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それから王太子殿下はこっそりと教えてくれた。実はイアン殿下はわたくしとの婚約破棄を陛下と王妃様に申し入れたみたい。けれど、王妃様はもちろん大反対。それもそうよね。こんなに仕事をしてくれてあまつさえ働いてくれている臣下からの評価は上々。それに加えて自分の評価も上がっていくのだから。
どう考えてもわたくしを手放すのはよろしくないとわかっているのでしょうね。国王陛下にも王妃様からお話しが行っているようで、わたくしの評価が高いみたい。
そりゃ反対されるわよね。イアン殿下の尻拭いをしてくれるいい人材だもの。王宮内が正常に回っているのもわたくしが仕事をしているおかげでもあるのよね。
以前秘書官の方や王妃様にわたくしが仕事をやめたらどうなるのかそれとなく聞いてみたんだけれど、第二王子が不在の今、もう王宮は回らなくなるだろうと言っていたわ。
流石にそれでは結局皺寄せがくるのは民なので、お給金で仕事を続けているのだけれど。
というか問題は、それに激怒したイアン殿下が乗り込んでくることね……
王宮には寄り付きたくないみたいだからきっとわたくしの家に確実に来るわね……
いやだわ。図書室についで二番目に落ち着ける場所を荒らされるなんて。
はあぁぁぁ。
あ、ついでに王太子殿下に学園のお休みについて聞いておけばよかったわ。
休憩から戻ると、二人とももう仕事を始めていたみたい。遅くなってごめんなさいねと声をかけたら「いえ、先ほど戻ってきたばかりです」って言ってくれて。
とてもいい方々ね。こういう人たちこそ大事にしなければ足元を掬われてしまうのにね。
人が増えたおかげか今までで一番早く仕事を終えることができたわ。
お二人にも御礼を述べて家へ帰った。
「さあアリアっ。お話を聞かせて頂戴。あなたのおかげでとても働きやすくなったと臣下からの言葉が絶えないのよ。なんでも言って頂戴な」
約束していた王妃様とのお茶会。初めのうちは王妃様もビクビクしていたけれど、結果的に自分の評価や陛下の評価が上がったことで、楽しくなってきたみたい。
わたくしみたいに意見を述べるものも今までいなかったみたいなのだけれど、今では気軽に臣下からの意見を聞いているみたい。
まあ、王妃様も身分の低い家から嫁いだから余計に腫れ物に触るみたいな態度を取られていたみたい。それもそれでかわいそうだなと思うわ。最近では自分から臣下に色々聞いてお勉強もされていると伺っている。
とてもいい傾向ね。
やっぱりきっかけさえあれば人って何歳でも変われるものね。
「今日は、わたくしの学園の授業免除をお願いしたく、参りましたの」
「まあ、そうなのね。ちょっと待って頂戴。詳しいものを呼ぶから」
こうして自分ではわからないことはわからないままにせず、わかるものを頼るようになったおかげで信頼関係も良好みたいね。初めはどうしてやろうかと少し、ほんのすこーし考えていたけれど。
「王族は学園での授業免除が許可されます。それに準ずるもの、王家からの依頼の仕事であれば、一切を免除できます」
「そうなのね! 許可しましょう。陛下にも伝えておくわ」
「ありがとうございます。ただ、免除するのは午後からの授業で大丈夫ですよ。そのくらいでちょうど秘書官の方も定時で上がれますから」
「まあまあ! 秘書官の方の時間まで気にしてくれているのね。それはいいわね。一日の時間を決めてその時間で仕事が終われるようにしていけば、過労で倒れる人も減るかしら?」
どうやらかなりお勉強されているみたい。この世界では毎日朝から晩まで働くことが当たり前で、王族、貴族、平民ともに同じみたい。最近では他国で導入されている時間や休日のシステムをしっかりと学んでいらっしゃる。
「そうですね。一日八時間程度がよろしいかと。それと秘書官から、ぜひ連休が欲しいと。どうやら長期休暇でお休みされている教育係の方がかなり心身ともにリフレッシュされているみたいで、自分たちもたまには休んでみたいと要望がありまして。もちろん皆が一斉に休むと仕事に支障が出ますから日程は相談しないといけないでしょうけど」
「そうね! 私たちもお休み欲しいもの。まずは王族が休めれば、臣下も休めていいものね。王宮のお休みをまずは一日決めて緊急の要件のみの受付、交代でお休みの日に要件を受け付ける人を残したらどうかしら」
「それもいいですね。皆が休んでいる時にお仕事してもらうのでお手当をつけたらいいかと思います」
キラキラと目を輝かせる王妃様に周りの人たち。前世では当たり前のことがこの世界では新しい試みなのよね。
わたくしの常識の押し付けかしらと少しなたんだこともあったけれど、いい方向に変わっていきそうね。
王妃様もなんだか楽しくなってきたのか色々王宮内の改革に乗り気みたいだし。
にこりと微笑んで退室する。相変わらずすれ違う人々の頭を下げられるのだけは慣れないけれど……
まあいいわ。学園を午後からお休みしていいのなら、毎日お仕事したらちょうど学園が終わる頃に帰れるわね。
それにイアン殿下たちの動向も調査したいし、ちょうどいいわ。
ふんふんと鼻歌を歌いながらどうにか今日の分のお仕事を終わらせることができた。
それから王太子殿下はこっそりと教えてくれた。実はイアン殿下はわたくしとの婚約破棄を陛下と王妃様に申し入れたみたい。けれど、王妃様はもちろん大反対。それもそうよね。こんなに仕事をしてくれてあまつさえ働いてくれている臣下からの評価は上々。それに加えて自分の評価も上がっていくのだから。
どう考えてもわたくしを手放すのはよろしくないとわかっているのでしょうね。国王陛下にも王妃様からお話しが行っているようで、わたくしの評価が高いみたい。
そりゃ反対されるわよね。イアン殿下の尻拭いをしてくれるいい人材だもの。王宮内が正常に回っているのもわたくしが仕事をしているおかげでもあるのよね。
以前秘書官の方や王妃様にわたくしが仕事をやめたらどうなるのかそれとなく聞いてみたんだけれど、第二王子が不在の今、もう王宮は回らなくなるだろうと言っていたわ。
流石にそれでは結局皺寄せがくるのは民なので、お給金で仕事を続けているのだけれど。
というか問題は、それに激怒したイアン殿下が乗り込んでくることね……
王宮には寄り付きたくないみたいだからきっとわたくしの家に確実に来るわね……
いやだわ。図書室についで二番目に落ち着ける場所を荒らされるなんて。
はあぁぁぁ。
あ、ついでに王太子殿下に学園のお休みについて聞いておけばよかったわ。
休憩から戻ると、二人とももう仕事を始めていたみたい。遅くなってごめんなさいねと声をかけたら「いえ、先ほど戻ってきたばかりです」って言ってくれて。
とてもいい方々ね。こういう人たちこそ大事にしなければ足元を掬われてしまうのにね。
人が増えたおかげか今までで一番早く仕事を終えることができたわ。
お二人にも御礼を述べて家へ帰った。
「さあアリアっ。お話を聞かせて頂戴。あなたのおかげでとても働きやすくなったと臣下からの言葉が絶えないのよ。なんでも言って頂戴な」
約束していた王妃様とのお茶会。初めのうちは王妃様もビクビクしていたけれど、結果的に自分の評価や陛下の評価が上がったことで、楽しくなってきたみたい。
わたくしみたいに意見を述べるものも今までいなかったみたいなのだけれど、今では気軽に臣下からの意見を聞いているみたい。
まあ、王妃様も身分の低い家から嫁いだから余計に腫れ物に触るみたいな態度を取られていたみたい。それもそれでかわいそうだなと思うわ。最近では自分から臣下に色々聞いてお勉強もされていると伺っている。
とてもいい傾向ね。
やっぱりきっかけさえあれば人って何歳でも変われるものね。
「今日は、わたくしの学園の授業免除をお願いしたく、参りましたの」
「まあ、そうなのね。ちょっと待って頂戴。詳しいものを呼ぶから」
こうして自分ではわからないことはわからないままにせず、わかるものを頼るようになったおかげで信頼関係も良好みたいね。初めはどうしてやろうかと少し、ほんのすこーし考えていたけれど。
「王族は学園での授業免除が許可されます。それに準ずるもの、王家からの依頼の仕事であれば、一切を免除できます」
「そうなのね! 許可しましょう。陛下にも伝えておくわ」
「ありがとうございます。ただ、免除するのは午後からの授業で大丈夫ですよ。そのくらいでちょうど秘書官の方も定時で上がれますから」
「まあまあ! 秘書官の方の時間まで気にしてくれているのね。それはいいわね。一日の時間を決めてその時間で仕事が終われるようにしていけば、過労で倒れる人も減るかしら?」
どうやらかなりお勉強されているみたい。この世界では毎日朝から晩まで働くことが当たり前で、王族、貴族、平民ともに同じみたい。最近では他国で導入されている時間や休日のシステムをしっかりと学んでいらっしゃる。
「そうですね。一日八時間程度がよろしいかと。それと秘書官から、ぜひ連休が欲しいと。どうやら長期休暇でお休みされている教育係の方がかなり心身ともにリフレッシュされているみたいで、自分たちもたまには休んでみたいと要望がありまして。もちろん皆が一斉に休むと仕事に支障が出ますから日程は相談しないといけないでしょうけど」
「そうね! 私たちもお休み欲しいもの。まずは王族が休めれば、臣下も休めていいものね。王宮のお休みをまずは一日決めて緊急の要件のみの受付、交代でお休みの日に要件を受け付ける人を残したらどうかしら」
「それもいいですね。皆が休んでいる時にお仕事してもらうのでお手当をつけたらいいかと思います」
キラキラと目を輝かせる王妃様に周りの人たち。前世では当たり前のことがこの世界では新しい試みなのよね。
わたくしの常識の押し付けかしらと少しなたんだこともあったけれど、いい方向に変わっていきそうね。
王妃様もなんだか楽しくなってきたのか色々王宮内の改革に乗り気みたいだし。
にこりと微笑んで退室する。相変わらずすれ違う人々の頭を下げられるのだけは慣れないけれど……
まあいいわ。学園を午後からお休みしていいのなら、毎日お仕事したらちょうど学園が終わる頃に帰れるわね。
それにイアン殿下たちの動向も調査したいし、ちょうどいいわ。
ふんふんと鼻歌を歌いながらどうにか今日の分のお仕事を終わらせることができた。
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