Cafe サージ

Repos〜ルポ

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story〜3

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夕陽が沈み、月が顔を
見せ始めた頃…
ライブは最高潮に
盛り上がっていました。

その時…扉が静かに開き、
コトハのご主人が
入って来ました。

彼は、見たことのない
コトハの姿に驚いていました。

夫が入って来たのが見えると
コトハは、ゆっくり話し始め
ました。

「今夜は、私の初ライブに
 来て下さって、本当に
 ありがとうございます。
 次の曲は…私にとって、
 とても大切な1曲です」

イントロが始まると、彼は
また驚きました…。
かつて、一緒に行った
ライブで聴いた想い出の曲
だったのです。

以前からコトハはご主人に
ライブには必ず来てほしいと
話していました。
今日は2人の結婚記念日で、
どうしても、この曲を
サプライズでプレゼント
したかったからです。

心を込めて歌うその姿に、
彼は感動していました…。

アーチがライトの明かりを
少し落とすと…コトハの
演奏している背中を包む様に
満月が照らしていました…。

ラストソングが終わると、
大歓声と拍手でライブは
終わりました。

ゲストが帰った後…
打ち上げはコトハ夫妻の
結婚記念日も兼ねて、
家族も交えたステキな
パーティーになりました。

帰りに、コトハが3人の所に
やって来ました。

「本当に楽しかった!
 グラタンにチョコレート
 ケーキ…今日の料理は、
 どれも美味しくて私の
 大好きなものばかり!
 お祝いまでしてくれて、
 マビー、オーシャ、アーチ…
 3人のお陰で大成功よ。
 本当にどうもありがとう」

それを聞いてマビアは…。

「本当にステキなライブ
 だったわ…お疲れ様。
 オーシャ、アーチも…
 ホントお疲れ様」

そして、オーシャは…。

「ほーんと良かった!
 月灯りを取り入れる
 ステージもカッコいい!
 アーチ、今度は私もライブ
 してみたくなっちゃった!」

最後にアーチも…。

「コトハ、お疲れ様。
 喜んでもらえて、何より。
 また、ご依頼があれば
 いつでもどーぞ」

こうして…ライブは大成功で
終わりました。


ライブから数日後…。


アーチはまた旅に出ると言い、
出発の前日…マビアと2人で
呑んでいました。

「また…しばらく会えなく
 なるわね。寂しくなるな…」

「なーに言ってるの。
 すーぐ帰ってくるわよ」

「今度はどこへ行くの?」

「スペインの彼がね…
 待ってるのよ…」

「今度はスペインなの?!
 この間の彼は…?」

「もうとっくにお別れしたわ…
 だって、しつこいんだもん」

「なるほど…アーチらしいわね」

「まぁ…彼がいようと、旅を
 していようと、またいつでも
 帰ってくるわよ。大好き
 なんだもん、ココが1番!」
 
「アリガト。身体に気をつけて
 ね。それじゃあ、もう一度…
 乾杯しよっか。アーチの、
 新たな旅立ちに…」

「マビーの新たな出逢いにもね」

「私には、お店もあるし、
 それに…彼が出来たらココに
 泊められなくなるよ?」
 
「あっ、そっか…それは困る!」

「でしょう?ハイッ!カンパ~イ」

「カンパ~イ!」


こうしてアーチは、また
旅に出ました。


慌ただしくも、充実した夏が
終わり、お店はまたマビアが
1人でやっていました。
相変わらず、オーシャはCafeが
忙しくなると、お店を手伝い
ながら占いをしてくれたり、
パン屋のコトハは、定期的に
パンを届けに来てくれていました。


ある日…。


マビアの自宅にオーシャと
コトハがやって来て、3人で
食事をしました。
久々に集まったので話が
盛り上がり、2人はそのまま
泊まる事になりました。

バルコニーで呑んでいると…
不意に2人から店を始めた
きっかけを聞かれました。

すると…マビアは引き出しから
写真を取り出しポツリポツリと
話し始めました。

「実は、2人にはまだ話して
 なかったんだけどね…
 昔…結婚してたんだ、私」

「えっ…?」

「亡くなった夫との
 夢だったんだ、このお店…」

マビアは、久しぶりに見た
夫の写真を見つめながら
出会った頃を思い出し
微笑んでいた…。

       次に続く…
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