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それから数ヶ月後、わたくしのつわりが落ち着いた頃に結婚式を挙げた。ドレスを作ってくれる方には大変な迷惑をかけてしまったわ……
サイズが変わってしまって、さらに妊婦ということで生地の軽量化や伸びの良い素材を使ったりといろいろに工夫してくださったの。
結婚式にはお父様とわたくしの義弟となる男の子も招待させてもらったわ。お父様も初めは遠慮していたんだけれど来てくれて、義弟を紹介してくれたの。とてもしっかりした子で、どことなくお父様に似ているのよね。
それから、お父様の顔つきもすっかり変わっていたわ。げっそりしているとかそういうわけじゃなくて、浮気性の気もなくなっていて、普通の素敵な男性になっていたのよね。
「おめでとう。そしてこんな私を招待してくれてありがとう」
「おめでとうございます! とても綺麗です!」
「ありがとう。お父様も変わられましたね。これからも頑張ってくださいね」
「ああ、アリアのおかげで目が覚めたよ。今この子と出会えて幸せだよ。アリアも幸せにな」
いろいろあったけれど、少しだけ本当の親子になれた気がするわ。
「アリア! 綺麗だな。おめでとう」
「おめでとう。あなたが幸せそうで私嬉しいわ」
「おめでとうアリア。幸せにな」
伯母様と伯父様、今はお義母様とお義父様だけれど、それとネルトも笑顔で祝福してくれたわ。お義母様ったら涙を流して喜んでくれて、わたくしまで涙でいっぱいになってしまったわ。
「ありがとう。お義母様やお義父様、ネルトのおかげでわたくしも幸せになれたのです。本当に感謝してもしきれませんわ」
「アリアー!」
「こら、走るな!」
向こうから元気に走ってくるのはオリーブ、そのオリーブを追いかけるブライアン。久しぶりにあったけれど本当に変わらないわ。
「あら、オリーブ。体は平気なの?」
「ええ! 丈夫だけが取り柄だもの」
「子供もいるんだからあまり驚かせるなよ」
「あら、でも泣いてないじゃない。むしろ喜んでるわよ?」
どうやらわたくしが去った後すぐに籍を入れたみたい。まだ学生だけれど、女性で結婚や妊娠を期に学園を中退する方もしばしばいるのよね。オリーブは元々教育もしっかり受けているし好きな商売がしたいということで籍を入れた時に退学したみたい。
それから子供を授かったんですって。
「アリアのお腹大きくなったねぇ。元気に育っているみたいでよかったわ。またしばらくは会えないけれど、お手紙かくね!」
「ありがとうオリーブ。ブライアンもありがとう」
「いいよ。俺だって楽しみにしてたんだから」
「こら、お前ら。あまりアリアを独占しないでくれる?」
後ろからわたくしを抱きしめながらアーティは嬉しそうに二人に話しかけている。口ではそう言っているけれど嬉しいんでしょうね。
「アーサーもおめでとう!」
「ありがとう」
本当は夜会もあるんだけれど、わたくしは妊婦ということでアーティだけが参加になった。部屋へ戻るとカリンと御者のマルスが二人並んで立っていて驚いてしまったわ。
「あら、二人でどうしたの?」
「俺たち、婚約したんです。お嬢には伝えておきたくて」
「まあ! 全然気づかなかったわ。おめでとう!」
「ありがとうございます」
何事かと思ったけれどわたくしが思っていた以上に嬉しい報告に頬が緩む。おめでたい報告がいっぱいで嬉しいわね。
二人が頭を下げて退室した後は、レオン王太子殿下と真っ赤な顔のエリザベス様。ガッチリと肩を掴まれて逃げれなかったのね……
「疲れているところ悪いね。どうしても挨拶したくて」
「いいえ、大丈夫ですよ。今日は調子もいいですし」
「おめでとう。本当にいろいろと世話になった。幸せにね」
「お義姉様! おめでとうございます。あんな兄ですけどよろしくお願いします」
「ありがとう。あなた方も幸せそうね」
肩を抱かれていて逃げられないのかと思ったらどうやらそうじゃないみたい。むしろエリザベス様の方からくっついているようにも見えるわ。進展があったみたいね。
今日は本当ならば初夜ではあるけれど妊婦なのでそれもないわね。少し眠くなったし横になろうかしら……
そう思った時、アーティが帰ってきたわ。顔は真っ赤になっていてふらふら歩いている。
これ、飲みすぎかしら……? 彼にしては珍しいわね。
アーティはぎゅっとわたくしを抱きしめてそのままベッドへ運んでくれる。横向きで寝ているわたくしを後ろから抱きしめ何かを呟いているわ。何かしら……
「僕は、世界一、幸せだ……大好きな、人と、結婚できて、子供、まで、授かって、幸せだ……愛してるよ、アリア」
とてもとても満たされる。暖かい彼の体温に包まれるこの時間が心地いい。
「わたくしも幸せよ。愛してるわ、アーティ」
聞こえているかも翌朝覚えているかもわからないけれど、今のわたくしの気持ちをどうしても伝えたくなってしまったわ。たまにしゅんとするところもやればちゃんとできるところも全部好きよ。
この幸せが続きますように、そう願いながら瞼を閉じた。
それから数ヶ月後、わたくしのつわりが落ち着いた頃に結婚式を挙げた。ドレスを作ってくれる方には大変な迷惑をかけてしまったわ……
サイズが変わってしまって、さらに妊婦ということで生地の軽量化や伸びの良い素材を使ったりといろいろに工夫してくださったの。
結婚式にはお父様とわたくしの義弟となる男の子も招待させてもらったわ。お父様も初めは遠慮していたんだけれど来てくれて、義弟を紹介してくれたの。とてもしっかりした子で、どことなくお父様に似ているのよね。
それから、お父様の顔つきもすっかり変わっていたわ。げっそりしているとかそういうわけじゃなくて、浮気性の気もなくなっていて、普通の素敵な男性になっていたのよね。
「おめでとう。そしてこんな私を招待してくれてありがとう」
「おめでとうございます! とても綺麗です!」
「ありがとう。お父様も変わられましたね。これからも頑張ってくださいね」
「ああ、アリアのおかげで目が覚めたよ。今この子と出会えて幸せだよ。アリアも幸せにな」
いろいろあったけれど、少しだけ本当の親子になれた気がするわ。
「アリア! 綺麗だな。おめでとう」
「おめでとう。あなたが幸せそうで私嬉しいわ」
「おめでとうアリア。幸せにな」
伯母様と伯父様、今はお義母様とお義父様だけれど、それとネルトも笑顔で祝福してくれたわ。お義母様ったら涙を流して喜んでくれて、わたくしまで涙でいっぱいになってしまったわ。
「ありがとう。お義母様やお義父様、ネルトのおかげでわたくしも幸せになれたのです。本当に感謝してもしきれませんわ」
「アリアー!」
「こら、走るな!」
向こうから元気に走ってくるのはオリーブ、そのオリーブを追いかけるブライアン。久しぶりにあったけれど本当に変わらないわ。
「あら、オリーブ。体は平気なの?」
「ええ! 丈夫だけが取り柄だもの」
「子供もいるんだからあまり驚かせるなよ」
「あら、でも泣いてないじゃない。むしろ喜んでるわよ?」
どうやらわたくしが去った後すぐに籍を入れたみたい。まだ学生だけれど、女性で結婚や妊娠を期に学園を中退する方もしばしばいるのよね。オリーブは元々教育もしっかり受けているし好きな商売がしたいということで籍を入れた時に退学したみたい。
それから子供を授かったんですって。
「アリアのお腹大きくなったねぇ。元気に育っているみたいでよかったわ。またしばらくは会えないけれど、お手紙かくね!」
「ありがとうオリーブ。ブライアンもありがとう」
「いいよ。俺だって楽しみにしてたんだから」
「こら、お前ら。あまりアリアを独占しないでくれる?」
後ろからわたくしを抱きしめながらアーティは嬉しそうに二人に話しかけている。口ではそう言っているけれど嬉しいんでしょうね。
「アーサーもおめでとう!」
「ありがとう」
本当は夜会もあるんだけれど、わたくしは妊婦ということでアーティだけが参加になった。部屋へ戻るとカリンと御者のマルスが二人並んで立っていて驚いてしまったわ。
「あら、二人でどうしたの?」
「俺たち、婚約したんです。お嬢には伝えておきたくて」
「まあ! 全然気づかなかったわ。おめでとう!」
「ありがとうございます」
何事かと思ったけれどわたくしが思っていた以上に嬉しい報告に頬が緩む。おめでたい報告がいっぱいで嬉しいわね。
二人が頭を下げて退室した後は、レオン王太子殿下と真っ赤な顔のエリザベス様。ガッチリと肩を掴まれて逃げれなかったのね……
「疲れているところ悪いね。どうしても挨拶したくて」
「いいえ、大丈夫ですよ。今日は調子もいいですし」
「おめでとう。本当にいろいろと世話になった。幸せにね」
「お義姉様! おめでとうございます。あんな兄ですけどよろしくお願いします」
「ありがとう。あなた方も幸せそうね」
肩を抱かれていて逃げられないのかと思ったらどうやらそうじゃないみたい。むしろエリザベス様の方からくっついているようにも見えるわ。進展があったみたいね。
今日は本当ならば初夜ではあるけれど妊婦なのでそれもないわね。少し眠くなったし横になろうかしら……
そう思った時、アーティが帰ってきたわ。顔は真っ赤になっていてふらふら歩いている。
これ、飲みすぎかしら……? 彼にしては珍しいわね。
アーティはぎゅっとわたくしを抱きしめてそのままベッドへ運んでくれる。横向きで寝ているわたくしを後ろから抱きしめ何かを呟いているわ。何かしら……
「僕は、世界一、幸せだ……大好きな、人と、結婚できて、子供、まで、授かって、幸せだ……愛してるよ、アリア」
とてもとても満たされる。暖かい彼の体温に包まれるこの時間が心地いい。
「わたくしも幸せよ。愛してるわ、アーティ」
聞こえているかも翌朝覚えているかもわからないけれど、今のわたくしの気持ちをどうしても伝えたくなってしまったわ。たまにしゅんとするところもやればちゃんとできるところも全部好きよ。
この幸せが続きますように、そう願いながら瞼を閉じた。
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