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あれから七年の月日が流れた。わたくしとアーティは共に二十四歳、陛下や王妃様からの指導を受けながらお仕事をさせていただいている。
「お母様ぁ、抱っこしてくださいっ!」
「こらっ! お腹に赤ん坊がいるんだ。そんなことはさせん!」
「いやぁ、離してお父様! お母様がいい!」
「イース! アリアは僕の妻だっ」
「僕のお母様だよ!」
元気に言い合いしているのは結婚式の時にお腹にいた子。彼と同じ青色の髪にわたくしの青色の目を受け継いだ彼そっくりの男の子で名前はイース。わたくしのことが大好きでずっとくっついていたいと離れないのよね。それに怒ったアーティとよく言い合いをしているわ……
「もう二人とも! お母様は今大事な時期なんだからやめてよねっ! トーマスだって大人しくしているのにどうしていつもそうなのっ」
そしていつもその言い合いを仲裁してくれるのが二人目の子。ピンク色の髪に茶色の目をした女の子、名前はローズでとてもしっかりものなのよね。そして一緒にいるのは三人目の子、トーマスはアーティと同じ髪と眼の色をしているちょっと大人しい子。大人しいというか周りをよく観察していて、合わせているみたい。なかなか賢いわ。
そしてもう一人、わたくしのお腹の中には新しい命が宿っている。なんとなく女の子なんじゃないかなって思っているのよね。
今日も賑やかな我が家の様子を眺めながら幸せに浸る。アーティはイースが生まれてからますますプライベートでは感情そのままで、六歳の子供相手に本気の言い合いをしている。主にわたくしの取り合いみたい。
だからいつも、みんな愛しているけれど、男性として好きなのはあなただけって言ってあげているわ。そうするとすぐに機嫌を直すのよね。わたくしはそれ以上にたくさんの言葉をもらっているからたまにはちゃんとお返ししなきゃね。
エリザベス様は成人してすぐにレオン王太子殿下の元へ嫁いでいったわ。少し寂しいけれど、とても仲良くしているみたい。それからイアン元第三王子の一件もあり国王陛下が退いて、レオン王太子殿下は国王陛下となった。
嫁いですぐに王妃になってしまったエリザベス様はわたくしに不安な気持ちを打ち明けてくれたけれど、レオン陛下がうまくやってくれているみたい。
子供も生まれて幸せなんですって。よかったわ。
「あ! 動いたよ!」
「あら、本当ね。お兄ちゃんのことがわかるのかしらね」
ずっとわたくしのお腹に耳を近づけて話しかけていたイースははしゃいでいる。それを聞きつけたアーティも同じく耳を近づけているけれど、反応ないわね。
しゅんと肩を落としている彼が面白くてくすくす笑っているとぽこりとお腹を蹴る。
「あっ! 蹴った、蹴ったぞ。お父様だぞー。早く出ておいで」
「早く出てきちゃだめよ! ちゃんと大きくなってからじゃなきゃ」
四歳のローザにあたりまえの事実を突きつけられ、さらに肩を落とすアーティ。もう、いい加減四人目なんだから少しは落ち着いてほしいのだけど。
「おとうしゃま、きっとちゃんとげんきにでてきてくれましゅよ。だから、まってあげましょう」
二歳のトーマスはなかなか大人びているのよね。大人かしらと思うほどよ。
「そうだな。みんな待ってるからね」
二歳児の言葉に笑顔を取り戻した彼はわたくしのお腹を撫でる。全くもう……
みんなプライベートの彼に対してはこんな態度だけれど、ちゃんと尊敬もしているのよ。仕事となるとキリッとするもの。今日だって本当なら夜までかかるお仕事だと聞いていたのにお昼過ぎには終わらせてきたんだもの。
ただ、無理をしていないか心配にはなるのだけれど、わたくしや子供達を見ていると疲れが吹っ飛ぶんですって。だから仕事がたくさんあっても頑張れるんだって言ってたわ。
貴族となると子育ては乳母や使用人に任せる所が多い中、わたくし達は仕事以外の時間はなるべく家族と過ごすようにしているわ。それと夜はちゃんと二人の時間も設けているの。
子供達と過ごす時間も大切だけれど夫婦としての時間も時には必要なのよね。
初めての子が生まれた時はわたくしが子供にかかりっきりになってしまって彼が拗ねて大変だったのよ……
普通は母親の方がいろいろと大変なのにね。思わず笑ってしまったわ。それからは子供を乳母に預けて二人で出かけたり、夜の時間を必ず取るようにしているわ。
時々頼りなくなったりするけれど、今は子供達にもお尻を叩かれて頑張ってくれているわ。
家族ってとてもいいものね。これからもいろいろあると思うけれど、みんなで頑張っていくわ。
「お母様、大好きー!」
「お母様もみんなのこと大好きよ」
「僕は?」
「あなたのことももちろん愛してるわよ」
「僕も、みんな愛してる。みんなかけがえのない宝物だよ」
たくさんの笑いが響き合う庭でまた一つ大切な思い出が増えていった。
あれから七年の月日が流れた。わたくしとアーティは共に二十四歳、陛下や王妃様からの指導を受けながらお仕事をさせていただいている。
「お母様ぁ、抱っこしてくださいっ!」
「こらっ! お腹に赤ん坊がいるんだ。そんなことはさせん!」
「いやぁ、離してお父様! お母様がいい!」
「イース! アリアは僕の妻だっ」
「僕のお母様だよ!」
元気に言い合いしているのは結婚式の時にお腹にいた子。彼と同じ青色の髪にわたくしの青色の目を受け継いだ彼そっくりの男の子で名前はイース。わたくしのことが大好きでずっとくっついていたいと離れないのよね。それに怒ったアーティとよく言い合いをしているわ……
「もう二人とも! お母様は今大事な時期なんだからやめてよねっ! トーマスだって大人しくしているのにどうしていつもそうなのっ」
そしていつもその言い合いを仲裁してくれるのが二人目の子。ピンク色の髪に茶色の目をした女の子、名前はローズでとてもしっかりものなのよね。そして一緒にいるのは三人目の子、トーマスはアーティと同じ髪と眼の色をしているちょっと大人しい子。大人しいというか周りをよく観察していて、合わせているみたい。なかなか賢いわ。
そしてもう一人、わたくしのお腹の中には新しい命が宿っている。なんとなく女の子なんじゃないかなって思っているのよね。
今日も賑やかな我が家の様子を眺めながら幸せに浸る。アーティはイースが生まれてからますますプライベートでは感情そのままで、六歳の子供相手に本気の言い合いをしている。主にわたくしの取り合いみたい。
だからいつも、みんな愛しているけれど、男性として好きなのはあなただけって言ってあげているわ。そうするとすぐに機嫌を直すのよね。わたくしはそれ以上にたくさんの言葉をもらっているからたまにはちゃんとお返ししなきゃね。
エリザベス様は成人してすぐにレオン王太子殿下の元へ嫁いでいったわ。少し寂しいけれど、とても仲良くしているみたい。それからイアン元第三王子の一件もあり国王陛下が退いて、レオン王太子殿下は国王陛下となった。
嫁いですぐに王妃になってしまったエリザベス様はわたくしに不安な気持ちを打ち明けてくれたけれど、レオン陛下がうまくやってくれているみたい。
子供も生まれて幸せなんですって。よかったわ。
「あ! 動いたよ!」
「あら、本当ね。お兄ちゃんのことがわかるのかしらね」
ずっとわたくしのお腹に耳を近づけて話しかけていたイースははしゃいでいる。それを聞きつけたアーティも同じく耳を近づけているけれど、反応ないわね。
しゅんと肩を落としている彼が面白くてくすくす笑っているとぽこりとお腹を蹴る。
「あっ! 蹴った、蹴ったぞ。お父様だぞー。早く出ておいで」
「早く出てきちゃだめよ! ちゃんと大きくなってからじゃなきゃ」
四歳のローザにあたりまえの事実を突きつけられ、さらに肩を落とすアーティ。もう、いい加減四人目なんだから少しは落ち着いてほしいのだけど。
「おとうしゃま、きっとちゃんとげんきにでてきてくれましゅよ。だから、まってあげましょう」
二歳のトーマスはなかなか大人びているのよね。大人かしらと思うほどよ。
「そうだな。みんな待ってるからね」
二歳児の言葉に笑顔を取り戻した彼はわたくしのお腹を撫でる。全くもう……
みんなプライベートの彼に対してはこんな態度だけれど、ちゃんと尊敬もしているのよ。仕事となるとキリッとするもの。今日だって本当なら夜までかかるお仕事だと聞いていたのにお昼過ぎには終わらせてきたんだもの。
ただ、無理をしていないか心配にはなるのだけれど、わたくしや子供達を見ていると疲れが吹っ飛ぶんですって。だから仕事がたくさんあっても頑張れるんだって言ってたわ。
貴族となると子育ては乳母や使用人に任せる所が多い中、わたくし達は仕事以外の時間はなるべく家族と過ごすようにしているわ。それと夜はちゃんと二人の時間も設けているの。
子供達と過ごす時間も大切だけれど夫婦としての時間も時には必要なのよね。
初めての子が生まれた時はわたくしが子供にかかりっきりになってしまって彼が拗ねて大変だったのよ……
普通は母親の方がいろいろと大変なのにね。思わず笑ってしまったわ。それからは子供を乳母に預けて二人で出かけたり、夜の時間を必ず取るようにしているわ。
時々頼りなくなったりするけれど、今は子供達にもお尻を叩かれて頑張ってくれているわ。
家族ってとてもいいものね。これからもいろいろあると思うけれど、みんなで頑張っていくわ。
「お母様、大好きー!」
「お母様もみんなのこと大好きよ」
「僕は?」
「あなたのことももちろん愛してるわよ」
「僕も、みんな愛してる。みんなかけがえのない宝物だよ」
たくさんの笑いが響き合う庭でまた一つ大切な思い出が増えていった。
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