあまりない。
くわぁと欠伸する俺に、フロイドとダリス殿下の視線がささる。
『なに? 俺が可愛いからって見つめるなよ』
「なんだその自信に満ちた顔は」
文句を言ってくる殿下に、首を捻っておく。
俺は可愛い。ものすごく。だってふわふわの白い犬だもん。
「元に戻る努力をしろ」
『努力努力』
「おい」
物騒な殿下は、額を押さえて苦い顔。
へらへら笑う俺を仲間外れにして、フロイドと殿下が話し込んでしまう。フロイドに抱えられた俺は、ふたりの顔を交互に眺めてふむふむ頷いておく。格好だけでも話し合いに参加している感を出したかったのだ。
やがてふたりの間で話がまとまったらしい。いわく、聖女に頼むのが一番手っ取り早いということだ。確かにね。俺をこの姿にしたのも聖女だもんね。
「神殿には私から話を通しておこう」
「はい」
律儀に段取りを決める殿下は、俺に向き直ると今から神殿に赴いて聖女に頼んでこいと横暴な態度で指示を出してきた。
別にいいけどさ。その上から目線はなんだ。
不満をあらわにするが、ダリス殿下は気が付かない。「さっさと行け」と追い払うかのように手を振ってくる。
フロイドに抱えられたまま神殿に向かう。今日の俺は行くところがいっぱいで忙しいな。神殿は王宮内にある。聖女はここで神に祈りを捧げるのだ。
神聖な空間なので、おいそれと立ち入ることはできない。でも殿下が話を通しておくと言っていたので大丈夫だと思う。たぶん。
「余計なこと言わないでくださいよ。ヒヤヒヤするんですけど」
『なぜ』
なぜか俺に責任を押し付けてくるフロイドは、神殿前までやって来ると足を止めた。硬く閉ざされた重厚な扉の前には、神殿を守る兵士の姿がある。
怪訝な顔でフロイドを見つめる兵士たち。犬を抱えた男がやってきたらそうなるよな。フロイドはこれでも王立騎士団所属である。普段は俺に仕えているので騎士団の制服は着ていない。側から見れば、単なる使用人の男に見えるだろう。
「あの、なにか?」
そのうち兵士のひとりがフロイドに話しかけてきた。「あ、その」と口ごもるフロイドは頼りない。俺はなんとなくこうなる予感がしていた。
だって殿下が神殿に話を通しておくと言ってからまだ時間が経っていない。殿下はおそらく人を呼んで神殿への伝達を命じるだろうから、殿下の部屋からまっすぐここまで歩いてきたフロイドよりも先に伝達役の者が来ているとは考えられない。フロイドはこういうところが抜けている。
ケラケラ笑えば、兵士が驚いたような顔で俺を凝視した。危ない危ない。ちょっと笑い方が人間っぽかった。俺が普通の犬ではないとバレてしまう。俺が犬になったことは極秘事項なのだ。神殿の入り口を警備する兵士が知っているはずもない。
フロイドが俺を抱っこする腕にちょっぴり力がこもる。余計なことをしないでくださいというフロイドの真面目な声が頭をよぎった。
「その。聖女様にお目通り願いたいのですが」
「申し訳ありません」
だろうな。突っぱねる兵士は何も悪くない。そう簡単に聖女とは会えないことになっているからな。
フロイドも気が付いたのだろう。しどろもどろに殿下の名前を出している。
「そのうち話が伝わると思いますので。ここで待ちます」
「はぁ」
首を傾げる兵士から愛想笑いで離れて、フロイドがため息を吐く。どうやら殿下からの伝達を待つつもりらしい。そうであれば、ここら辺を散歩して暇を潰したい。兵士の耳に入らないよう小声で『おろせ』と抗議すれば、「変なことしないでくださいよ」と苦い声が返ってきた。変なことってなんだよ。具体的に言ってみろ。
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