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それはとつぜんのことで

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「こんばんはソフィア嬢」


「こんばんはリオン様」



美しい音色が耳に染み渡る




私は今、夜会にでている。





そして、そのパートーナーはマクシミリアン様だ。






いくら避けられてるとはいえ、
マクシミリアン様は私の婚約者であるためパートーナーとして一緒に来ることが暗黙の了解とされている。








だからこの時だけが私がマクシミリアン様ととてもちかくにいることができる唯一の時なのだ。







しかし顔が合うことはほとんどなく、気まづさから他の友達のものへと向かった。






他の子息の方とは普通に話せるのにな、と思いつつ微笑みながら話していると、
マクシミリアン様が私の方へ向かってきて、違うところへと引っ張られた。








どこか、怒っているような、はたまた悲しんでいるような、そんな複雑な表情で





「君はどうして....」




という声が聞こえた。











…「気がした」









その瞬間はあまり覚えていない。






…目の端で何か金属に光が反射したような嫌なものがかすむ。





いや、目の前で何かが動いたと思った時には、脳がそのことを考える前には









.......気づいたら私の体は動いていた。







「ソフィア!!!」







嫌なものだと思ったのは、マクシミリアン様を狙った刺客、その殺気と凶器の輝きだったようだ。






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